2010年10月13日

ノーベル平和賞の背後にある、欧州勢力の対中国戦略は?

中国の民主活動家・劉暁波氏にノーベル平和賞授与が決定した後、中国政府が強く反発している。それに対して、世界のマスコミ報道は、中国は言論弾圧の厳しい反・民主主義国であるという負のイメージを世界中に植え付けている。これは、’90年のソ連崩壊→民主化と同じ構図である。
ノーベル賞は欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)が支配している。
欧州勢力は、中国の反政府活動家にノーベル平和賞を授与することで、何を目論んでいるのだろうか?
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山本尚利氏の論文「2025年世界シナリオがグローバルMOT(技術経営)に与える示唆」から引用。

BRICs 台頭に伴う世界多極化の進展
2010年初頭時点において、世界を政治的に主導しているのは依然として米国、欧州諸国である。日本は近々、GDP(国内総生産)統計において中国に追い抜かれると予想されているものの、現時点では米国に次いでGDP が世界第 2 位であるためG 7 (先進 7 カ国、米国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)にアジア唯一の代表国として参加してきた。ところが、20世紀末よりBRICs の台頭が著しくなり、G 7 にまずロシアが加わってG 8 となり、近年では一挙にG20 と増加、世界は急速に多極化している。今後は、この世界多極化シナリオに従って、世界政治体制がG20 という多頭指導体制に変化して行く。ちなみにG20 の発想はオリゴA (米国軍事覇権)ではなくオリゴB(国際金融資本) の発想である。
G20 という多頭指導体制が世界の主流になろうとしているということは、2010年世界シナリオはオリゴB によって主導されていることを意味する。米国覇権が2008年末に終わったブッシュ政権時代まではオリゴA が世界シナリオを主導していたが、2009年初頭、バラク・オバマ政権に交代するとともに、オリゴB に世界覇権の主導権が移ったとみなせる。オリゴB はアンチ・オリゴA の米国寡頭勢力と欧州寡頭勢力で構成されるが、欧州系が優勢である。ノーベル賞選考委員会に発言力をもつオリゴB は、オリゴB の世界戦略を踏襲するオバマ大統領に2009年度ノーベル平和賞を与えた。その授賞理由は、オバマが2009年 4 月、欧州プラハにて歴史的な『核兵器廃絶宣言』を行ったからである。この宣言には、世界規模で軍事覇権を維持しようと企むオリゴA の世界戦略の展開を阻止する意図が込められている。

世界的寡頭勢力に影響される中国シナリオ
現代世界は未だ欧米先進国が世界経済を主導しており、欧米先進国を拠点にする世界的寡頭勢力の影響力を無視することはできない。中国が今後も発展できるのか否かは、中国単独の意思では必ずしも決まらない。つまり世界的寡頭勢力のオリゴA(米国軍事覇権)およびオリゴB(国際金融資本)の対中国インパクトの強弱によって、2025年中国シナリオが決定づけられる。
シナリオ 1 は中国の『世界的経済大国』化であり、中国は世界一のGDP(国内総生産)を達成するとみている。このシナリオ実現条件はオリゴB が、その巨大な金融投資力によって中国に大規模投資することである。代表的な国際金融機関のゴールドマン・サックス(GS)は中国投資に極めて積極的である。米国連邦政府の元財務長官ヘンリー・ポールソンはGS の元CEO であったが、GS の中国投資ビジネスで多大な功績を挙げたといわれる。
シナリオ 2 は中国の『世界的輸出大国』化である。現在の中国は日本や韓国に代わって、すでにこのシナリオを実現させている。シナリオ 2 の意味するところは、2025年時点でも、中国は現在のポジションから脱していないということである。つまり、中国の経済発展が今後も阻害され続けるシナリオである。当然ながら、このシナリオを中国政府は歓迎しない。シナリオ 2 では、オリゴA が対中戦略として軍事的に中国を封じ込めることに成功する必要がある。2008年までの米国ブッシュ政権はシナリオ 2 を想定した対中戦略を採用していたが、オバマ政権下では米国軍事覇権による対中インパクトは相対的に弱まっている。
もし、米国にてオバマ政権が続けば、シナリオ 3 の中国の『アジア覇権国』化あるいはシナリオ 4 の中国の『世界的覇権大国』(米国の後継国家)化が現実味を帯びてくる。米国軍事覇権の対中インパクトが弱まると、中国はシナリオ 1 およびシナリオ 2 の経済・貿易立国に加えて、その経済力をバックにして国際政治的に覇権国家を志向する可能性があり、シナリオ 3 やシナリオ 4 が日本のみならず世界にとって脅威となるのは確かである。

今後予想される中国シナリオ展開
今後、中国がどのようなシナリオ展開をみせるかは、世界的寡頭勢力のオリゴA とオリゴB が勢力争いの結末如何で決まる。両者の対立軸は、当面、両者の対中戦略の違いで決まる。経済高成長を目指す中国政府はオリゴB との連携を望むであろう。
ところで米国オバマ政権の外交戦略はオリゴA とオリゴB の両者から影響を受けているが、米国の世界軍事戦略についてはオリゴA に左右されている。その証拠に、平和主義の米国民から支持されて大統領になったバラク・オバマは、米国世論に逆らって2009年12月、アフガニスタンに 3 万人の米軍兵力を増派すると発表している。一方、オリゴB はオバマ政権に対し、極東アジア外交において日米関係よりも米中関係の重視と深化を期待している。その証拠に、2009年11月、オバマのアジア歴訪時、日本より中国を重視する外交姿勢が目立った。このようなオバマのアジア外交戦略は、オリゴB の主導するEU 欧州連合体のアジア外交戦略とも一致する。
以上の議論より、米国オバマ政権は2009年末時点にて、図3のシナリオ 1 とシナリオ 4 の境界領域
を志向しているとみなせる。
大国化する中国政府が傲慢となって、安易にシナリオ 4 を志向することの
ないよう、巧妙な対中戦略を展開している。米国でオバマ政権が続く限り、中国は当面、どちらかとい
えばシナリオ 1 の世界一の経済大国を目指すことになる。
いずれにしても中国シナリオの未来は極めて不確実である。その不確実性の大きな原因は、米国軍事覇権の動向が第三者には容易に読めないからである。米国にはCIA(中央情報局)があって、英国諜報機関MI6 やイスラエル諜報機関モサドと連携しながら、世界規模にてさまざまな謀略活動が行われている。彼らの活動範囲には第三国政府への政治工作も含まれる。これらの対外政府工作は秘密裏に行われるので、第三者にはまったくわからず、分析の対象から外さざるを得ないのである。

山本氏の言うオリゴAとは米戦争屋(D.ロックフェラー)を指し、オリゴBとは欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)を指していると見て間違いない。そして、両者の力の基盤と戦略は以下の通り。
D.ロックフェラー   <    ロスチャイルド   +   欧州貴族
 石油・食糧・製造業        金融(中央銀行FRB)    莫大な資産(金や土地)
 シティバンク            ゴールドマンサックス
 軍・CIA               世界のマスコミ
 米共和党(ブッシュ)        米民主党(オバマ)
                     J.ロックフェラー   
 
 日自民党(清和会)        日民主党(小沢)       日本では鳩山(友愛)のみ
 日本の検察・官僚・マスコミ   日本銀行    
 自由原理主義           社会民主主義        社会民主主義
                     ★金融資本主義   VS  金融規制
                      (反金融規制)
 米一極主義             多極主義           多極主義
 ドル基軸通貨           ★バスケット通貨   VS  金・石油等の現物本位通貨
欧州勢力がこれまで進めてきた戦略は、
・1970年代のローマクラブ(世界人口の増加と石油枯渇の危機感)→オイルショック
・1980年代以降のEU統合(欧州共通通貨ユーロ)とソ連崩壊+日本バブル
・1990年代以降の世界バブル+BRICSの市場化戦略(世界の多極化戦略)
(2000年代前半 戦争屋-ブッシュ-小泉一派が巻き返しの暴走)
・2008年 世界金融危機。FRBのドル紙幣印刷にタガがはめられた=銀行屋(ロスチャイルド-FRB)が欧州貴族の軍門に下った。
このように欧州勢力は長期戦略として、ロシア統合も視野に入れたEU統合+BRICSの市場化戦略やドル一極体制の終焉→多極通貨体制を指向してきた。この延長上で考えると、山本氏のシナリオ4、つまり中国の『世界的覇権大国』(米国の後継国家)化はないだろう。なぜならば、戦後米国を覇権国家=基軸通貨国にしたのはD.ロックフェラーであるが、欧州勢力は一貫してEU統合と通貨多極化という戦略で動いており、中国を米国に代わる覇権国家(基軸通貨国)にするとは考えられないからである。
山本氏のシナリオのうち、可能性が高いのは、シナリオ3中国の『アジア覇権国』化であろう。
しかし、中国を多極の一つにした上で欧州勢力が思い通りに支配するためには、欧州勢力にとって前提条件がある。自分たちの支配に都合が良い民主主義の思想で中国を染上げなければならない。でなければ、欧州勢力にとって中国は危険な存在であり続ける。
’90年に社会主義国家ソ連を崩壊させ(民主化し)、その後できたロシアの統合を目論んでいるのと同様、中国をも民主化させる。そのための布石(一手)が、中国の民主活動家のノーベル平和賞授与であり、それに反発する中国を世界世論で封じこめようとする戦略なのではないだろうか。
るいネット
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List    投稿者 staff | 2010-10-13 | Posted in 09.国際政治情勢の分析4 Comments » 

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コメント4件

 風評被害者 | 2011.06.02 10:10

いきなりスミマセン。
http://kukkuri.jpn.org/1103arashijouhou.html
彼女は推測でデマの風評被害を作り出しています。

 SHIN | 2011.06.03 16:48

コ全くのウマシカでは無いと思う
例えば汚れた水と力のない土から出来た作物は得体の知れない何かにより飾られなければ商品には成らないようなものか!
マクドナルドなど食べ物でないものが
大手を振って人体に入っていく
何が有っても不思議でない
どんな人間が出来ても不思議でなし
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 伯爵 | 2011.06.09 2:56

「私たち素人」ではなく、自立した意識を持った「学習する市民」であるべきです。 素人のままでは駄目です。

 hermes bags svizra | 2014.02.02 20:07

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