2008年05月27日

多極派の目論見は、米・欧・アジアの三極通貨体制か?

「Anti-Rothschild Alliance<反ロスチャイルド同盟>」に、2008年5月4日『あべ よしひろ講演会』講演録がUPされている。
金貸し支配の歴史がわかりやすくまとめられた資料なので、紹介させていただきます。
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●ドル基軸通貨体制の崩壊
危機的な状況は日本だけじゃなく、先ほど述べたように米国も危険な状態です。
特に、ブレトンウッズ以来続いてきたドルの基軸通貨体制は崩壊寸前になっています。
この10年近く、ドルの基軸通貨体制を崩そうとする動きが世界的に続出しています。
1999年 ユーロ誕生。
2000年 フセイン、原油の決済通貨をドルからユーロに変える。
2001年 9.11とアフガン攻撃。
2002年 ユーロ現金流通開始。
2003年 イラク攻撃。イラク原油の決済通貨をドルに戻す。
2006年 ロシア、ルーブルによる石油取引を開始。
2006年 プーチン大統領「ルーブルを世界通貨にする」と宣言。
2007年 イランが「原油のドル決済を完全に停止」と宣言。
現在はユーロ・円で決済。
2008年 メドベージェフ大統領「資源をルーブル決済にする」と宣言。
米国は世界一の財政赤字・経常赤字・対外債務国家ですが、それでも何故破産しなかったかと言えば、ドルが基軸通貨だったからであり、特に原油の決済がドルのみで行われてきたことに依ります。しかし、今ではユーロが出来てドルを上回る流通量となり、ロシアやイランといった資源大国がドル以外の原油決済を始めました。
このままドルが基軸通貨の地位を失えば、米国は国家破産となり、世界一の経済大国アメリカの破産は世界恐慌へつながるでしょう。

●FRBの自滅政策
この危機的な状況に対してFRBがどんな対策をしているかと言えば、緊急融資の増額と金利を大幅に下げることですが、これは逆効果にしかなりません。
金融機関が陥っているのは資金難ではなく、資産価値の下落であり、緊急融資や利下げは一時的な延命効果しかありません。
FRBが巨額の資金を注入するほどドルの発行量が増加し、世界的なインフレが進行します。
そして、ドルを避けた投機資金は商品市場に流れ込み、石油や金や穀物の相場を上昇させます。
また、利下げをすれば、米国の金融市場への資金流入が細ります。
投資家はドル建て金融商品を売って、ユーロや人民元の資産を買う傾向を強めていきます。
つまり、FRBが資金供給や利下げをするほどインフレとドル安がひどくなり、ますます状況は悪化していくだけです。
と言うことは、FRBにはドルを救済する意思がないということになります。

●北米共通通貨AMERO誕生か?
では、いったいFRBは何を狙っているのか?既にドルのクラッシュ・プログラムは完成していると思います。
2010年までには、米国とカナダ、メキシコが一体となって北米経済圏(NAU=North American Union)をつくる構想があり、北米共通通貨アメロ(AMERO)も既に準備が完了しているようです。
つまり、ドルをクラッシュさせ、借金をチャラにし、新たな通貨でやり直すということですね。国家破産の方式に当てはめれば債務帳消し型です。
欧州連合(European Union)、北米連合(North American Union)と来れば、当然、次はアジア連合(Asian Union)という流れになるでしょう。(中略)アジア共通通貨が出来て、ユーロ、アメロとペグ制を取れば、実質的な世界統一通貨の出来上がりです。

実際、アメリカのシンクタンク国際経済研究所所長フレッド・バーグステンは、2008年1月5日の日経新聞では「将来の世界の通貨体制はドル・ユーロ・元の三極通貨システムだ。日本は人民元ブロックの一員となる」と語っているとのこと。
多極派が目論むのは、北米新通貨AMERO・欧州共通通貨ユーロ・アジア共通通貨の三極通貨体制で、それぞれがペッグすることで実質的な世界通貨の登場とのこと。このシナリオでは、日本は中国人民元ブロックの中に組み込まれるらしい。
が、このシナリオには問題が二つある。
①ドル暴落直後、いきなり北米新通貨AMEROに切り替えたとしても、いきなり信用されるはずがない。そこで大量の買い支えが必要となるが、その資金源として郵政資金をはじめとする日本の金融力と生産力を支配しようとしているのではないか。資金を搾り尽くされた後、日本は中国の下に組み込まれるというシナリオか?
②多極派にとっては、日中の友好がアジア連合立ち上げには不可欠であるが、現状は逆ベクトルに動いている。欧米→日本のマスコミが反中プロパガンダに躍起である。これはドル暴落⇒多極化を阻止しようとする一極派の抵抗か?
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-05-27 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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