2008年11月04日

オバマ当選後のマスコミの論調は?~金融国有化反対と環境バブルの演出

年次改革要望書を取り上げたフジテレビ『サキヨミLIVE』から、元外交官原田武夫氏にも出演依頼があったらしい。
「元外交官・原田武夫の『国際政治経済塾』~米国が社会主義化すると慌てふためく大手メディア」から引用する。
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●慌てて舵を切る日本の大手メディア
先日、日本の某大手テレビ局からVTR出演の依頼があった。担当の広報PR嬢曰く、「米国の対日年次改革要望書についてお聞きしたい」とのこと。インタビューのために1時間ほど時間を割けないかということらしい。これを聞いて、私にはピンと来た。「彼ら、いよいよ焦ってきたな」と。
ご存知のとおり、そもそもこの「対日年次改革要望書」なるものが問題とされるべきだったのは、郵政民営化の議論が華やかかりし2005年であったはずなのだ。ところが、テレビ、新聞、雑誌を問わず、大手メディアは当時、この問題について、完全に“黙殺”した。その結果、郵政民営化を唱えるコイズミ一派が地滑り的勝利を遂げたのである。
それが何故、今になって「対日年次改革要望書を取り上げたい」というのか。社内の広報PR嬢からの説明を聞くにつれ、彼らの“策略”がすぐさま私の脳裏に浮かんできた。それはこういうことだ。
まず、「対日年次改革要望書だなんて、米国から日本への命令書を認めるわけにはいかない」と叫ぶ“専門家”を登場させる。
その次に、「こういった指摘がありますが…」と外務省関係者に“直アテ”し、「いやいや、とんでもない。これは日本の国益のためでもありますよ」とのコメントを得る。
その後、私にマイクを向け「実際のところ、どうなんですか?」と質問し、私からは「実際には、米国の言いなりですよ。情けない」というコメントを取る。そこでスタジオへ画面は移り、“コメンテーター”のお歴々が「あーでもない、こーでもない」とやる。
最後に司会が言う。「まぁ、こういうものの存在が隠されてきたのは問題ですが、日本も直すべきところは直したほうが良いですよね」。そして、大団円。
余りにも筋書きが明らかだったので、私は出演を断った。そもそも私が3年半前に外務省を自主退職し、独り立ちした企業人としての言論を展開しているのは、かつての親元と喧嘩するためではない。もっと大きな存在が日本を覆っており、その呪縛から日本人の1人1人が解放されるよう、活動を展開したいと思ったからだ。
これに対し、この「大きな存在」、すなわち米国は、そうした勢力を日本国内でぶつかり合わせ、内ゲバにすることで不穏なエネルギーを発散させようとする。そうすれば、米国の方へとそのエネルギーは向かってこないからである。私は、絶対に彼らのこうした手には乗らないようにしている。
「先読み」をテーマとするこの番組は、正に想定したとおりの構成だった。見ると、外務省の代表としてコメントを取られていたのは、かつて私のことを誰よりも守ってくれた上司の1人だった。
「彼らのいつもの手」に乗らずに良かったと胸をなでおろしたことは言うまでもない。

●“社会主義化”する米国?
最近、奇妙なことが日本の大手メディアについて連続して生じている。その1つが、こうした「反米論」のあからさまな展開だ。画面に出てくるのはいつも決まってブッシュ大統領、そして共和党。「ブッシュ大統領、そして小泉総理が世の中を悪くしました」という論調が、そこでは壊れたテープレコーダーのように繰り返されている。
こうした光景を見て、読者の方々は一体どう思われるだろうか?私からすれば、彼ら日本の大手メディアがやりたいことは1つである。来年から始まる米国の新政権が「民主党」になるのを控えて、一生懸命、そのご機嫌を取ろうとしているのだ。「ブッシュ政権が全て悪い」「米国は刷新が必要だ」という論調を引っ提げて。これ見よがしに新自由主義批判をブッシュ大統領の画像と共に垂れ流すのは、正にその典型だろう。
しかし、よくよく見ると米国を巡る「真実」は全く異なることに気づくのである。この観点から、最近、大変気になる報道があった。「オバマ大統領になった暁には、米国は自らの経済を欧州型に切り替えるであろう。そうなれば、もはやかつてのような経済成長は望めない」というインタビュー記事である(10月27日付独版フィナンシャル・タイムズ参照)。
インタビューに答えているのは、ケネス・ロゴフ元IMF(国際通貨基金)首席アナリスト。マケイン大統領候補(共和党)のアドバイザーであった人物である。彼によれば、オバマ新政権では、欧州モデルにならって、米政府は社会・経済の至るところで“介入”を始めるのだという。その結果、社会・経済は勢いが殺がれ、弱くなっていくというのである。
最近、この手の論調もまた世界のメディアにおいては非常に強く流れされ始めている。日本の大手メディアでは、新政権に対する恐怖からか、妙に追従の報道が多いが、世界ではむしろ「アメリカ社会主義合衆国(U.S.S.A.)」が危惧されるとの声すら喧伝され始めているのである。
恐らく、日本の大手メディアはある時から、全く同じ論調を流し始めるに違いない。だから、彼らに私たちはもはや騙されてはならないのである。そもそも、ブッシュ政権が進めた新自由主義政策なるものの根幹にある構造改革という名の破壊ビジネスを、大車輪で開始したのは、他ならぬ民主党のクリントン政権なのである。「共和と民主」などという演出された茶番を超えて、本当の米国を見据えなければ、マーケットとそれを取り巻く国内外情勢を巡る「潮目」を読み取ることは出来ないのである。

生き残りに必死な日本の大手メディアたち。その姿は余りにも哀れではある。何せ、自分たちが垂れ流す、つくられた「政治討論番組」で政治を動かし、日本を動かしてきたという自負があるのであるからだ。しかし、これからは全くそうはいかない。もはや、米国に出来すぎたお追従をしたところで、海の向こうが振り返ることはないのである。

日本のマスコミがアメリカ批判・新自由主義批判に転じている。米大統領選の勝ち馬(民主党)に乗るために慌てて共和党ブッシュ批判を始めたというのは、原田氏ご指摘の通りだろう。つい3年前まで、小泉と郵政民営化礼賛で世論を一色に染め上げてきたマスコミの豹変ぶりには呆れるが、それで金貸しの没落とアメリカ覇権の終焉へと世論が向かうのであれば良しとしよう。
しかし、問題はオバマが大統領になった後、マスコミの論調がどうなるか?である。
「アメリカ社会主義合衆国(U.S.S.A.)に対する危惧」などという話が世界のマスコミで喧伝されているとなると、これは、過度の金融規制、さらに言えば金融機関の国有化に対するアンチキャンペーンを張ろうとしているとしか考えられない。言うまでもなく先進国のマスコミを支配しているのは金貸しである。金貸しとしては、ある程度の金融規制まではやむを得ないとしても、金融機関の国有化だけは何としても阻止しようとするだろう。国有化即金貸しの没落を意味するからだ。
『ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報』「エコロジーという洗脳、再び」でも警告されている。

「エコ洗脳」に登場した、排出権取引市場。今は価格低迷でなりを潜めていますが、オバマ政権になったらまた復活する可能性がある。何しろ、11月15日の金融サミットでは、「グリーン・ニューディール」で世界恐慌を乗り切るという決議が行われるかもしれないのだ。オバマ政権では、間違いなく、「緑の公共投資」の売り込みが行われるだろう。先制攻撃で、日本のメディアに警告しておきたいと思います。
ちまたの論調を見ると、もうCO2が温暖化の原因かどうかはどうでもいい、動き出した環境ビジネスは儲かるんだと財界に思わせることが重要だ、となっている。アメリカでも気候取引所が出てきている。シカゴには既に2000年から「シカゴ気候取引所」(CCX)がある。オバマの地盤であるシカゴであることが全てを物語っている。(中略)これらの企業は排出権という金融取引を使って本業のマイナスを補うつもりだろう。さて、うまいくのかな?

オバマが大統領当選後にマスコミが喧伝するのは2点だろう。
金融機関の国有化に対するアンチキャンペーンと、環境バブル(環境金融商品を作り出して、日・中・アラブの資金を引っ張る)の演出ではないか?
しかし、環境バブルを作り出しても、これまでの証券化市場の損失に対しては焼け石に水でしかなく、金融機関の国有化は避けられない。それでも喧伝するしかないほど、金貸しとマスコミは追い詰められていると見ることもできる。
いずれにしても、当選したオバマがどんな政策を打ち出すか? 金融サミット(ブレトンウッズ2)でどんな方針が出されるか?(⇒中国がどう出るか?)それに対して市場がどのような反応を示すか?が当面の焦点となるだろう。
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-11-04 | Posted in 09.国際政治情勢の分析2 Comments » 

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コメント2件

 まる | 2009.02.11 16:18

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確かに財政政策には効果が無いとつい先日まで嘯いていた輩(渡辺や山本一太)が唱える政府紙幣発行論や積極財政には違和感を覚えずには居られません。
かつて彼らの親分小泉は当時はまだ自民党に居た亀井静香氏の政府紙幣発行の提案をにべもなく否定しておりましたし。
そもそも日本の景気低迷は改革の遅れにあると行って来た連中ですしね。
その金をどこにどう言う風に再分配するのか興味がありますね。
それとは別にもう一つ懸念してる事があります。
それは殊更に政府紙幣発行論を唱えておいてマスコミを使ってそれを否定してしまおうと言う狙いがあるんじゃないでしょうか?
かつてのインタゲ論同様に闇に葬られる危険があると思いますね。
ここに来て円天問題を殊更に取り上げてるのも関連があるんじゃないでしょうか?
政府紙幣や地域通貨そのものを否定しタブー化してしまおうと言う狙いがあるように思いますね。
今後の与党やマスメディアの動向に要注目だと思います。

 匿名希望☆ | 2009.02.17 20:01

財務アドバイザーにメリルリンチって、どういうことですか?かんぽの宿と何の関係があるの??

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