2009年01月11日

今の中国はデフレか?

以下の投稿から今の中国を見てみます。
「デフレのリスクに怯える中国」 日経ビジネスオンラインからの抜粋
中国は2009年に共和国の建設60周年を迎える。十干十二支(じっかんじゅうにし)が一巡する60年という節目の意味は大きく、政府にも相当なプレッシャーがかかっているはずだ。今回の景気後退がデフレスパイラルとその奥にある雇用危機・社会不安につながることはぜひ、回避したい。
中略
登録失業率の増加
 今、中国の省庁で動静が最も注目されているのが日本の厚労省に当たる人力資源・社会保障部だ。尹蔚民部長(大臣)と張小建副部長(副大臣)は2008年11月の記者会見で、来年の“登録失業率”が増加する見通しだと明らかにした。
 登録失業率は同部が四半期ごとに発表しているもので、2003年末の4.3%をピークに2008年央には4.0%に低下している。同年9月末でも失業者は830万人で失業率は4.0%のままだ。しかし、この数字は明らかに実態を表していない。もともと、登録失業率は都市部の就業サービス事務所で登録したものだけが集計されている。  
その範囲も男性は16~50歳、女性16~45歳で働く意志がある者であり、一時帰休者や学生は含まれない。日本の定義に当てはめると15%近い失業率に達する都市もあると見られる。人力資源・社会保障部の尹蔚民部長によると、最近まで就業状況は安定していた。
2月危機説
 しかし、張小建副部長は記者会見で「10月以降3つの変化が表れた」とした。第1に、都市部の新規就業数の伸びが鈍化していること。1~9月は平均9%ずつ増えていたが、10月は8%増にとどまった。ここ数年で初めてのことという。第2に、企業の求人数が10月以降、5.5%減少した。第3に、企業が人員削減に乗り出している、とした。そこで生まれてきたのが2月危機説だ。
中略
その一方で、中国社会科学院が12月15日に発表した“09年社会青書”では、2009年は新卒大学生の失業率が12%を上回り、雇用不安が強まるとした。これは110万人の大学生が就職できないことを意味する。より深刻なのは農村部だ。農民工の数は1億3000万人に及ぶ。農村部と都市部の所得格差は大きい。
中略
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生産者物価の上昇は急激に鈍化
中略
 失業率にしても政府統計には不透明さがつきまとうことも中国経済に対する危機観測を抑え切れないところだ。そんな統計数字の中で、比較的信頼性が高いのは現地事情が反映しやすい物価統計だ。
 消費者物価の鈍化という望ましい動きの半面、気になるのは生産者物価で2008年11月の+2.0%と同8月の+10.1%から急減速している。2009年1月下旬に発表される2008年12月分は、約9年ぶりのマイナスに転じる可能性がある。このことは企業行動の大きな変化につながる。2月危機説よりよっぽど深刻だ。
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抜粋終わり。
生産者物価と消費者物価の低下はデフレ基調に見えるがどうだろうか?
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最近の他の記事を見てみましょう。
日本を守るのに右も左もないの「現状の中国」から抜粋
http://blog.trend-review.net/blog/2008/12/000962.html#more
●世界金融危機以降の状況
米を中心とした輸出が大幅に減速。成長を支えてきた輸出が減少により、広東省では、62000社が倒産。繊維・玩具・雑貨等の工場は、勤勉で安価なベトナムへ移転。
近年急騰していた不動産市場も減少し、関連する鉄鋼、建材、建設、内装、家具、家電などの産業も減速している。
出稼ぎで働いていた農民の多くは解雇され、帰省するしかない。中国農民8億人の内、都会への出稼ぎが1億3000万人。このうち8000万人が帰省した場合、田舎に田畑はないため、浮浪者となり暴動が起きる。詳細は、こちらのるいネットを参照。
・(1/5)中国の大手国有企業、08年の利益総額30%減
http://www.nikkei.co.jp/china/news/index.aspx?n=AS2M0502D%2005012009
・(1/5)中国広東省の09年貿易額、ゼロ成長を予測 輸出低迷で
http://www.nikkei.co.jp/china/news/index.aspx?n=AS2M05026%2005012009
以上日経ネットから
生産者物価の急激な低下は、中国の不動産バブルがこの夏にはじけたことと、輸出で儲けていた工場が金融破綻等で閉鎖され、労働者も解雇となり、お金を持つ人が少なくなり、ものを買いたくてもお金が無いので買えない(売り手から見れば売れない)状況になった。その結果が、消費者物価と生産者物価の当時DNだと思います。
好況だった理由は大量のお金が外国から中国に流入した結果ですが、金融破綻でその流れは無くなってゆくでしょう。これは外需がなくなるのと同じで、外需依存度:38%の中国を厳しい状況に追い込まれる思います。
この対応には内需拡大が必要ですが、今までがバブル故に中国内部の中堅人材は育っておらずエンジンの無い車に等しい状況です。これに、解雇された(されるだろう)出稼ぎ労働者が増えることは今後共に大きな問題になるでしょう。

既に、中国全土で100人以上の抗議行動は年間9万件にのぼるともいわれており、当局は反体制運動の拡大に神経をとがらせている。という話もあり、不穏な状況です。以上を総合すると
‘70年に貧困を脱し、成熟した結果の日本のデフレ=「もの余り」とは明らかに異なる構造で、中国はデフレとは言い難いです。更なる注視が必要と思います。

List    投稿者 benntonn | 2009-01-11 | Posted in 09.国際政治情勢の分析4 Comments » 

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コメント4件

 パパさんライダー | 2009.05.01 17:18

2ちゃんでも社会問題を扱っている、つまり社会問題を課題共認しているスレはあるけど、それでも2ちゃんは「取引関係」だから無意味ということなの?
既存のネットコミュニティーには何が不足しているのだろうか?

 日本を守るのに右も左もない | 2009.05.01 18:49

ネットコミュニティの可能性④ ~ネットで協働関係は構築できるのか~

↑写真は「備中県民局ホームページ」さんからお借りしました↑ こんにちわ ネット…

 wakuwaku-san | 2009.05.02 16:26

>答えを紡ぎだしていくには協働関係にある認識仲間でなければ成しえないのです。
社会問題に対する解決策や新しい認識は皆が認めれるものじゃないといけないし、だから皆で作っていく必要がある。社会や皆の中の「普遍的な構造」を紐解くのは一人じゃ不可能。潜在的なこの感覚がしっかり観念として実感できれば、認識仲間はどんどん増えていくように思います★
勉強になりました!第4弾も楽しみにしてま~す

 hermes handbags schweiz | 2014.02.03 9:03

hermes usa outlet 日本を守るのに右も左もない | ネットコミュニティの可能性③ ~協働の必要~

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