2008年05月15日

石炭を巡る動きあれこれ

石油の急沸により、漠然と電気代もあがるんだろうな~ 🙄 と思っていたんですが、日本の発電源を調べてみると、原子力30%、石炭25%、天然ガス23%、石油12%、水力等11%の構成となっており、実は石油の比率はかなり少ないのが現状です。(IEA;Energy Balances of OECD Countries 2001-2002より)
ちなみに他国の発電源を比較してみると、
アメリカ:原子力20%、石炭52%、天然ガス17%、石油3%、水力等 7%
中国  :原子力 1%、石炭76%、天然ガス 1%、石油3%、水力等19%
フランス:原子力77%、石炭 4%、天然ガス 4%、石油1%、水力等14%
ドイツ :原子力30%、石炭52%、天然ガス10%、石油1%、水力等 8%
となっており、実はどの国でも、発電源としての石油利用は相対的に低い様です。
各国の発電源は、極端に原子力に依存しているフランスを除けば、まだまだ石炭の依存度が高い状況になっています。
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図は、九州大学総合研究博物館から拝借しました

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○ドイツの発電事情 (こちらのサイトから引用)

ドイツでは脱原子力の流れから、昨年までは新型の石炭火力発電所の新設計画が39件もあったのですが、計画の見直し、凍結、中止を次々に決定しています。その理由は、原油価格の向上、中国経済の成長を背景に鉄やセメントなどの材料価格が高騰しており、計画時よりも発電所建設費用が50~60%割高になったからだそうです。
EUはより強力な気候温暖化対策、そしてより厳格な温室効果ガスの排出権取引を政治的に行う模様です。
ですから、新設される石炭火力発電所は40年間で減価償却を見込みますが、10年先に果たして石炭火力発電所を運転することができるかどうか非常に怪しい雲行きになっているのです。
一方、2004年から毎年、ドイツにおいては原子力発電1台分の出力の自然エネルギー施設が新設されており、2007年は140億キロワット時(およそ原発1.5基分)のクリーンなエネルギーが追加で発電されています。

○アメリカの発電事情 (こちらより引用)

中国や日本と同様に石炭火力発電への依存度が高い米国では、2007年、建設の中止に追い込まれた石炭火力発電所の数が59カ所に上ったらしい。
 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量が特に多いとして、州政府が建設許可を出さなかったことなどが理由で、金融機関も融資に消極的になっている。
 06年の米国の総発電量に占める石炭の比率も1980年以来最低の49%となり、ブラウン代表は「新規建設の全面禁止を求める声も高まっており、米国の石炭依存は転機を迎えた」と分析している。

○日本の動き (こちらより引用)

石炭への依存度は欧州でも低下しているが、日本では逆。90年度には10%だった石炭への依存度が05年度には25%と急増。これが、発電に伴うCO2の排出量増加につながった。
 環境エネルギー政策研究所の大林ミカ副所長は「日本は90年代以降、政府が石炭火力発電を推進し、野放図な大型発電所の新設などで石炭利用を増やした。先進国で石炭利用をこれほど加速させているのは日本だけで、早急に自然エネルギーや省エネを機軸としたエネルギー構造に転換する必要がある」と指摘している。

この指摘は、CO2排出の観点からは分からなくもないが、発電源の偏りが生み出す危険を分散させる意味合いでは、いたしかたない手法だとも思える。
○今後の読み
石油だけでなく、石炭も急沸の動きがあり、発電用石炭が2.3倍に値上げされるのに伴い、国内の電気料金の値上げもほぼ確実となってきた。(詳しくはここ
世界的には、二酸化炭素排出規制による影響が大きいため、どの国も石炭の利用には後ろ向きになっている様だが、資源貧弱国の日本だけが、石炭による新技術に向けての動きをみせている。
例えば、石炭ガス化発電プロジェクトなんてのは、日本ではかなり力を入れている様だ。
国内で眠っていた炭坑も、石油急沸のあおりをうけて注目をあびてきている。(詳しくはここ
意外に、可能性があるかもしれない石炭にも、ちょっと注目しておきましょう。

List    投稿者 maeyan | 2008-05-15 | Posted in 09.国際政治情勢の分析8 Comments » 

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コメント8件

 山テツヲ | 2008.09.05 1:17

小泉・森らが保身に必死で、怯えている。自民党壊滅状態。はまさに目先政治だったのですね。
もしかしてのブッシュ現職逮捕へ向けて動いているという大きな力が気になります。

 アッキ~ヲ | 2008.09.05 13:12

次なる安定従米政権ってどんなものなのでしょうか?

 nakmaura k | 2008.09.05 23:34

洗脳支配 苫米地 英人 ビジネス社 2008年3月
を読まれるとよい。
また 
アメリカの意志に逆らって命(政治生命または肉体生命)を失ったと思われる政治家は、田中角栄元首相(ロッキードスキャンダルのあと病死)を皮切りに、大平正芳元首相(病死)、中川一郎氏(自殺)、安倍晋太郎氏(病死)、梶山静六氏(病死)、そして竹下登氏(リクルートスキャンダルのあと病死)、小渕恵三氏(病死)などではないかと思っています。実際にMPに拉致されたのは竹下登元首相と小渕恵三元首相。拉致されて殺害されるという仕打ちを受けたのは小渕元首相だけでしょう。
  「怖い話」でもあり、「情けない話」でもありますが、できるだけ多くの国民がこのようなわが国の現実を知ることが、国の力を回復することにつながるのです。
 ・・・
「靖国神社に参拝することを公約せよ」「竹中平蔵を財務大臣にせよ」「郵政を民営化せよ」といった注文には、ただただ従うしかないのかも知れません。少なくとも自分の命(政治生命であれ、肉体生命であれ)が惜しい人間であれば‥‥。
  ・・・
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/tsubuyaki006.html
*******************************
外圧を借りた「亡国のシナリオ」)
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/tsubuyaki005.html
   ・・・
① 自民党・小渕政権の経済政策は、アメリカ(を支配する勢力)にとって好ましくないも
  のだった。具体的には、景気対策として減税など需要を喚起し、各企業を元気づける
  政策をとったこと。
② アメリカからの指示を守らない小渕政権は、小渕総理の突然の死亡という形で幕を
  閉じることになった。(故小渕首相はアメリカのMPに連行され、殺害されたのではな
  いかとにらんでいます。あまりにも突然の訃報だったからです)
③ その後で生まれた森政権も、マスコミから徹底的に叩かれ、短命に終わります。
  「小渕のあとは森にせよ」というのはアメリカの意志だったのでしょう。なぜなら、本命
  の「小泉総理」を誕生させるためには、小泉氏の属する森派の領袖である森氏を先
  に首相にしたうえで、人気を落として退陣させておく必要があったからです。
   森首相は当初からマスコミには大変不人気で、そのため支持率は史上最低となり、
  短命となりました。そのあとに満を持して登場したのが小泉氏だったのです。

 匿名 | 2008.09.06 13:51

占領軍の洗脳工作
今や占領軍はわが国の全土を手に入れた
彼らは絶対にわが国から出ていかないかのように行動している。
あるときは残忍なまでに厳しく住民を痛めつけ、あるときは反抗する住民を手なずけようとして、約束や誓いを乱発する。
言うまでもなく、彼らに協力する者が、どこまでもわが国の行政の主要ポストを占めていて、すべてのわれわれの制度を改革してしまおうと占領軍に協力している。
裏切者にまかせられた宣伝省は、あらゆる手段を用いて、われわれに対し、われわれが間違っていたことを飲み込ませようと試みる。
彼らは、レジスタンスが犯罪行為であり、これはわが国が強くなるのを遅らせるだけのものだということを証明しようとする。
占領国の国語の学習がすべての学校で強制される。
歴史の教科書の改作の作業も進められる。
”新体制”のとる最初の処置は、青少年を確保することであり、彼らに新しい教義を吹き込むことである。
教科書は、勝利を得たイデオロギーに適応するようにつくられる。
多くの国家機関は、あらゆる方法で青少年が新体制に参加するようそそのかすことに努める。
彼らを、家庭や、教会や、民族的伝統から、できるだけ早く引き離す必要があるのだ。
彼ら青少年を新体制にとって役に立つようにするために、また、彼らが新しい時代に熱狂するようにするために、彼らを洗脳する必要があるのだ。
そのため、新聞やラジオ、テレビなどが、直ちに宣伝の道具として用いられる。
個人的な抵抗の気持ちは、新国家の画一的に統一された力にぶつかって、くじかれてしまう。
占領軍に協調しない本や新聞には用紙が配給されない。
これに反して、底意のある出版社が大量に波の様に国内にあふれ、敵のイデオロギーは、ラジオを通じて、また、テレビの画面から、あるいは町を歩く人に映像の形で訴えられ吹き込まれる。
だれでも公式発表以外の情報は聞けないように、聞いてはならないようになる。
教会は閉鎖されないが、そこに通う人たちは監視される。
こういう人たちは容疑者扱いなのだ。
学校では、あらゆる宗教教育が禁止され、精神的な価値を示唆することは一切御法度になる。
ISBN-13: 978-4562036677 スイス政府著「民間防衛」より引用

 本郷猛 | 2008.09.07 21:42

みなさん、コメントありがとうございます。
とりわけ、nakmaura kさん、御紹介ありがとうございます。日本の政権の背後にアメリカの意志があることは事実です。問題は、アメリカの誰の意志なのか?だと考えています。これからも追求しますので、ご期待ください。

 帝国ブログ | 2008.09.09 16:50

福田内閣の実績なり功績なりを片っ端から挙げてみました1

福田首相も言うことは言っていたり、やることもやっていたりするんですけどもね。
ただ福田首相は自身でやるより他の人に言わせたりさせたりする傾向
があ…

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