2010年11月27日

北朝鮮砲撃事件と中・ロのドル離れから見える、金貸し同士の闘いの行方

11月23日、北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃した事件の背後にあるものは?
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まずは、『オルタナティブ通信』2010年11月24日「北朝鮮による、韓国への砲撃開始の、深慮遠謀」からの引用。

北朝鮮が、韓国との国境線付近、大延坪島付近への砲撃を開始した。
これは明らかな、「戦争行為」である。
第二次世界大戦中、日本軍と激しい戦争を繰り広げていた米軍・CIA(OSS)は、中国大陸において日本軍と激しい戦闘を繰り返していた中国共産党軍を支援し、中国共産党に対し米軍・CIAは大量の兵器を供給し、軍事訓練を「施した」。
中国において、共産党が軍事力を背景に政権を奪取し、中国共産党政権を成立させる「根源」を作り上げたのは、米軍とCIAであった。
中国共産党軍は、その出発点から米軍とCIAの「中国支部」の側面を持たされていた。
この中国共産党軍と、北朝鮮は「中朝友好協力相互援助条約」を結んでいる。北朝鮮が他の国と戦争になれば、その相手国と「自動的に」中国共産党軍は戦争を開始する、という条約である。
北朝鮮軍の行動=中国軍の行動という条約であり、「自動介入条項」と呼ばれる。
2010年現在の、北朝鮮による「砲撃開始」は、そのまま中国軍が「北朝鮮側」の戦力として、この戦争に組み込まれる出発点となる。
一方、その中国の最大手銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行は、株式上場する際、全て米国の銀行に主幹事の担当を依頼し、米国に「事実上、手取り足取り」指南してもらい株式公開を行っている。
特に中国工商銀行は、ゴールドマンサックスから26億ドルもの出資を受け、株式上場を「果たして」いる。
借金「大国」アメリカの最大の資金の貸し手=アメリカ国債の買い手は、中国であり、中国・アメリカは、既に「経済的に一体化」の姿を完成させつつある。
また、同時に、中国の4大金融機関である中国銀行、中国農業銀行、中国工商銀行、中国建設銀行の不良債権は合計で9000億ドル、融資額全体の40%に達している。これは先進国の銀行であれば既に、はるか昔に倒産している水準である。
アメリカ国内の不動産バブルの崩壊も、FRBが大量の紙幣を印刷し、資金の供給を継続しても、その資金によって不動産の「買い」が入り、不動産価格の下落が止まると言った様相は全く見せていない。FRBの必死の政策も、恐慌の消火には役立たずとなっている。
ここで、北朝鮮の「砲撃」が開始される。
北朝鮮の「生命線」である、原油供給を続けている中国。北朝鮮の「外貨・獲得の生命線」である、北朝鮮産ウランの購入を続けているアメリカ政府。北朝鮮が、「最大のパトロン、最大の顧客の意向に沿った、戦闘開始を行う事は、ビジネスとしては、当然」である。サラリーマンは大口顧客を、赤坂のバーに連れて行き、飲食の接待で顧客を、モテナス。北朝鮮は、韓国への砲撃開始で、アメリカ=中国を、モテナス。ビジネスには、常に「付き物」の、接待である。
アメリカ、中国当局の、「口先だけの非難」とは別に、アジアでの戦争の開始は、アメリカ=中国にとっては、「軍事産業の活性化による景気回復」の、カッコウの、チャンス到来である。

これは、経済的に中国とアメリカ(戦争屋)は一体であり、戦争によって米中を儲けさせるために、北朝鮮が韓国に攻撃を仕掛けたという見方である。
しかし、米中が一体という見方に対して、逆に動きも見られる。
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「自国通貨で二国間貿易の決済を行うと発表した、温家宝首相とプーチン首相」
画像はこちらからお借りしました。
『In Deep』2010年11月25日「近づくドルの死: ロシアと中国が二国間貿易でのドル放棄を正式に発表」からの引用。

中国とロシアがドルの使用を停止
中国とロシアは、二国間での貿易における米ドルの使用を中止し、中ロ双方の自国通貨を用いることを決定したことを、中国の温家宝首相とロシアのウラジーミル・プーチン首相が、共に、火曜日(11月23日)の午後遅くに発表した。
中国の専門家たちは、今回の動きは北京とモスクワの、より緊密な関係を反映するものであり、これは、ドルに対抗するというような目的ではなく、中国とロシアの国内経済を保護するためのものだという。
「我々は今後の二国間貿易での決済に自分たちの通貨(元とルーブル)を使用することを決定した」と、プーチン氏は、サンクトペテルスブルグで、温家宝首相と共に臨んだ記者会見で語った。
これまで中国とロシアの二ヶ国は、二国間貿易においても、慣例として他国の通貨、特にドルを使用していた。しかし、金融危機発生以来、両国の首脳クラスは他の可能性を模索していた。
すでに、中国のインターバンク市場(金融機関同士の市場)では、元はルーブルに対しての取引通貨としての取扱が始まっている。ロシアでも、もうすぐ、ルーブルと人民元との交換がスタートすると、プーチン氏は語った。
「我々は、二国間貿易における重要なステップを作り出した。これは、世界の国々の金融システムが強化された結果といえる」と彼は言った。
プーチン氏と温首相は、他にもエネルギー協力を含む 12の文書への調印式に臨んだ。文書には、航空、鉄道建設、関税、知的所有権、文化などを含むことが公式発表された。内容の詳細についてはまだ明らかにされていない。
二カ国間の協定のうちの1つは、中国が田湾原子力発電所( Tianwan nuclear power plant / 江蘇省)の原子炉2機を、ロシアから購入することについてであると、プーチン氏は語った。
プーチン氏は、ロシアの主要な輸出品のひとつである天然資源についても購入を呼びかけたが、中国側が価格の面で難を示したという。ロシアのエネルギーセクターの代表であるイゴール・セーチン副首相は、中国の代表との会談の後、来年の中頃より前に、この価格について中国側が同意する可能性は低そうだと語った。
今回の温首相がのロシア訪問は、ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領が9月に中国を訪問したことに応えたものだ。その間、中国の胡錦濤国家主席は国境をまたぐ世界最大のバイブラインの建造を開始した。
温首相は記者会見で、北京とモスクワ間の協力関係が「前例のないレベルにまで達した」と言い、両国が「決してお互いの敵にならないこと」をと誓った。
「強いシノ=ロシアン( Sino-Russian / 中ロの意味)関係は両国の利益と一致しており、また、中国の近代化は、他の国の利益に影響を及ぼすものではない」。
中国社会科学院の上級研究者、スン・ツァンギ氏は、「今回の中国とロシアの間での貿易決済通貨の例に見る新しいモードは今、世界的なトレンドになっている。これは金融危機以降、ドルに支配された世界の金融システムの誤りが露呈したことによるものだ」と言う。

欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)VS米戦争屋(D.ロックフェラー)の覇権闘争が最終段階に来ている。ということは、中国内にも、親欧州勢力派VS親米派がせめぎ合っていると考えるべきだろう。
つまり、中国内の親米派が北朝鮮を焚きつけて攻撃をさせた。ところが、その2日後に、中国内親欧州派が中露間貿易でのドル離脱を発表。つまり、米戦争屋派が延命策として戦争を画策すると同時に、欧州勢力派が戦争屋を追い詰めるべくドル離脱を進める。
さらに、『マスコミに載らない海外記事』2010年11月27日「プーチン、ドルを見限り、ユーロを支持」によれば、次のように、プーチンは発言したとのことである。

プーチン- ユーロは世界の準備通貨であるべきだ。
ロシアとドイツは経済協力を劇的に強化すべきだ。それがベルリンで開かれたビジネスのフォーラムに出席したドイツの一流実業家達へのロシアのウラジーミル・プーチン首相のメッセージだった。
プーチン: ロシアはいつの日かユーロに参加するだろう。
ウラジーミル・プーチンは、ロシアがいつの日かユーロ圏に加わり、世界の準備通貨としての米ドルをしのぐような通貨を生み出す”可能性は大いにある”と語った。

つまり、いよいよもロシアもEU(欧州勢力)の傘下に入ることを決めたということだ。
この間の世界情勢の動きの背後にあるのは、このような金貸し二大勢力の最終攻防戦が加速しているということではないだろうか。そして、その闘いの趨勢は明らかであって、チンケな砲撃しか仕掛けられない米戦争屋と、ロシアを巻き込んでドル離脱→ユーロ参加を決断させた欧州勢力と、どちらが強いかは議論するまでもないだろう。
おそらくは、ロシアがユーロ参加した段階で、ドル米国債暴落の引き金が欧州勢力によって引かれるのではないだろうか。

List    投稿者 staff | 2010-11-27 | Posted in 09.国際政治情勢の分析2 Comments » 

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コメント2件

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