2015年03月03日

金貸しは一枚岩ではなく合従連衡を繰り返している。プーチンはその隙間を突いてロシアを守っている

プーチンの動きを見ていると、金融資本主義から国民を守る愛国主義者という側面と、BRICS銀行やユーラシア構想といった国家の枠組みを超えた市場を志向するという意味でのグローバリストという両面が伺える。と同時に、反アメリカは旗幟鮮明だが、ヨーロッパとは事を構えたがらない点は、戦争屋に踊らされていない、とみることもできるが、欧州の金貸しや金主とは連携をとっている、あるいは彼らに支配されている、という見方をする人もいる。

オルタナティブ通信によるとプーチンは欧州貴族の資金を運用するスイスに出入りしたマークリッチから大統領の椅子を渡されたという。
リンク

確かに、プーチンが大統領の椅子を手に入れるに当たってマークリッチやそのバックにいたと思われるロスチャイルドらと手を組んでいたのは間違いないだろう。事実かれはロスチャイルドと近かったベレゾフスキーに引き立てられる形で大統領になった。しかし、プーチンはその後、ベレゾフスキーを排除し、今も露骨なまでのアメリカからの攻撃と戦っている。

と同時に、ロシアと金貸したちの闘いの歴史を教科書でも扱い、今やロシア国民の多数が欧米の金貸したちの暗躍について知識を得ている。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=290536

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=295798

従って、プーチンが欧州貴族や金貸しと連携していることは事実だとしても、彼らの手下というのは当たらないだろう。

ロックフェラーとロスチャイルドの争いに加えて、ロスチャイルド一族も内部分裂しているという事実を踏まえるならば、おそらく、金貸し内部の断層をうまく使いながら、つまり「敵の敵は仲間」という現実判断の下、機敏な合従連衡(がっしょうれんこう)を組む事で、ロシア国民を守るべく、現実のパワーポリティックスの現場を舵取りしていると見るべきだろう。

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以下 リンク のブログの見方に、基本的に賛同します。

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現在のロスチャイルド財閥には、イギリス家ジェイコブ派(ジェイコブ・ロスチャイルド)、イギリス家イブリン派(イブリン・ロバート・ド・ロスチャイルド)、フランス家(ダヴィッド・ルネ・ジェイムズ・ロスチャイルド)、スイス家(バンジャマン・ロスチャイルド)の4つの派閥がって、ジェイコブ派が、イブリン派とフランス家とマジ対立しています。対立の発端は、本来はイギリス家の当主になるはずだったジェイコブが、イギリス家の中核銀行であるN・M・ロスチャイルド&サンズに、ロスチャイルド一族以外の人間を経営陣やら株主に入れようと主張したことです。これは、ロスチャイルド家の没落を招きかねない経営方針だったから、分家のイブリンが大反対して、フランス家のダヴィッドと組んで、N・M・ロスチャイルド&サンズから追い出しちゃったのよ。

で、1980年にジェイコブはRIT・キャピタル・パートナーズを率いて、N・M・ロスチャイルド&サンズを去るわけだけど、N・M・ロスチャイルド&サンズは300年以上の歴史があるから、お得意様だけ相手にしていれば良いのですが、追い出されたジェイコブが設立したRIT・キャピタル・パートナーズという銀行には、設立から50年独立から30年くらいしかないので、積極的な投資活動が必要だった。で、ジェイコブは、息子のナサニエルと共に、世界中の鉱山資源の略奪に奔走するわけ。インドではラクシュミー・ミッタルを利用し鉄を、インドネシアでは、インドラ・バクリーを利用して石炭を、そして、ロシアでは、ボリス・ベレゾフスキーとロマン・アブラモヴィッチとミハイル・ホドルコフスキーを利用して石油を、オリグ・デリパスカを利用してアルミニウムを略奪しました。

ジェイコブ・ロスチャイルドがRIT・キャピタル・パートナーズを率いて、N・M・ロスチャイルド&サンズを去ったのが1980年、ロシアでボリス・エリツィンが大統領となって、オウム真理教を支援して、オリガルヒ(新興財閥)を育て上げたのが1990年代。ジェイコブが支援したボリス・ベレゾフスキーが、ボリス・エリツィン庇護の元、チェチェン・マフィアと癒着してことは有名。一方で、プーチンは、チェチェン・マフィアと対立関係にあったソンツェヴォ・グループ(ロシア・マフィア)と協力関係にあったのが、サンクトペテルブルク市第一副市長時代の1994年。ジェイコブ派が、ベレゾフスキーやチェチェン・マフィア
などを利用して、ロシアの資源略奪を図る一方で、マーク・リッチ(2013年没)が、プーチンに近いソンツェヴォ・グループと癒着。

このマーク・リッチが、ショール・アイゼンバーグ(モサドの最高幹部でゾルゲ諜報団団員)や、エリザベス女王や、ロスチャイルド財閥イギリス家イブリン派とフランス家が共同経営するN・M・ロスチャイルド&サンズと共に、投資家のジョージ・ソロスを支援して、ウクライナでオレンジ革命を起こしたことは有名です。ジェイコブとイブリンのマジ対立に、ロシアが巻き込まれていき、その中で、プーチンは苦渋の選択、駆け引きをしていったということです。何故なら、プーチンは、ジェイコブも嫌いですが、イブリンに支持されたソロスも嫌っているからです。

ジェイコブとイブリンの対立、チェチェン・マフィアとソンツェヴォ・グループの対立、クリミア半島をめぐるロシアとウクライナの対立。この3つが複雑に絡まっているわけです。

正に、この世はライアー・ゲーム、狐と狸の化かし合い。

プーチンが、ロシア国民の利益のために、イブリン派と上手く駆け引きして、ジェイコブ派を追い出したことは、評価するべき。ただ現在は、プーチンはロシア国民のために、今度は、イブリン派とも、クリミナ半島の利権を巡って戦っています。これが国際政治の駆け引きです。というか、こういうのは、日本の戦国時代でもよくあったでしょ。昨日の仲間が今日の 敵だなんて、珍しくありません。

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勿論、プーチンは金融や市場を全否定している訳ではない。プーチンの基盤はロシアの金融都市、サンクトペテルブルクにあるし、資源外交を展開する上で、特にヨーロッパとの友好関係は不可欠である。そして

誰も知らないロシア金融の実態~サンクトペテルブルクで話し合われた資本主義の末路リンク

で語られているように、むしろドルもユーロもあてにならないという状況下において、ロシアにその突破口を求めようとする欧州人が多くいることも間違いないのだ。要するに軍事も経済もリアリストとして、現実の力関係の中で、闘っているということであろう。

List    投稿者 mamoru | 2015-03-03 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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