2011年以降の世界情勢を見通す
言うまでもなく、焦点は、ドル・米国債暴落がいつ起きるのか?⇒二大支配勢力(欧州勢力VSデヴィッド・ロックフェラー勢力)の覇権闘争がどうなるか?である。
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副島隆彦氏の新刊『日米 地獄へ道連れ経済~どん底は2012年!』(祥伝社)によると、今後のアメリカの金融・経済の動きは次のように予測されている。
●アメリカ破産への道
アメリカ政府(米財務省とFRB)は、11月3日に6000億ドルものジャブジャブの金融緩和策を発表した。その実体のない過剰なドル資金を潰れそうな銀行やノンバンクに投入し、株価を維持しようと目論んでいる(既にシティバンクは破綻寸前でアメリカ政府が肩代わりをしている)。それは、必然的にドル安を引き起こし、米ドルは暴落する。また、NYの株価も、米国債も、粉飾の価格吊り上げが限界に来て暴落する。2011年の前半には、米財務省とFRBは「実質デフォールト宣言」を出すであろう。
ドル・株価・米国債の3つが暴落すると、アメリカの信用は地に堕ち、2012年中にアメリカは世界覇権国の地位から滑り落ちる。
【1】解決されないデリバティブの想定元本3京円~5京円の大爆発が起きる。
【2】「ボルカー・ルール」の実施でいくら投機を規制しようとしても、積み上げた契約の満期が来る。それらの決済の到来で、金融危機(信用崩壊、すべての金融取引の停止状態)が起きる。
【3】サブプライム・ローン問題が未解決のままである。ホーム・エクイティ・ローン(モーゲッジ・エクイティ・ローン)を組んで買った、高給取りのビジネスマン(富裕層)が持つ投資用コンドミニアムも暴落する。
【4】それらの住宅ローン債権を証券化したABS(アセット・バックド・セキュリティーズ)を組み込んだCDOが続けて爆発する。
これらがデフォールト状態に陥れば、アメリカ政府は対外的な資金の決済ができなくなり、アメリカ国内の金融秩序も保てなくなり、金融が停止する。まず住宅市場が終結する。日銀がアメリカに救援資金を差し出しても助けられず、アメリカの住宅市場は壊滅状態になる。これに商業ビルの市場が停止すると、不動産市場全体が終わる。
この不動産市場の終結を宣言することが、同時に世界的な統制経済への突入宣言であり、これはオバマ大統領の次のヒラリー大統領によって断行されるであろう。
●追い詰められたオバマ大統領に、ヒラリーが取って代わる
オバマ政権では、女房役だったラーム・エマニュエル大統領首席補佐官が辞任した。続けてローレンス・サマーズ国家経済会議議長が2010年末で退任する。年末に辞任するというが、10月から既に政権(ホワイトハウス)から消えた。
オバマ大統領は、政権の始まりの時からデイヴィッド・ロックフェラー直系のCFR(外交問題評議会)とTC(米日欧三極会議)の直系組の閣僚や官邸スタッフにガッシリと動きを抑えられていた。外交政策でもキッシンジャー元国務長官の系列で固められている国務省キャリア官僚・外交官たちに囲まれて身動きがとれなかった。
オバマにとっての最大の防波堤であったエマニュエル首席補佐官が辞任したということは、もはや大統領の辞任までが時間の問題になったということ。2010年11月2日の中間選挙で、民主党が大敗した。この事態を受けて、いよいよヒラリー・クリントン国務長官に交代する。
政権の閣僚では、CFR直系のロバート・ゲイツ国防長官が、10月に「1年後には辞任する」と表明している。大統領がオバマからヒラリー・クリントンに交代するのを見届けてから、ということだろう。11月13日、14日の横浜APEC(アジア太平洋経済協力)でも、オバマは各国の首脳たちから、まともに相手にされなかった。「こいつはもうすぐ辞めるんだ」と、世界の首脳たちには知られているからだ。
但し、ヒラリー国務長官が大統領になるには、現大統領が辞任する前に、仮の地位でもいいから、どうしても副大統領に就任していなければならない。そして、10月には「ヒラリー氏、副大統領に? バイデン氏との交換説再燃」という突如、奉じられた。こうして、ヒラリーが2011年中にも副大統領に昇格して、オバマが病気を理由に辞任を表明する。
但し、バイデン副大統領が、辞任を強く拒絶している。バイデンは「オバマが辞めたら当然、自分が大統領になる」と頑固に主張している。バイデン副大統領はCFR直系である。ネオコン派のような戦争肯定の右翼ではなく、穏健派である。しかし、それでは「オバマからヒラリーへの大統領移行」というデイヴィッド・ロックフェラーの意向に反することになる。近いうちにバイデンは無理矢理辞任させられるだろう。
そして、ヒラリーが大統領になれば、世界的な統制経済への突入宣言、ファシズム世界宣言を行うであろう。
このあと世界の中心は徐々にユーラシア大陸のど真ん中に移ってゆく。新興大国であるBRICs、すなわちブラジルとロシアとインドと中国が、協調しながら世界を引っ張ってゆくことになる。ヨーロッパはダメ。2010年の1年間、ユーロの下落があって、ヨーロッパは日本と同様、世界を引っ張る力がないことが判明した。
この背後にあるのは、欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)VSデヴィッド・ロックフェラーの覇権闘争である。上記の副島隆彦氏の見方(オバマ辞任→ヒラリー大統領へ交代)によれば、未だアメリカにおいても、D.ロックフェラーの支配力が残存しており、欧州勢力は未だアメリカ政府や軍・CIAを掌握できないでいるように見える。
しかし、2010年11月27日「北朝鮮砲撃事件と中・ロのドル離れから見える、金貸し同士の闘いの行方」で書いたように、あるいは、『ロシア政治経済ジャーナル』「日本人は知らない、中国とロシアの【ドルはずし】」にあるように、一方で、EU・ロシア・中国によるドル離脱は着々と進んでいる。
「自国通貨で二国間貿易の決済を行うと発表した、温家宝首相とプーチン首相」
画像はこちらからお借りしました。
一方、日本ではどうか?
『板垣 英憲 マスコミに出ない政治経済の裏話』2010年12月10日「小沢支持派衆院19人が離党で3分の2割れ、衆院80人と参院11人計91人の新党結党で菅政権崩壊」によれば、
民主党は、主流派(206=衆院176、参院35)、小沢支持派(200=衆院130、参院70)という勢力分野から成り立っている。公明党が連立政権に参加ないし協力したとしても、小沢一郎元代表が、「自主的離党」か「離党勧告」かにより離党した場合、小沢元代表を含めて衆院議員19人が離党すれば、「3分の2」を割ることになる。菅直人首相にとっては、元の木阿弥になってしまう。「衆院議員80人」が離党すれば、過半数を割る。参院は、小沢支持派のうち11人が離党して、小沢一郎元代表と行動を共にすれば、過半数を割る。
要するに小沢元代表が、最低「衆院議員80人」と「参院議員11人」の合計91人を引き連れて小沢新党を結成すれば、自民党に拮抗する「第3勢力」(衆院105+α、参院46+α=141+α)か、さらに凌駕する「第2勢力」として存在感を示し、これをベースに自民党「額賀派(衆院13、参院16=29)」「宏池会古賀派・麻生派」「町村派安倍グループ」「みんなの党(衆院5、参院11=16) 」「たちあがれ日本(衆院3 、参院5=8)」「国民新党(衆院4、参院3=7」「無所属(衆院3、参院3=6)」などを糾合すれば、内閣不信任案は、可決され、菅政権はたちまち瓦解する。総辞職か衆院解散・総選挙へと突入することになる。
小沢派が民主党を離党し、新党を立ち上げる可能性は十分あるということだ。
2010年09月15日「小沢派が民主離党し、日本の政界がロスチャイルド派VSロックフェラー派に割れる?」でも書いたが、
民主党がロスチャイルド派(小沢派)とD.ロックフェラー派(反小沢派)に割れれば、自民党もD.ロックフェラー派と非D.ロックフェラー派に割れ、民主・自民のD.ロックフェラー派が合流するのは目に見えている。従って、日本の政界はロスチャイルド派連合VSD.ロックフェラー派連合に再編され、せめぎ合うことになる。早ければ来年の衆院選までに、ロスチャイルド派VSD.ロックフェラー派に政界が再編され、衆院選がロスチャイルド派VSD.ロックフェラー派の決戦となるだろう。しかし、スンナリと小沢政権(ロスチャイルド政権)ができるわけではない。未だ日本の検察・マスコミはD.ロックフェラーに支配されており、しばらくは彼らに小沢は狙われ続けるからである。
このような世界の動きからみて、欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)は日米の支配権を未だ掌握できていない。それは、D.ロックフェラー勢力が優勢だからではない。現にシティバンクは破綻寸前でり、東アジアの緊張圧力を演出するしか打つ手がにない状態である。欧州勢力が日米の支配権の確立よりも、ロシア・中国の取り込み→ドル離脱を優先しているからではないだろうか。彼らが目論むドル・米国債暴落の次の支配秩序は世界多極通貨体制であり、その土台を固める、すなわち、日米の政権掌握よりもロシア・中国を取り込むことを戦略的な優先課題として位置づけているものと考えられる。
まとめると、
2011年は日米では、欧州勢力VSデヴィッド・ロックフェラー勢力との拮抗が続く(D.ロックフェラー勢は命綱である日米にしがみつく)が、一方で欧州勢力は、ロシア・中国の取り込み→ドル離脱の動きを進めてゆくだろう。逆に言えば、その準備(露中の取り込み→ドル離脱)が整えば、ドル・米国債暴落の引き金が引かれるのではないだろうか。
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