2008年01月05日

ロシアの台頭~アメリカ崩壊後の世界情勢

るいネットにも紹介されていますが、
北野 幸伯 氏の「ロシア政治経済ジャーナル No.491」
に、アメリカの崩壊とロシアの台頭、今後の世界情勢を占う上で興味深い記事がありますので、改めて紹介します。
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私は9月11日号「NO476ロシアは、アメリカ幕府崩壊後の世界秩序を模索しはじめた?」で以下のように書きました。
「ロシアのトップはこれからの世界について以下のようにもっていきたい。
1、ブッシュの次の大統領に大政奉還させる。東欧MD・NATO拡大などもあきらめさせる。
2、世界が協調してドルを緩やかに下げ、世界恐慌を回避する。いくつかの基軸通貨が生まれ、世界は多極世界になる。
3、ロシア・アメリカ・欧州が一体化して、新しい世界秩序を作る。中国はのけもの。

このプランのカギは、アメリカ大統領が、徳川慶喜やゴルバチョフのように自己否定し大政奉還できるかどうかにかかっています。」
何がいいたいかというと、
1、アメリカは、旧ソ連諸国でのカラー革命を支援し、「親米反ロ傀儡政権」を次々と樹立していった(03年~05年)
2、怒ったロシアは、仮想敵NO2の中国と「(悪の?)薩長同盟」を結び倒幕に動いた(05年~)
3、両国の協力によりアメリカは通貨戦争に敗北。没落への道すじがみえてきた(06~07年)
4、するとロシアは今度、中国が怖くなってきた

という流れ。
(中略~)
さて、ここ数ヶ月間「ロシアのトップは『米ロ新冷戦』に勝利したと考えている」という話をしています。
なんで、ロシアのトップはそんなに自信があるのでしょうか?
▼A国がB国をコントロールする方法は?
「新冷戦でロシアがアメリカに勝利した」というのは、
1、ロシアはアメリカのいうことを全然聞く必要がなくなった
2、ロシアはアメリカを好きなときに没落させえるカードを手に入れたということです。

まず1、ロシアはアメリカのいうことを全然聞く必要がなくなったについて考えてみましょう。
A国がB国をコントロールする方法は、主に二つあります。
まあ、大雑把にいえば、金と力(^▽^)ですね。
・金による支配とは?
これはつまり、A国がB国を借金まみれにしていうことを聞かせる。
例えば、フランスは幕末、財政難に苦しむ幕府に「いくらでも金は貸してあげるから、薩長をぶちのめしちゃいなよ。でも担保は北海道ね」
と提案していました。
ロシアは90年代、欧米日・国際金融機関からの借金でもっていた。
当然、ロシアは常に欧米のいうことを聞かざるをえませんでした。
・力による支配とは?
これは実際攻撃していうことを聞かせる方法。
例えば、アメリカがアフガンやイラクを攻撃していうことを聞かせる。
もう一つ「軍事力を背景に」いうことを聞かせる方法もあります。(脅迫)
例えば、イスラムで金満産油国のサウジ・クウェート・アラブ首長国連邦などは、なぜアメリカのいうことを聞いているのでしょうか?
そう、軍事力が怖いのですね。
イラクのようになりたくない。
例えば、日本はアメリカに莫大な金を貸し、なぜかアメリカの言いなりですが。。。
これもつきつめて考えれば、米軍が日本津々浦々に駐留し、実効支配しているからでしょう。
それと、冷戦時代はソ連の脅威から守ってもらう必要があった。
今は中国・北朝鮮ですね。
この他に、エネルギーとか食料とかが他国をコントロールする武器になることもあります。

▼自立を達成したロシア
ある国は、金と力によって他国をコントロールするという話でした。
では、今のロシアはどうなのでしょうか?
ロシアは現在、アメリカのいうことを聞かなくても全然平気なポジションを確保しているのです。
まず金。
90年代は借金大国で欧米のいうことを聞かざるを得なかった。
ところが、ロシアは既に対外債務を完済したばかりか、債権国になっています。
財政は2000年以降ずっと黒字。
経常収支もずっと黒字。(原油高で増える一方)
外貨準備は、中国・日本についで世界3位。
さらに、オイルマネーの一部を「安定化基金」にまわし、原油価格下落に備えている。
アメリカが「いうことを聞きなさい!」と高飛車にきても、「金はありますから、あなたのいうことを聞く必要はありません」といえる。
さらに、アメリカがロシアの貿易に占める割合は全体の5%くらいですから「あなたとの貿易をやめたっていいんですよ」といえる立場。
次に力(軍事)。
ご存知のようにロシアは、アメリカに次ぐ核大国です。
両国とも、地球を何十回も破壊できる核兵器をもっている。
つまり、アメリカに「ロシアと戦争する」というオプションはなく、「金による支配」しか選択肢がなかった。
しかし、ロシアは金満になってきて、いうことを聞かなくなってきた。
(中略~)
▼アメリカを崩壊させる力
「ロシアが米ロ新冷戦に勝利した」というとき、「自立を達成した」だけでは足りないでしょう。
もう一つ、「ロシアがその気になれば、アメリカを没落させえる力を得た」ことが大事。
その力とはなにか?
1、ロシアは06年からルーブルでの原油取引を開始している
2、プーチンは、「ルーブルを世界通貨にする」と宣言している

「米露“破顔一笑” 「ルーブルを世界通貨に」プーチン大統領ますます強気
6月12日8時0分配信 産経新聞
【サンクトペテルブルク=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は10日、出
身地サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで、
同国の通貨ルーブルを世界的な基軸通貨とすることなどを提唱した。」
この二つは要するに、「俺たちはいつでも『ドル基軸通貨体制』を崩壊させることができるんだぞ!」という超強力なカード。
もちろん、一気にやると世界恐慌になりますからメッタに使えない。
しかし、「いざとなったら、ドルを紙くずにできる」という以上の脅迫はない
でしょう。
実際やられると、アメリカはソ連みたくなる可能性もあります。
というわけで、ロシアは
1、借金を全部返済し、財政と経済の自立を達成した。
2、MDを突破できる技術をもち、軍事的自立を達成している。
3、資源も食料もたっぷりあり、これも自立している。
その上で
4、アメリカを没落させるカードを握っている
これが「ロシアは米ロ新冷戦に勝利した」の意味なのです。

豊富な資源を背景にして、ここ10年ほどの間に急速に経済発展し、債務国から債権国へと転換したロシアですが、エネルギー支配という観点は今後の世界情勢を見る上でポイントになるのではないかと思います。
元々ユダヤ系資本との結び付きが強いロシアですが、去年の7月にはロイヤル・ダッチ・シェル及びブリティッシュペトロリアムの英国系石油メジャーとロシアの石油・天然ガス分野のトップ企業とが事業提携しており、ロスチャイルドグループとロシア政府が提携したとも取れる内容となっています。
しかし、ロシアも天然ガスを始めとする資源があり余っているという状況にはなく、むしろ国内消費の増加とヨーロッパ諸国への大量輸出で今後不足することが予測されており、天然ガスの供給は中央アジアに頼らざるを得ない状況にあるようですから、ロシア-ヨーロッパ-東アジアは連携を強化しエネルギー確保へと動いていくものと予測されます。
その様な状況の中で、デビッド(ロックフェラー)側も手を拱いているはずはなく、彼らもエネルギー全般の支配を目論んでいるわけですから、アメリカ-デビッドの動きと合わせて、今後のロシアを中心とするエネルギー支配の動きを見ていく必要がありそうです。

List    投稿者 yuji | 2008-01-05 | Posted in 09.国際政治情勢の分析3 Comments » 

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コメント3件

 株式FX投資必勝倶楽部 | 2008.03.26 1:18

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