2011年01月31日

原田武夫氏『世界通貨戦争後の支配者たち』の紹介⇒「日華の金塊」を狙うのはアメリカ勢か欧州勢か?

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原田武夫氏の近著『世界通貨戦争後の支配者たち』(小学館)の第一章「金が暴落する日、アメリカが崩落する日」から、注目すべき論点を紹介します。
世間では「通貨戦争」が語られるが、その内実は「金(ゴールド)戦争」であるというのが、原田氏の見方である。
金(ゴールド)を巡って、水面下で欧州勢とアメリカ勢の熾烈な争いが続いているらしい。
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●金価格はFRBによって操作されてきた
2010年7月、ドイツ勢が「金価格は操作されている~秘密の中央銀行政策」という報道を流した。つまり、中央銀行たちが秘密裏に金価格を操作しているらしいという記事である。それによると、金価格操作のイニシアティブをとってきたのは米FRBである。
その手口はこうだ。政策金利を操作することによって「米国債を持たざるコスト」を発生させれば、その代わりに(金利のつかない)金を保有することは有利でなくなる。この形での金市場への米FRBの介入は1993年8月から行われてきた。
こうした介入が有効なのは、中央銀行が保有し取引している金の量が圧倒的に多いからである。そのため、中央銀行が金を売却すれば容易にその価格を市場で下げることが可能なのである。

●簿外資産「日華の金塊」を狙うアメリカ勢
日本の支配層たちは一部の華僑・華人勢力と共に近代以降、大量の金塊を保有・管理している。今、これらの金塊の一部はフィリピン・ミンダナオ島で厳重に管理されていると言われる。
簿外資産としての金(ゴールド)は「日華の金塊」だけではない。2010年6月にワールド・ゴールド・カウンシルが公表した統計によれば、中東勢の雄であるサウジアラビア勢の中央銀行が保持する金準備が突如、倍以上に増加した。具体的には今年(2010年)3月の段階では143トンと申告していた保有量が、6月には一転して322.9トンにもなったと報告されている。これも退蔵されてきた「簿外資産」の金である可能性がある。
「越境する投資主体」のうちアメリカ勢は、この簿外資産(金塊)の簒奪を企てており、その手口はこうだ。
まずは対米貿易で日中両国をたらふく太らせておきつつ、積もり重なった外貨準備の運用先として米国債を大量に買わせた後、今度は米国債をデフォルトする。その結果、日本勢と華僑・華人ネットワークは、戦前から退蔵してきた簿外資産の金塊を引当金として大量に放出せざるを得なくなる。この「日華の金塊」の簒奪がアメリカ勢にとっての第二次世界大戦の目的であり、それが実現して初めて、アメリカ勢にとっての第二次世界大戦が終わる。
日本勢もそのことを想定していないわけではなく、日銀幹部がこの関連で動き始めているとの非公開情報もある。
アメリカ勢が「日華の金塊」をおびき出すことを優先すれば、アメリカ勢自身が金価格を暴落させるような手段には出ない可能性が高い。逆に、金価格を吊り上げることで米国債へのマネーの流れを減らした方が、米国債デフォルトの演出として都合が良い。
そして、これまで簿外であった「日華の金塊」が市場に登場すれば、金価格は一気に暴落する可能性がある。
アメリカがその莫大な財政赤字を解決する道は二つしかない。
一つは、デフォルト宣言によって「日華の金塊」を簒奪すること。
もう一つは、最終的に金(ゴールド)売却を行い、場合によっては政策金利を引き上げること。それによって、米国債と米ドルへマネーが殺到し、アメリカ勢は財政赤字問題から解放される(しかし、それは欧州勢が許さないだろう)。

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●欧州勢の金売却の抜け道「BIS金スワップ」
一方、欧州勢の中央銀行たちは、1999年のワシントン合意以降、「金(ゴールド)は大量には売らない」と表立って言ってきた。ワシントン合意に基づけば欧州勢は金を売れないことになるが、そこには大きな抜け道がある。国際決済銀行BISは「金を売らない」という拘束に縛られていない。つまり、金を売ろうとすればいつでも売ることができる。欧州勢はBISに金(ゴールド)を預け、それを担保に現金を大量に借り受けるという仕組みである。このBIS金スワップという「打ち出の小槌」は、2010年のギリシア・ショックの時にフル活用された可能性が高い。
借り手である欧州勢の中央銀行たちが借りた現金を返さない場合、貸し手である国際決済銀行は担保である金を売るに違いない。欧州勢の中央銀行たちが「確信犯」として「踏み倒す」ことを前提にこのBISスワップを、「ワシントン合意」に対する抜け道として使っているのだとすれば、欧州勢がこの仕組みを使って大量の金を売り始める可能性もある。
欧州勢は、このBIS金スワップという離れ業を使い、自らも「金融メルトダウンの被害者」を装いつつ、他方でアメリカ勢の生殺与奪を握ろうと画策している。しかし、欧州勢が仮に引き金を引いたところで、アメリカ勢にとっては必ずしも最悪の状態ではない(ex.ドル・米国債暴落によって財政赤字が解消できるor「日華の金塊」が簒奪できる)。この辺の手練手管はさすが歴史を誇る欧州勢である。
世間では「通貨戦争」が語られるが、その内実は「金(ゴールド)戦争」である。金(ゴールド)は高騰もするが、暴落もする。他方でアメリカ勢はドル安を誘導し、デフォルトを選ぶと思いきや、ドル高に転換すらし得る。また、その間隙を縫って欧州勢はアメリカ勢より一歩先んじたポジションをとろうとし、金(ゴールド)を売り始めるかもしれない。金市場の動向はかくも複雑なのである。

●欧州勢の日本に対する動きは?
今の所、欧州勢は日本に対して無関心なように表面上は見える。しかし、それは無視していることを意味しない。むしろ彼らの足元で問題ではないからこそ、まずは日本には口に出さず、自分たちの足元を先に固める。その上で今度は取り置いた果実(日本)に突然手を出すというのが彼らのやり方である。
欧州勢、あるはアメリカ勢がどのようにして襲い掛かってくるのか、今から思考を巡らせておく必要がある。そして、その材料は今目の前にある現実の中だけではなく、欧米勢との「出会い」という歴史の中にこそ求められるべきものである。
これから起きるのは金融資本主義という潮流が大きく転換する歴史的な潮目なのだから、今までの潮流の始まりにいかなる潮目があったのかを知らずして先に進むことなど、本来不可能なはずなのだ。
(注:この著『世界通貨戦争後の支配者たち』の第三章「ロスチャイルド家と黄金の国」は、幕末の欧州勢(ロスチャイルド)と日本の知られざる「出会い」を詳述している)

ここで一つ疑問が生じる。
原田氏の説のように、金価格を操作してきたのがFRBだとしたら、FRBを支配しているのは欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)であるわけだから、結局は、金市場を相変わらず欧州勢力によって支配され続けているということになる。ということは、ドル・米国債暴落によって「日華の金塊」の簒奪を目論んでいるというのは、むしろ欧州勢力(欧州貴族+ロスチャイルド)だと考えるべきではないだろうか。
むしろ、こう考えるべきではないか。
米国債をデフォルトする、あるいはドル・米国債を暴落させることによって、それを大量に溜め込んできた日中が苦境に陥り、隠し持ってきた簿外資産「日華の金塊」を放出せざるを得なくなる。あるいは、中東の王族の金塊も放出される可能性がある。
2010年08月29日「欧州勢力の目論みは?(2)~大量の隠し金(ゴールド)を担保にした新通貨制度?」でも述べたが、それら退蔵されてきた大量の金塊を担保にした新通貨制度への移行が、欧州勢力の最終的な目論見であり、退蔵されてきた金塊を放出させる引き金が、ドル・米国債暴落なのではないだろうか?
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List    投稿者 staff | 2011-01-31 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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