2008年08月31日

グルジア―南オセチア紛争~各国の動向~

当ブログ8月28日の記事新たな冷戦:多極化する世界でも触れられている“グルジア―南オセチア紛争”を改めてみてみたいと思います。
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画像は、こちら からお借りしました。
原油パイプラインの位置がよくわる。
わかりやすい地図は こちら のサイトがオススメです。
“グルジア―南オセチア紛争”は、たかだかと言っては失礼ではあるが、人口約7万人の州の独立をめぐって、大国であるアメリカ・ロシアが動いている。しかも、今後の世界情勢を読み解く上で、かなり重要な出来事である。
まずは、基礎知識から
グルジアとグルジアから独立しようとしていた南オセチアの人口と規模など
●グルジア
大紀元 『グルジア駐日大使、都内で講演』

 グルジアの人口は約460万人、国土の面積は約7万平方キロメートル、一人あたりの国内総生産は約3800米ドル、1991年4月に旧ソ連邦から独立した。

●南オセチア州
田中 宇の国際ニュース解説 『米に乗せられたグルジアの惨敗』 2008年8月19日

 南オセチア州は、埼玉県ほどの広さで、人口は約7万人。人口の3分の2がオセチア人(オセット人)、4分の1がグルジア人で、両民族は州内にまだらに混住している。南オセチアはロシアと国境を接しており、ロシア側には北オセチア共和国がある。南オセチアのオセチア人は、北オセチアとの統合を希望し、ソ連崩壊後、1991年にグルジアからの独立戦争を開始し、決着がつかず長期紛争となり、今に至っている。

「何となく、単なる独立運動でないことは解かる。」
では、誰が、何のために?

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「RPE Journalロシア政治経済ジャーナル No.530 2008/8/18号」 で、
★グルジア戦争、各国が得たもの・失ったもの
と題して、解かりやすくまとめていただいているので、引用、抜粋したいと思います。

▼基本をおさらいしよう
1、カフカスの国グルジアは、元々ソ連の一部でした
2、グルジアは、他の旧ソ連15共和国同様、ソ連崩壊時のどさくさにまぎれて独立を果たしました
3、南オセチアは、国際法的にはグルジアの一部。南オセチア自治州という位置づけ
  しかし、すんでいる人々はオセチア人で、グルジア人とは違う民族です。
4、南オセチアは1990年4月、主権宣言。つまり、この自治州もソ連の混乱に乗じて独立しようと考えた。
5、1991年1月、グルジアと南オセチアの紛争が勃発
6、1992年1月、南オセチアで、「独立」に関する住民投票が実施され、92%が独立を支持
7、1992年6月、ロシアの調停により停戦合意
8、同年7月より、ロシアの平和維持部隊が駐留する
つまり、南オセチアは1992年以降16年間、実質独立状態にあった。
しかし、グルジアも国際社会も南オセチアの独立を承認していない。
それで、「国際法的にはいまだグルジアの自治州」という位置づけなのでした。
これが、今回の戦争以前の状況。

で、何が起こったのか?
1、08年2月、セルビアのコソボ自治州が一方的に独立を宣言。
  欧米諸国は、セルビアの意向を無視して、独立を承認する。
  南オセチアの立場は、コソボ自治州とまったく同じ。
  「コソボが独立できるのなら、俺らも独立できるだろう!」となった。
2、南オセチアは、国連および独立国家共同体(CIS)に「独立承認を求める」活動を開始する
3、南オセチア独立の動きを座視できないグルジアは8月7日、南オセチアの首都ツヒンバリに 
  進攻ロシア平和維持軍にも攻撃をしかけるロシアは反撃を開始し、戦争勃発

で、その後どうなったか?
8月12日、フランスのサルコジさんが、6項目の和平案をたずさえてモスクワにやってきます。
彼はその後、グルジアにも飛びました。
グルジアのサアカシビリさんは15日、停戦合意文書に署名。
ロシアのメドベージェフさんも16日、署名。
これでメデタシメデタシとなったのです。
その内容は?
(1)武力不行使
(2)戦闘全面停止
(3)人道支援の保障
(4)グルジア軍の常駐地点への撤退
(5)ロシア軍の戦闘開始前の地点への撤退。国際メカニズムの導入までは、ロシア平和維持軍が追加的な安全措置を履行
(6)アブハジア自治共和国、南オセチア自治州の安全と安定に関する国際協議の開始

背後のアメリカとロシアの関わり方

<グルジアの現大統領サアカシビリは、アメリカの傀儡である。
よってアメリカ政府の命令・あるいは許可なしで、軍事行動を起こすことはありえない。
つまり、グルジアと南オセチアの戦争は、アメリカの命令か許可のもとに行われている。>
(中略)
そして、ロシアのラブロフ外相も。
<米がグルジア軍の進攻許す=ロ外相が痛烈批判 8月14日7時0分配信 時事通信
 【モスクワ13日時事】ロシアのラブロフ外相は13日、米国がグルジア軍の南オセチア自治州進攻を結果的に許したと批判した。
(中略)
「グルジアの冒険主義に米国の軍事支援が利用された可能性がある」とも述べ、米国に責任があるとの見方を示した。> 
そしてここ数日、日本のテレビでもようやく
米ロ新冷戦」という言葉が多用されるようになってきました。
さて、今回グルジアは、ブッシュ政権の支持により南オセチアを攻めた。でなければ、グルジアのような小国が大国ロシアに戦いを挑むはずがありません。(自殺行為)

▼アメリカが得たもの
1、「ロシアは悪の帝国」という洗脳に成功した(国内)
戦争の期間、グルジアのサアカシビリ大統領は、何度も何度もCNNなどに登場し「ロシアがグルジアを侵略した!」と主張しつづけてきました。
グルジアが先制攻撃したことは、一切だまっています。
そして、アメリカのテレビ局も、グルジアが先に攻めたことをだまっています。
(中略)
ところで、洗脳工作はどの程度成功しているのでしょうか?
結論をいうと、うまくいっているのはアメリカ・イギリス・日本だけでしょう。
日本でも、テレビは「ロシアがグルジアを侵略した」と憤っていますが、新聞は客観的に報道しているようです。
フランスやドイツのニュースを見ても、「グルジアが先に攻めて、ロシアが報復した」ときちんと伝えられています。
欧州が憤っているのは、ロシアが停戦合意後もグルジア領内にとどまっていること。
しかし彼らは、「グルジアが先にしかけた」ことをしっかり認識しています。
ようするに、洗脳は世界的にうまくいっていない。
それでもいいのですよ。アメリカ国内だけでいいのです。
なぜか?
(1)ブッシュとネオコン政策の正しさが証明(?)された
ブッシュは今まで、反独裁、世界民主化政策を推進してきました。
しかし、そこには多くの欺瞞があった。
最大のウソは、「大量破壊兵器がある」「アルカイダを支援している」とし、イラクを攻撃したこと。そして、民間人100万人を殺したこと。
この失敗で、ブッシュの支持率はグングン下がった。
しかし、最後の最後でグルジア戦争が起こり、
「ほらね。世界は実は危険なのよ。あなた方はバカだから知らなかったかもしれないけど、ロシアやイランのような独裁国家はホントに危険でしょ?
ブッシュは、こういう敵と必死で戦ってきたのよ」
となる。
(2)マケインさんに追い風
ブッシュ後、ネオコン政策を推進するのに都合がいいのは、オバマさんではなくマケインさん。
で、マケインさんはロシアが大嫌いなのです。
常々「ロシアをG8からはずせ!」と主張してきた唯一の有力政治家。
今回の戦争で、マケインさんには「先見の明があった!」ということになるでしょう。
(中略)
理想主義者のオバマより、戦争の英雄マケインだ!と。
勝利につながるかどうかは別として、今回の事件がマケインに
追い風になることは事実です。

2、ポーランドに(米ミサイル防衛)MD(システム)を配備アメリカはポーランドにMDを配備しようとしていたのですが、交渉は難航していました。
理由は、ポーランドがアメリカに大金を要求していたこと。
ところが、グルジア戦争がはじまった。
かつてソ連(ロシア)の(実質)植民地だったポーランドは、ロシアをとてもおそれています。
グルジア戦争で危機感をもったポーランドは、心を入れ替えMD導入を決断したのです。
(後略)

▼ロシアが得たもの
今回グルジアが攻撃してきたとき、メドベージェフさんは休暇中。
プーチンさんは、オリンピックの開会式に出るため北京にいた。
そんな都合が悪いとき、グルジアが攻めてきたのです。
これについてサアカシビリさんは、
「ロシアは、世界の目がオリンピックに集中しているときを狙って、グルジアへの侵略を開始した」などといっています。
しかし、信じているのは、洗脳されている米英の国民だけ
結果的にロシアは、いろいろなものを得ることができました。
1、南オセチアを実質支配下に
グルジアは南オセチアに進攻し、2~3日間で1600~2000人の民間人を殺したと報じられています。
南オセチアの人心は完全にグルジアから離れ、憎しみばかりが残った。
このことについて。
(中略)
<グルジア 南オセチア州都破壊 住民「露軍は解放者」
8月14日15時12分配信 毎日新聞
欧州連合(EU)の和平案にグルジア、ロシア双方が合意する中、グルジア軍の攻撃にさらされた住民らは街中を行き交うロシア軍装甲車に手を振り、グルジア軍を追い出した「解放軍」として歓迎していた。>
グルジア軍を追い出したロシア軍は「解放軍」だそうです。
(中略)
男性のユーラさん(70)も「ロシア人が来てくれて本当にうれしい。
そうでなかったら街は消滅していた」と話した。>(同上)
どうですか?
皆さんが普段得ている情報は、全部ロンドン・NY経由で入ってきます。
(そこではロシアは完全悪、グルジアは完全善の犠牲者。)
しかし、現地に行ってみれば別の視点が開けるのですね~。
とにかく、グルジアが南オセチアを再統合することは、今回の戦争で非常に難しくなった。
そして、ロシアは堂々と南オセチアにとどまることができます。
なぜか?
「私たちがいなければ、グルジアが再侵攻して、民族浄化をする」
という口実ができたから。
2、アプハジアを実質支配下に
グルジアから独立したがっているのは、南オセチアばかりではありません。
もう一つアプハジア自治共和国がある。
ロシアはグルジアが攻めてきた機会を逃さず、アプハジアでも戦争を開始。
同自治共和国からグルジア勢力を一掃しました。
今回の戦争で、ロシアは南オセチア・アプハジアに対する支配力を強化しました。
3、欧州を分断
旧ソ連では、バルト3国が既にNATO入りを果たしました。
その他、ウクライナとグルジアがNATO入りを目指しています。
しかし今回の戦争で、グルジアのNATO入りは、遠のく可能性があります。
なぜでしょうか?
欧州は二つに分裂しています。
一つ目の陣営は、(アメリカ)・イギリス・東欧諸国。
これらの国は、ロシアを敵視しており、「反ロ軍事同盟」であるNATOにグルジアを加盟させたい。
東欧諸国は、1989年まで実質ロシアの植民地だったので、非常に恐れているのです。
もう一つは、フランス・ドイツを中心とする西欧諸国。これらの国々は、石油・ガスをロシアに依存していることから、対立を望んでいない。
「グルジアなんて遠い国のために、俺たちがとばっちりをくらってはたまらない」と思っている。
考えてみてください。
グルジアが既にNATO加盟国だったとしましょう。
すると今回の戦争はNATO(アメリカ + 欧州)軍 対 ロシア軍の全面戦争ですよ。
当然ロシアは欧州むけの石油・ガスを止めたでしょう。
そして、戦場が拡大した場合、犠牲になるのは遠いアメリカではなく欧州です。
この戦争は、西欧の恐怖が現実化することもあり得ることを証明した。
独仏は今後も、グルジアやウクライナのNATO入りに反対していくことでしょう。
ここまで、ロシアがえたもの。
ロシアが失ったものは?
1、一部の国で、ロシアは「悪の帝国」になった。
2、今回の事件によりアメリカで「ロシア脅威論が高まる。それでマケインさんが勝てば、「G8から除外される」可能性が出てくる。
3、アメリカ・グルジアは、ロシアのWTO加盟に反対するだろう。ロシアはWTOに加盟できない。
4、今後さらなる紛争が起これば、2014年のソチオリンピック開催に支障が出る可能性がある

▼グルジア
アメリカにそそのかされ、南オセチアに進攻したグルジア。
この国には明確な目的がありました。
つまり、南オセチアの独立を阻止し、再併合を果たすこと。
ところが、ロシア軍の猛反撃により、まったく逆の結果になった。
それどころか、アプハジアの独立も加速させる結果となった。
サアカシビリは得たものがなかったのでしょうか?
あります。
グルジア国民はロシアに憎しみを抱き、彼の元に一体化することでしょう。
それと、ロシアに対抗するため、アメリカは軍事面・資金面の支援を強化するでしょう

で、最近の動向は?
gooニュース ロシア大統領、南オセチアとアブハジアの独立承認2008年8月26日(火)20:28

  【モスクワ=星井麻紀、トビリシ=飯竹恒一】ロシアのメドベージェフ大統領は26日、ロシア南部ソチでテレビ演説し、グルジアからの分離独立を求める南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表した。分離独立に反対する欧米諸国は強く反発、独立を認めない方針で、欧米対ロシアの対立がさらに先鋭化しそうだ。
グルジアのサアカシュビリ大統領は26日夜、「完全に非合法なものだ。欧州で大国が他国の領土を併合するのはナチスドイツとスターリン以来初めてだ」とロシアを批判。中東訪問中のライス米国務長官は26日、「遺憾だ。国連安保理で拒否権を行使する」と語った北大西洋条約機構(NATO)のデホープスヘッフェル事務総長も同日、グルジアの主権と領土の維持を支持すると語った

ロシアは欧米諸国を敵に回しているが、勝算はあるのだろか?
今回は、各国の動向まで。
今後、背後の“戦争を飯の種”にしている“金貸し”の動きを探っていく必要がある。
(私見としては、今のところ何となくですが)
“実弾戦”より“冷戦”の方が、金儲けになるのではないか?とみています。

List    投稿者 sodan | 2008-08-31 | Posted in 09.国際政治情勢の分析7 Comments » 

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コメント7件

 ジャパンファン | 2008.11.20 20:57

すごい!!ネットで統合するって!?
確かに迅速な発信でメールを企業では使っているが、
これでは、一部の人しか知りえない情報となる。
要は、隠蔽しやすい。
ってことは、掲示板みたいなモノで統合するの?
教えて~!!!!!!!!!!

 はいね | 2008.11.20 21:18

>つまり信じられないようなミスが起こるのは、私権社会から共認社会に移行しているのに体制は旧来のままなので、外圧に適応できる最先端の統合機能足りえなくなったということだ。
なるほど、共認原理に則った統合システムがいまだ構築されていないことが、様々なミスを起こしているんですね~。納得です。

 海江田四郎 | 2008.11.21 16:30

以前から、イントラネットを活用したシステムは多くの企業でも採用されてきました。
例えば、知的財産の共有、スケジュールの「見える化」による社内コミュニケーションの活性化などなど。
しかし、「従前の社内イントラネットが上手くいかないのはなんで?」 にたいする 『★究極の答え★』が、この記事の中に書かれており、大変スッキリしました☆

 mtup | 2008.11.22 3:18

ジャパンファンさん、はいねさん、海江田四郎さん、コメントありがとうございます。
>ってことは、掲示板みたいなモノで統合するの?
教えて~!!!!!!!!!!
そうです。掲示板形式だから、他部門の人間も見ることができるし、大阪で起こっている問題を東京の社員も知ることができる。みんなに開かれているから、不当な力関係が出ることもない、逆にそんな投稿に対しては周りからすぐに指摘されます。さらには文字として残るので誤魔化しも効きません。
その場として、掲示板が最適だったということですね。
>共認原理に則った統合システムがいまだ構築されていないこと
>「従前の社内イントラネットが上手くいかないのはなんで?」
ポイントは指揮系統を無くし、フラットにすることで誰に対しても気兼ねすることなく物申すことができることです。
指揮系統を残し、社内イントラネットを使っている企業はあると思いますが、当たり障りのないやり取りやほとんど活性化していないのが現状じゃないでしょうか。
全てをネットにを実践すると1日100件近くの投稿がされることになります。
今後も応援の方をよろしくお願いします。

 ジャガー | 2008.11.25 22:44

愚痴や文句を言っているだけでは、発信できない!
“すべてをネットへ”の根本には、“よくしていきたい!”という思いが不可欠ですね。

 mtup | 2008.11.29 4:46

ジャガーさん、返信するのが遅くなってすいません。
愚痴や文句を言う人って、自分の現実逃避の言い訳に対する共感が得たいだけなのかなって思います。
そんな事言ったって、現実は変わらないし、何より“良くしたい”っていう思いは感じられませんね。
これからも応援の方をよろしくお願いします♪

 footwear mbt | 2014.02.22 6:48

mbt info 日本を守るのに右も左もない | インターネットの可能性~新たな共認形成の媒体の事例~

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