2019年02月28日

なぜ独はEUに積極的で英は消極的なのか・・・EUをめぐる欧州各国、そして米露の思惑。

イギリスの連合離脱をめぐり、EUが混迷しています。

そもそもEUとは何なのか。いつ、誰が、どのような目的と利害関係で成立させたのか。
日本は島国であり、大陸からも独立した経済・文化圏を成してきた為、「国家の連合・統合」というものがもうひとつピンときません。

しかしその成立の歴史を、特に第二次世界大戦前後に遡り、欧州における当時の各国の立場や想いを元に見てみると、EUは一見「連合」という強い結束の元に成立しているよう見えて、実は各国の政治、経済、軍事、そして民族性や安全保障に対する思惑は実に多様で、これが複雑に絡み合っている事が分かります。

欧州連合は、発足以来決して一枚岩ではなく、迷走と離合集散の危機を繰り返してきました。
現在のイギリスの離脱も、その視点で見れば決して不可解な話ではないことが分かります。

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以下
PRESIDENT online」リンクさんの記事を抜粋して紹介します。
EU成立の歴史と、米・ソ含めた大国の思惑がよくわかります。

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■なぜドイツはEUに積極的で、イギリスは消極的か

【そもそもの目的はドイツ封じ込め】
(前略)
ヨーロッパの歴史の中では、ドイツ、フランス、イギリスは拮抗した存在ですが、それでも人口、勤勉さでドイツが頭一つ抜きん出てしまう。また隣同士のドイツとフランスは何度も戦争を重ねてきました。だから終戦後、フランスはドイツをいかに管理するかに腐心、欧州統合の枠内にドイツを封じ込める方向に動いたのです。

一方のドイツも、自らの立場をよく心得ていました。何事も本気でやるとドイツが勝ってしまうので、一歩下がって、控えめに振る舞うことで、周辺国が抱く警戒心を和らげたいと考えたのです。
欧州統合はそうしたドイツに居心地のいい場となりました。ドイツとフランスの対立の構図が完全になくなったわけではありませんが、欧州統合で利害の一致する両国はことあるたびに、EUの推進役にも、危機の回避役にもなってきたわけです。

【英独仏の思惑により集合離散の変遷が】
(前略)
ECSCは、石炭を産出するドイツのルール工業地帯を共同で管理するものです。
ドイツは、異を唱えることもできたでしょう。しかし、欧州統合を優先させました。
(中略)
一方、イギリスは対抗するように、60年、自らの主導でEFTA(欧州自由貿易連合)を発足させました。加盟国はイギリスのほか、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、オーストリア、ポルトガルの7カ国。ただ、EECが経済領域だけでなく、政治・外交を含む幅広い共通化を目指したのに対し、EFTAはあくまでも経済・貿易面の共通化に限りました。これがイギリスの基本姿勢なのです。
(後略)

【なぜイギリスはユーロを導入しない?】
(前略)
イギリスは金融立国です。ロンドンの金融市場では多通貨であるほうが、取引量が増えて金融ビジネス上、有利です。ポンド-ユーロ、ポンド-ドル等の取引ビジネスです。ポンドへの愛着もあるでしょうが、もっぱらビジネス優先です。ユーロ以外でも、もし、中国の人民元が自由化されたら、ロンドンを人民元取引の中心市場にしようと考えているほどです。経済・金融的メリットを常に優先するのです。
一方、ドイツは、政治的にはあまり出しゃばりたくないけれども、ヨーロッパ全体の物価は安定させたい。その軸は我々だというプライドを持っています。なので、金融より財政規律を重視するというスタンスなのです。
(中略)
イギリスは自分たちがドイツに敵わないことを知っています。だから歴史的につながりの深いアメリカとの政治・経済のパイプの太さを強調する「大西洋カード」を時折チラつかせます。EUの一員だが「欧州合衆国」のような形でまとまることには反対。各国の主権を維持した国家連合なら、統合市場のメリットを享受しながら財政主権を維持できる。そうした考え方が、EUの中でイギリスが常に「ちょっと違う」ように見える理由です。

List    投稿者 nihon | 2019-02-28 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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