2008年06月14日

現代の免罪符=排出権取引←温暖化CO2原因説

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最近、マスコミによる地球温暖化防止キャンペーンが盛んである。
例えば、『ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報』 「10年か15年に一度、気候変動が惨事を生むとの風説が流れる」
マスコミの温暖化防止キャンペーンには何か背後構造があるはずだが、その前に地球温暖化の原因がCO2だいう説は本当に事実なのか?
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『「環境問題」を考える』「NHK『ためしてガッテン!』総集編 似非科学による洗脳放送」より引用。

この種の番組の常套的な展開として、まず温暖化による恐怖映像から始まる。
最近ではあまり主張されなくなった海面水位の上昇を煽る、おそらく南極の棚氷の先端が崩落する映像や、旱魃の被害映像が流れる。北極海の氷山や南極の棚氷が崩落・融解しても海水位の上昇に結びつかないことは明らかであり、当初数mの海面上昇などと言われていたが、最近では気象庁ですら十数cm程度の海面上昇としていることは周知の事実である。旱魃が果たしてどのようなメカニズムによって起こるかは、個別の条件によるものであり、二酸化炭素地球温暖化と直接結びつける根拠はない。

確かにコップの氷が解けても水の容積は増えない。氷が水に浮くのは密度が水より小さいからであり、氷が解けると密度が大きくなる=容積が減るのである。温暖化→氷が解けて海面上昇という話はウソである。温暖化旱魃説も然り。地球史上乾燥化したのは寒冷期である。

現在の地球温暖化仮説の主要な理論的な根拠は二つである。まず一つは、産業革命以降の地球大気の二酸化炭素濃度の上昇の主要因は、人間社会の工業生産活動にともなう主に化石燃料の燃焼によるとする考えである。IPCCあるいは京都議定書などの標準的な二酸化炭素地球温暖化仮説では、人為的に大気に付加された二酸化炭素の半量程度が選択的に蓄積するという単なる数合わせの議論であり、まったく科学的な根拠がない。

さて、この番組では、人間の呼気などに含まれる二酸化炭素(=生態系からの放出)は量的に問題ないが、工場など産業から排出される莫大な二酸化炭素が問題であると述べる。
地球大気には炭素重量にして約700Gt程度の二酸化炭素が含まれ、そのうち年間210Gt程度が陸上生態系と海洋(生態系)との間で交換されているという。これに対して、産業活動から大気中に放出される二酸化炭素量は、炭素重量で年間わずか6Gt程度に過ぎず、生態系からの排出量とは比べ物にならないほど小さい(3%程度)のである。
番組では、人間社会の生産活動から排出される二酸化炭素の半量程度が選択的に蓄積されるという非科学的な論拠に触れないために、何ら数値的な根拠を示さずに産業から排出される化石燃料起源の二酸化炭素排出量が極めて大きいのだという印象を与える意図が明白である。
実際には、大気中に排出された二酸化炭素の平均的な滞留期間は700(Gt)/210(Gt/年)=3.33年なのである。人間の生産活動による年間6Gtの二酸化炭素排出の影響による大気中二酸化炭素の蓄積量の増加は、高々6(Gt/年)×3.33(年)=20Gtであり、全体の3%にも満たないのである。

そもそも、地球温暖化CO2原因説は最近100年間を対象としているようだが、縄文時代は現在よりも気温が高かったわけで、こんな単純な事実からも温暖化CO2原因説はおかしい。
CO2排出量が多い国として槍玉に挙げられる日本だが、実は日本が世界でもっとも省エネルギーな国であることも知っておくべき事実である。

国別のGDP当たりの一次エネルギー消費量である。日本は極めて省エネルギー的な生産システムを既に実現していることがわかる。自然エネルギー発電の利用が進んでいるというドイツに比べても圧倒的に省エネルギー的なのである。このような状況で、石油利用効率の低い風力発電などの非効率的な発電システムを導入すれば、この値は悪化することはあっても改善されることは絶望的である。

以下の指摘も重要。CO2削減対策の多くが無効であるという事実である。

工業生産規模全体を縮小せずに二酸化炭素排出量を削減するという主張は、今日の日本の工業生産システムの構造に対する無理解でしかない。
例えば番組の中で取り上げられていたレジ袋の削減について考えてみる。石油関連工業は徹底的に廃物利用してきた産業分野である。原油を分溜してそれぞれのエネルギー、産業分野によって余すことなく利用されている。このような現状において、石油製品の中で例えば灯油消費だけを削減するとか、レジ袋だけを削減することなどは現実的に不可能なのである。仮にレジ袋の消費を削減しても、他の産業分野の消費が減らなければ、単にレジ袋用の原料の余剰を生むだけである。原料の余剰は企業経営を悪化させるため、企業は速やかにレジ袋以外の用途を開発するだけである。
更に、家電製品のいわゆるエコ製品への買い替えや住居の断熱化のリフォームに対する国庫補助政策は、十分に使えるものを廃棄させ、企業のエコ商品という高価な商品への買換え需要という不要不急の需要を生み出すこと以外の何物でもない。しかもこうした新技術によるエコ商品は不断に新規商品を供給し続け、商品寿命を短縮するので企業にとっては格好の商品となる反面、肝心の石油あるいは原料資源消費量は拡大する一方となる。

今回放映された「ためしてガッテン!常識逆転!地球温暖化ビックリ対策術」という番組は、二酸化炭素地球温暖化の理論構造から、二酸化炭素排出量削減対策まで、すべてが似非科学による何の根拠もない虚偽報道と言ってよい。
この番組は、『衝撃的な映像』で二酸化炭素地球温暖化が事実であり、その影響が人間生活に破滅的な影響を与えることを印象付け、個人に対して行動を起こすことを要求し、その対策として、電力供給を自然エネルギー発電にし、個人の努力による省エネや省エネ対策商品の購入を促すと言うものである。ここで示された方針は、IPCC報告を受けドイツで開催されたサミットの決定を踏襲する政府と企業の国家・経済戦略を、消費者の中核である主婦層に刷り込むことが目的であったと考えられる。

このように温暖化CO2原因説は虚偽に充ちている。その虚偽説から生まれたのが排出権取引である。CO2排出権を買えば、その分だけCO2を排出できるというもので、それが個人向けにも売買されているらしい。「日本経済新聞(9/20)日本カーボンオフセット、個人向けにCO2排出権販売」
こうして考えると、排出権とは16世紀にカトリック教会が発行した、罪を軽減する免罪符と何ら変わりがないではないか。それが売買される点も全く同じである。温暖化CO2原因説⇒排出権取引とは中世のキリスト教と何ら変わりがない。いや、その悪質さは霊感商法クラスの騙しであると断じてよいだろう。
では、そのような騙しがまかり通る、その背後構造は何か?
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-06-14 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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