2008年03月12日

ロックフェラーの国際主義⇒多極化戦略とは

ロックフェラーの国際主義⇒多極化戦略とは
1月11日の記事デヴィッド・ロックフェラーはどのような社会を作ろうとしているのか?(hongou氏)
3月1日の記事デヴィッド・ロックフェラーが目指す理想社会とは?(hiroaki氏)
という記事が続きましたが、
デヴィッド・ロックフェラーが目指している社会を考える上で、彼が標榜している国際主義とは、又その為の多極化戦略とは何なのかがそのヒントになるように思われます。
「世界を動かす人脈」ロックフェラー中田安彦氏(講談社現代新書)を引用しながら考えてみたいと思います。

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ロックフェラー一家 右端がこの記事の主人公デェビッド
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以下要約・・・・・・・・

ロックフェラー財閥が国際化を目指すのは2代目のジョン・D・ロックフェラー2世目からであり、それはアメリカの世界制覇を目指す道と軌を一にする。国家と国際主義の関係は、金融資本家のデヴィッド時代に頂点を極めるが、その芽生えは、すでに父親の時代に生まれていた。

ジョン・D・ロックフェラー2世が雇ったフォスディックという経済面のアドバイザーが
共鳴したのは当時のウイルソン大統領の言う「アメリカが世界のリーダーシップをとる必要がある」とした部分。
ロックフェラー国際主義の要は「インターディペンデンシー」(相互依存)というキーワードにある。国家を意識しないグローバリストという考えかたは2世の息子たちに引き継がれることになる。

デヴィットはファミリーが掲げてきた理想、国際主義の実現を引き続き目指した。49年に34歳でビルダー会議創設のきっかけとなる「戦争と平和研究グループ」に関わり、54年にはアイゼンハワー大統領の推薦を受けて、オランダで開催されたビルダーバーグ会議の初会合に出席した。アメリカの主導的地位のもとで、大西洋地域の融和と世界の経済統合を果たすのが彼の終生の目標になったのである。

彼の国際主義による世界の融合への野心は、彼自身がメンバーでもある国際経済研究所の作成したレポートで「関税障壁の緩和と外国人への投資解禁、国営・国管理の、企業の民営化政策の推進」をうたっていることにも現われている。

またデヴィットは世界経済の統合の推進力として、多国籍企業の活力を生かすべきであると述べている。地球規模での政治と経済構造の統合を推進する彼は80年に「2000年までには、外交政策という言葉自体がアナクロなものになっているかもしれない」と述べるほどの“スーパーグローバリスト”だ。

ロックフェラー流の国際主義はIMFや世界銀行を利用した多国籍企業本位のグローバリズムであり、企業活動の恩恵を庶民が受けることで、経済は成長していくのだという、新自由主義的な信念に基づいている。

彼は多国籍企業と並んでNGO(非政府組織)を統合の推進力としてあげている。NGOと言っても、市民運動ではなく、企業利益と矛盾しない限りにおいての、民間財界人や運動家の組織を目指しており、これらの非政府組織とはビルダーバーグ会議や三極委員会のことをしていると思われる。この企業間ネットワークによる国際政治と経済の統合を推進する姿勢は各国の愛国派から激しい批判を受けている。

デヴィット彼自身がグローバリズム推進の為の機関を設置している。それが1973年設立の三極委員会でビルダー会議と同様に、政治家や財界人、知識人のネットワーク組織として活動してきた。この組織は欧州と日本を英米主導のグローバル経済に統合していくというデヴィットの国際主義的野心の産物である。

ロックフェラー流のグローバリズムは時にグローバル・スタンダードの押し付けに繋がる面があり、金融資本の力で第三国やときには先進国までも搾取する。
日本でも日本長期銀行が破綻後に2000年に投資ファンドのリップルウッドホールディングが組織した、ロックフェラーを含む、投資家グループによって買収された。
この買収案件は日本政府が海外投資家たちに付けた瑕疵担保条項が原因で批判も高まり、日本で「ハゲタカファンド」という言葉が生まれるきっかけにもなった。
グローバリズムは常に批判される運命にある。

もっとも彼はそのような批判に対しても臆することはない。回顧録のなかで、彼は自分にたいする、批判者のたちへの見解を驚くほど率直に述べている。
彼は国際主義がもたらした経済相互依存の主義の効果を語る。かつては死を覚悟でアメリカと戦うことを決意した国の指導者が世界資本主義の中心地ニューヨークで開かれた国際連合の会合へと群れをなすようにやってきたことが、グローバリズムの貫徹を象徴していると語る。彼らが望むのはアメリカの銀行家や大企業重役たちとの会合やビジネスの契約なのである、というわけだ。ビジネスの勝利だと彼は言いたいのだろう。

地球規模での相互依存関係というものは夢物語ではなく、目の前にある現実なのだ。その現実は今世紀の情報通信革命や技術革命、地政学における進展がそれを避けられないものにしてしまった。資本モノ人間が国境を越えて、自由に移動できることはこれからも世界経済の発展と民主的統治機構の強化にとって必要不可欠な条件であるつづけるだろう。

最後に彼は「アメリカはこのグローバルな責任から逃れられない。今日の世界はアメリカのリーダーシップを強く求めている。そして我々はそれに応じなければならない。21世紀においては孤立主義である必要は全くない。我々はみな国際主義者にならなければならないのだ。」
と締めくくっている。

・・・・・・・・以上要約
ロックフェラー財閥は主に石油と金融業で財をなした、アメリカ最大の財閥である。その成長はアメリカ国家の勃興から世界制覇を目指す道と軌を一にしてきた。
しかし、現在そのアメリカはサブプライムローン問題を基点にドル基軸通貨体制崩壊の危機にたたされている。
そのなかでロックフェラーはどう動こうとしているのか。

るいネット なんで屋劇場『金貸し支配とその弱点、’08経済破局は来るのか』2 ~金貸しの存在構造、不換紙幣の成立より

市場は国家の寄生虫として拡大してきた。市場が国家の寄生虫であるということは、市場は国力の枠内(or国家の統合の枠組みの中)でしか成長できないはずである。しかし、事実はそうではない。時として、国家は無謀なる争いを繰り返し、国力を衰弱させるが、それに乗じて市場は成長していく。(十字軍しかり、現在のアメリカしかり・・)

中田安彦氏がその著書で引用されているデヴィッド・ロックフェラーの自伝で謳われている「ロックフェラー流国際主義の要は「インターディペンデンシー」(相互依存)」は多分に建前が混ざっている。
彼ら市場の申し子である、国際金貸しの本音は彼らが継続的に金儲けできる、彼らにとって都合のいい国際社会、国家環境であり、国ですらその手段に過ぎないのであろう。
だからこそ一国家と心中する気などさらさらない。
アメリカのドル基軸通貨体制崩壊危機の現在、彼らのアメリカ離れは、デヴィット・ロックフェラーが改めて導きだした選択、‘家訓’の多極化戦略なのである。

List    投稿者 tabtab | 2008-03-12 | Posted in 09.国際政治情勢の分析7 Comments » 

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コメント7件

 ふしぶじゑ日記 | 2008.06.28 1:36

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