中国軍の国防費から見えるのは・・・・
めぐみ☆さんの仲間で、中国を担当している天心です。
ヤブ から棒 ですが、中国に国軍がないことは知っていましたか?
「そんなことを言っても、軍隊があるじゃないか!」
実は、中国の軍隊は、「国家」の軍隊ではなく、「中国共産党の私兵」でその名も『中国人民解放軍』。
それは、国家の軍隊が国家による人民抑圧・搾取の手段であり、侵略・植民地支配の手段とされていることから、最大の暴力装置である軍隊を国家を指導する中国共産党が管理するのは当然! という考えで存在しているのです。
そのような屁理屈で定義された存在だから、(敢えて呼ぼう)『中国軍』の国防費の正確なデータがなかなかないのですが、今回はそれを推定してみよう、と思います。
「中国は伝統的に軍事問題では秘密主義をとってきた。それが国際的な不信感を呼び、1990年代に入って、中国脅威論が語られるようになった。そのような懸念を払拭するために、1995年、「中国の軍備制御と軍縮」白書がはじめて発表された。これは秘密主義から脱皮することを意味し、重要な意義があった。
それに続いて、1998年、国務院新聞弁公室から最初の「国防白書」が発表された。「新安全観」が提起され、冷戦思考からの脱皮が謳われた。それ以来、二年毎に国防白書が発表されるようになった。」(「凌星光のブログ」)
前掲のグラフは「国防白書」からのデータです。
ここから読み取れるのは、絶対額は確かに伸びていますが、インフレ率も高く、GDP比、国家予算比ではほぼ一定している点です。
一方、中国脅威論を煽っている米国防総省は、2002年から毎年『中国の軍事力に関する年次報告書』を米議会に提出しており、2006年の報告書では、
「公表国防費には、(a)外国からの武器購入費、(b)準軍事組織である人民武装警察の予算、(c)弾道ミサイルを担当する第2砲兵の経費、(d)防衛産業への補助金、(e)軍事関係の調査研究費等が含まれていないと指摘し、実際の軍事関連の支出額は「公表国防費の2~3倍に達していると推計される」そして、「今年3月に中国が発表した2006 年度の国防予算額は約350 億ドル(約4兆2,000 億円)であるが、実際の軍事費は700 億ドル~1,050億ドル(約8兆4,000 億円~12 兆6,000 億円)と見積もることができ、最大に見積もった場合の金額は日本の防衛予算の2倍以上になる」としてます。
(以上『中国の軍事力』より)
このように米中の見解には大きな隔たりがありますが、どちらが正しいのでしょうか?
実は米国にとっては、中国脅威論は軍事国家体制の必要性の論拠になるし、特に台湾への脅威を煽れば、台湾、更に日本にも軍需品を売りやすくなります。(実際、台湾が世界最大の武器輸入国だったのです。)
一方、不安定な内政を鑑みた時、中国は軍事費を突出させる訳にはいかないと考えられます。
そのような状況下で、何とか捻出した軍事費を米国が過大評価してくれ、それを証明するかのように、対衛星攻撃兵器の実験やICBMの移動型化、高性能化等の戦略的な軍事力を要所要所で見せれば、懐が大きく痛まず国際社会に権勢をアピールでき、中国側にもメリットは大きいのです。
となると、一番の嘘つきは米国で、それに中国が便乗しているだけであり、中国の軍事費の実態は中国自身が公表している数字に近いものになるのではないでしょうか。
そうならば、今後出てくる中国に関する軍事データについて、米国発表或いはその筋からのものは中国を過大評価したものとして見なければならないのかも知れません。
最近のテロとの闘いや北朝鮮の核開発問題での協力、米中の軍事交流や安全保障での対話の動きを見ると、米中が結託して、日本、台湾を食い物にしている気すらしてきますが・・・・・
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