中国が市場を主導し、ロシアが軍事力で最強。これは「市場」と「国家」の力関係の再逆転の始まり
中国のロボットトレーディング技術力はアメリカをすでに上回っており、市場は中国が主導できるようになっている可能性が高い。ロシアの科学技術→軍事力に続いて中国がアメリカの覇権に止めを刺す、大きな力の基盤を手に入れたことになる。
しかし、これは単に国家間の覇権の移行を意味するに留まらない。
これほど急激にロシア、中国が制覇力を手にしたということは彼らの社会構造、組織論が優位に立っていると考えたほうがよい。
両国の共通点は「集権的な色彩が強い。独裁的である」とこれまでの価値観では否定的にみられてきた。しかし、これはあくまで貧困の時代に言えることであって、これほど豊かになった中国では相対的に問題ではない。問題ないとは言わないが、金貸し支配を打ち破る力とスピードを生み出しているという点で、現実の力を実現していると言わざるを得ない。
これまでは、市場勢力こそが技術のイノベーションを生み出していくとされていたが、これからは、必要な人材を国家主導で集中的に投入できる組織体制を持っているほうが、優位に立っていく可能性がある。現にロシアが軍事技術で、中国がIT技術で優位に立っている。 特に、先行事例がある場合や、課題の焦点がはっきりしている場合それが顕著に表れると思われる。日本の明治維新もそれに近かったし、宇宙開発で当初先んじたのはアメリカでなくソヴィエトだった。
国家中枢主導ですさまじいスピードで意思決定していけるのいうのも、いわゆる「民主主義国家」をはるかに上回る現実的な力を持っていると言える。
中国やロシアなど金貸し支配を免れている「国家」には、1000年に亘って世界の集団と国家を破壊し、地球環境そのものを破壊してきた市場勢力(欧米の市場型国家)を封鎖することに大儀があり人々の活力を引き出している点もある。アメリカを上回るということというのは、市場優位の世界を、集団と国家が主導する全うな世界へと変えていく、歴史的な可能性へと向かっているということなのだ。
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