2008年06月23日

基軸通貨ドルに変わる「CO2本位」!?

 基軸通貨ドルが暴落した場合、どのような制度が成立するのか?日本経済新聞の1月11日朝刊に参考になる記事が載っていました。以下に引用投稿します。
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●G7からC20へ
 金・ドル本位制が崩壊し変動為替相場制に移行した1970年代以降、日米欧主要7カ国(G7,当初はG5)が経済政策協調の主導権を握ってきた。最近は中国など新興市場国の台頭でG7の地盤沈下が叫ばれるが、21世紀の権力の重心はGならぬ「C20」に移るかもしれない。
 
世界20カ国代表による国連CDM(クリーン開発メカニズム)理事会。先進国が途上国で実施した温暖化ガス削減事業の成果を自国の削減分に算入できるCDM事業を承認する権限を一手に握る。
 01年の発足以降、承認事業は900件、排出量で約26億トン。現行価格で約9兆7千億円の価値を生み出す計算だ。
 昨年10月、東京電力と三井物産はこの理事会の力を思い知らされた。日本政府がCDMとして認めた事業計画を「効果が不十分」として却下されたのだ。京都議定書の目標達成が危うい日本にとってCDMは有力な手段だが、その成否もこの理事会の決定次第だ。
 環境保護意識の高まりで国や企業に許される排出枠は一段と厳しくなる。排出を減らせない国や企業は排出権を買わなければ将来の成長を維持できない。「どれだけ排出権を持つか」が競争力を左右しかねない。排出権は、金本位制の金のように新たな国富の尺度になり得る。それだけに環境をめぐる各国の攻防は経済覇権争いの色彩も帯びる。
 理事会は当初は公開が多かったが、今ではほとんどが非公開。国益が激しくぶつかり、理事の発言や投票結果を表に出しにくくなったためだ。「自国政府から脅迫電話を受けた理事もいる」と国連関係者は明かす。
 いす取りゲームも激しくなりそうだ。任期2年の理事・理事代理は、地域枠、先進国・途上国枠などがあり関係国の話し合いで選ぶ。現日本代表は、経産省出身の日本エネルギー経済研究所研究理事の黒木昭弘(53)。日本は先進国枠で常に席を確保してきたが「オーストラリアが京都議定書を批准し先進国枠に入れば日本はポストを失いかねない」と黒木は懸念する。
 7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)を前に、環境・省エネ技術で世界最先端をいく日本は指導力発揮を狙うが、排出権分野での出遅れは否めない。産業界が削減義務を伴う排出権取引(キャップ・アンド・トレード)に反対しているため金融機関の動きも鈍く、日本と円の存在感は薄い。

●ユーロ建て標準
 
排出権取引は環境問題に熱心な欧州主導で進んできた。05年創設の欧州排出権市場の取引量は世界の約8割を占める。原油など国際商品の通貨表示は長い間ドル建てが世界標準だったが排出権はユーロ建てだ。
 排出権で基軸通貨の座を奪われかねない米国も巻き返しに動いている。米国は京都議定書を批准せず政府としては排出権取引と距離を置くが、民間の動きは素早い。EU内取引の約5割を手掛ける欧州気候取引所は米国のシカゴ気候取引所の子会社だ。CDM事業の背後ではゴールドマン・サックスなど米金融機関が存在感を示す。米国の影響力の大きい世界銀行も、排出権取引の制度整備に動き、EU独走をけん制する。
 今後の排出権価格を左右するCDMの国際基準でも各国の利害は対立する。すでに必要な排出権を確保したEUは、新規事業の承認基準を厳しくし、排出権値下がりを防ぐよう求める。これから購入に動く日本の政府や企業とは全く逆だ。
 財務省資産では、京都議定書の目標達成のため日本が最大限排出権を買う場合、1兆2千億円必要になる。試算は1トン約30ユーロの排出権価格を前提にしており、これが1トン百ユーロに上がれば4兆円に膨れあがる。環境金融に詳しいエコノミスト宿輪純一(44)は「国際ルール作りの議論から取り残されれば日本が失う国益は大きい」と警告する。
92年導入の国際決済銀行(BIS)による銀行の自己資本比率規制。ルール作りは米欧主導で進み、後に邦銀の経営に大きな影響を及ぼした。温暖化ガス規制も第二のBIS規制になりかねない。
 (敬称略)(「YEN漂流」取材班)(以上引用終わり)

  
 これは、CO2ビジネスというレベルではなく、まさに今後の世界を
 牛耳る、アメリカ、EUそしてその裏にいる金融勢力の覇権争いです。CO2排出権をめぐる各勢力
 の動きに今後注意です。

List    投稿者 hoop200 | 2008-06-23 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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