2009年05月12日

『国際金融機関どうなる?』17.~短期金融市場を規制するには?~

☆金貸し規制は可能か?~バクチ市場の巣窟である短期金融市場とは?~からの続きです。

★では、どうすればオープン市場を抑制する事が出来るのか?

オープン市場の肥大化は貧困の消滅で市場拡大が行き詰まり、世界的な金余り状態を解消すべく金融バブル商品を扱ったのが原因。結果、ただのマネーゲームは実社会に何ら貢献せずに金融破綻を引き起こした。だから、同じ事を繰り返さないようにするには、【金融取引の規制】並びに【市場拡大停止による金余り状態】を何とかしなければならない。

アメリカでは「ストレス・テスト」という、現状を超えた金融危機に耐えられるかどうかを検証しているとの事だが、公的資金をばらまくだけでは何も解決しないし、デリバティブやレバレッジの規制や今回の金融危機を深化させた金融派生商品の情報開示へ向けて、より本質的な問題点を摘出し、解決策を検討していかなければならない。そんな中、欧州諸国では今回の金融危機を受けて、以下のようにヘッジファンドに対する規制を強めたりで、金融規制を厳しくする案を検討しているようである。

【産経ニュース4.12記事リンクより】
>未曾有の金融・経済危機を乗り切るための主要20カ国・地域(G20)金融サミットで、フランスのサルコジ大統領やドイツのメルケル首相は、危機を招いた責任は米英型金融資本主義にあるとして、金融規制の強化を声高に求めた。
(・・・中略・・・)
英国は、銀行への公的資金注入、不良債権に対する「損失保証」制度の導入、大型の財政出動、イングランド銀行(中央銀行)による政策金利切り下げと量的緩和の発動、さらには金融規制の新たな枠組みまで提示した。

欧州連合【プレジデントロイター4.30記事リンクより】
【欧州連合(EU)の欧州委員会は29日、ヘッジファンドに関する規制案を提案した。EU域内で活動するヘッジファンドに対し登録を義務付けるほか、レバレッジなどに関する情報開示を求める。
(・・・中略・・・)
また、大企業の支配権を握るプライベート・エクイティなどにも業績に関する情報開示を義務化する。
規制の対象となるのは、資産規模が1億ユーロ(1億3200万ドル)を越えるヘッジファンド。これまでの案より大幅に引き下げられた。プライベート・エクイティは5億ユーロ超とした。
今後、EU各国や欧州議会で承認手続きが行われる。規制案は修正される可能性があり、最終的な採択には約1年半かかるとみられている。】

さらに・・

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さらに、短期取引時に税金を徴収するという1972年にジェームズ・トービンというアメリカの経済学者(1981年度のノーベル経済学賞受賞者)が提唱したトービン税という物もあるようだ。

トービン税【attaction】より引用(リンク
【 トービン税とは、投機的な短期資金の移動を抑制する目的で提唱された税制です。<中略>仕組みは、すべての通貨取引にきわめて低率の税を課すシステムです。】
【短期的な投資収益を狙って頻繁に資金を移動させればさせるほど、税率が高くなります。】
【一方、工場を作るとか会社を経営するとかの長期的な直接投資には超低率の課税のままなので実質的影響が少なく、投機的な短期資金の移動だけが抑制されることになります。】

この税金徴収というのは名案だと思われる。なぜなら課税は国家の力を背景にした行為である。国家の抜け道に過ぎない市場が暴走すれば、それは国家が力で制御する必要があるが、その徴収した金の使い方次第では金融経済に代わる新しい仕事を創出する可能性も秘めているし、税率を強化すれば正に金貸しの力を抑制する【金融取引の規制】にも繋がるからだ。

しかし、そうは言っても金貸しに支配された今の旧い国家では金融制度の規制には限界がある。金貸しが作った制度の中で抗う限りは、金貸し優位となる抜け道等、いとも容易く作られてしまうのは当然だ。

だから、金貸しを規制するには、何よりもまず『金貸しは不要である』という強い共認形成の場が必要となる。その大前提があって始めて金貸し規制へと皆の意識は変わっていき、短期市場も抑制されていくのである。

金貸しの本質とは、『騙して奪う事』であって、それは己を第一とする私権闘争の中でしか有効に機能しない。己の私権よりも常に周りを大切にしてきた本源性の高い日本ならば、『金貸し不要』という本質をいち早く見抜き、短期市場も抑制する事が出来るはず。世界の中における日本への期待、役割とは正にここで、金貸し不要の共認形成をいち早く作り、どれだけ金貸しを規制出来るかにかかっているのだ。

参考:短期金融市場の基本とカラクリがよ~くわかる本 久保田博幸 著
るいネット G20(あるいは経済破局後の世界)へ向けての日本の政策提言-2(川井孝浩氏)

☆ 短期市場の他にも金貸しが利用出来るシステムはまだまだありそうです。為替制度もそのひとつ。次はBBCシステム等、新たな為替システムの可能性について探っていきたいと思います。

List    投稿者 mtr919 | 2009-05-12 | Posted in 08.近現代史と金貸し4 Comments » 

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