スパイ教育の本質とは
今まで、中国(リンク)やインド(リンク)の教育を追求してきました。
どちらの教育も「国の発展」に直結するものでしたが、今回は「国を守る教育」という観点から、まさに現在も情報戦を繰り広げ、あらゆる国にスパイを送るロシアの「スパイ教育」の本質を紐解いていきます。
■スパイとは?(リンク)
>スパイは、観察力、思考力、対応力、記憶力、分析力を鍛える。
>スパイは如何なる場所、時間、出来事、人物についても観察し、記憶し、思い出すことが出来ること、これが重要である。これは軍隊で鍛えられる場合が多い。
>人々は何を自分に期待しているのか?その都度自分の態度を変える。
>人々の自慢する物を褒め称えることなどで有益な情報を引出し、また、感情につけ込む。
>自分の直感への分析力も必要だ。リスクを予測することで問題点を洗い出し、計画を練り、自らと相手の行動を分析し、確実な情報に基づいて行動する。
スパイと聞くと、戦いや、悪いイメージしかありませんでしたが、
上記のスパイの特徴を踏まえると、スパイにとって最も重要なことは、「人からの信頼を得て、情報を引き出す能力」であることだと分かります。
相手からの信頼を得るためには、まずは自分自身が相手のことを知り、相手の気持ちになることが不可欠。
「わかってくれている」という安心感が、結果、情報の収集に繋がっていくのではないでしょうか。
だからこそロシアのスパイ教育は、特定の職業になりきる為の訓練に、何年もの時間を費やします。
■特定の職業になり切るために何年も費やす。(リンク)
>SVR(ロシア対外情報庁。前身はプーチン大統領が出身のKGB。)の出身者は、日本で言うと東京大学に相当するような国際関係大学というところに17歳から入ります。それは普通の大学で、5年間が終わって22歳になると、国内のFSB(ロシア連邦保安庁)になるための学校が2年間あります。そこで教育を受け、その後対外諜報の専門家になる訓練を3年間受けます。これは変装術、経歴を全部変えてしまう技術、素手で人を殺す技術のようなことを全部やります。
そして、それだけで終わりではないのです。それ以外に必ずもう1つ完璧にできる職業を身につけるために約5年もの期間訓練を受けるのです。
8年間、スパイのベースをしっかりと形成した後、さらに5年間、特定の職業になり切るために訓練を受けるとされているのです。
それほどの長い時間をかけ、一つの職業になり切りる訓練を受けているのです。
スパイ教育の本質とは、とことん相手のことを知り、相手の気持ちになり、相手の欠乏や想いを掴むこと。つまり、とことん【相手発】の思考が必要なことなのです。
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