『EUって、どうなっているの?』3~EU設立からユーロ創設へ~
■色の付いている国はEU加盟国です。
そのうち
はユーロ参加国
はユーロ不参加国
はユーロ参加免除国
『EUって、どうなっているの?』1 プロローグ:金融危機で最も危ないのは欧州!
『EUって、どうなっているの?』2 D・ロックフェラーの狙いは「東欧」!?
『EUって、どうなっているの?』シリーズのプロローグを受けて、ここからは本格的に追求に入っていきたいと思います。
大きくはヨーロッパ諸国を以下5つ
①EU加盟国でユーロ参加国(西欧他)
②EU加盟国でユーロ不参加国(東欧)
③EU加盟国でユーロ不参加国(参加免除国:イギリス、デンマーク)
④EU加盟国でユーロ不参加国(東欧以外)
⑤欧州でEU未加盟国(金融に関係の深そうなスイスなど)
に分類した上で、それぞれについて追求していく中で、EUの現状と今後の動向(可能性など)を明らかにしていきたいと思います。
まず今回は、その基礎知識として、EU設立からユーロ創設までの大きな流れをおさえてみようと思います。
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■EU創設からユーロ導入までの変遷
ドイツ・フランス等、欧州6カ国は、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC,1952年設立)、欧州経済共同体(EEC,1958年設立)、欧州原子力共同体 (EURATOM,1957年設立)等を通じて経済的な協力と統合を進展させ、商品、サービス、労働力、資本などが自由に移動する経済圏の形成を目指してきた。
欧州石炭鉄鋼共同体 (ECSC、1952年設立)
欧州経済共同体 (EEC、1957年設立) ※ローマ条約
欧州原子力共同体 (EURATOM、1958年設立) ※ローマ条約
(3つが統合される)
欧州共同体 (EC、1967年設立) ※ブリュッセル条約
(外交・安全保障分野と司法分野の協力、ユーロの導入の決定)
欧州連合 (EU、1993年設立) ※マーストリヒト条約
※マーストリヒト条約においてユーロの創設が決定された。
■EU加盟国におけるユーロ参加、不参加国
◇ユーロ参加国
フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、アイルランド、スペイン、
ポルトガル、オーストリア、フィンランド(以上、1999年参加)
ギリシャ(2001年参加)
スロベニア(2007年参加)
キプロス、マルタ(2008年参加)
◇ユーロ不参加国
・ERM-II導入済み⇒ユーロ参加準備国
スロバキア、リトアニア、ラトビア、エストニア
・ユーロ参加未定国(将来的に参加義務あり)
ポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア
スウェーデン(※スウェーデンは2008年11月、ユーロ導入の方針を発表)
・ユーロ参加免除国
イギリス、デンマーク(※デンマークは2008年10月、ユーロ導入の方針を発表)
※EU加盟国は、アムステルダム条約により、ユーロへの参加が義務となっている。
イギリスとデンマークは、マーストリヒト条約の批准にあたり、その付属議定書において、EMUへの加盟に関するオプト・アウト条項(Opt out clause , 適用除外条項)が認められ、ユーロに参加していない。
■ユーロにおける中央銀行制度
1999年1 月、欧州11カ国(2001年に12カ国)は、欧州共通通貨ユーロ(EURO)を導入した。
ユーロの導入以降、金融政策の決定は、欧州中央銀行(European Central Bank 以下ECB とする。)に委ねられた。決定された金融政策の実施、紙幣と硬貨の印刷・鋳造および流通、決済システムの管理は、ユーロ加盟の各国中央銀行(National Central Banks 以下 NCBs とする。)が行なう。
ユーロ導入の段階で、各国通貨とユーロの交換比率は固定され、銀行決済や企業間取引の単位としてユーロの利用が開始された。2002年には現金の流通が開始され、2 ヶ月で従来の各国通貨の流通は終了した。
今回はここまでです。
次回は、ユーロ導入のメリット、デメリットや、ユーロ導入後の各国の情勢の変化に関して追求してみたいと思います。
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コメント4件
匿名 | 2009.03.07 20:47
>米国経済とドルが強いための、円以外へのドル高ではない。逆に、ドルが弱く、米国金融と企業の資金不足から、手持ちの海外債券を売り、それが本国への送金のためのドル交換(現地通貨売りとドル買い)になり、米ドルが価値を維持しているのです。
何で、ドルが円以外に対して強いんだろうと、疑問に思っていましたが、これで謎が解けました。日本の場合も、現在の(ドルに対する)円高は、民間金融機関と機関投資家のドル債権売りが原因なのですね。非常に参考になりました。
匿名希望 | 2009.03.07 22:11
>逆に、ドルが弱く、米国金融と企業の資金不足から、手持ちの海外債券を売り、それが本国への送金のためのドル交換(現地通貨売りとドル買い)になり、米ドルが価値を維持しているのです。<
結局ドルの他に買える通貨がないという消去法で現在の、機軸通過であるドルが暴落しないでいるということでしょうか。
それを買い支えている日本と円安という皮肉。
dark blue hermes | 2014.02.01 10:42
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