2014年08月17日

【情報戦】16 イギリスにかわって金貸したちの戦争の資金源となったアメリカ、そして秘密工作機関CIAが誕生した

前稿ではアメリカの行動原理の基底には、脱バチカン=脱ヨーロッパの英国的行動原理を発展させた「自分の利益のためなら二重スパイも厭わないベンジャミン・フランクリン的な行動原理」があることをみた。

そしてこの行動原理は自分の利益のために自分の国家であるアメリカをも裏切り続けていくスパイ組織=CIAの登場へと結実していく。本稿ではCIAの誕生とその行動原理を見てみたい。

いまや世界の警察ならぬ、世界の戦争の仕掛け人となった現在のアメリカの姿からは想像もつかないが、イギリスからの独立を勝ち取った当時のアメリカは、どことも同盟関係を結ばず、国際的紛争には中立を保つという孤立主義のスタンスをとっていた。ベンジャミン・フランクリンの二重スパイ的行動は、イギリスにもフランスにも加担しないという表向きの孤立主義によって安全が保障されていたのだ。しかし欧米各国が帝国主義的侵略を強める中、ヨーロッパ諸国は相互に対立し、ついには第1次世界大戦に突入。そして根が海賊であるアメリカもついに本性を現し、これを機会に戦争に乗り出す。

 

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写真はOSSそしてCIA・・・アメリカ諜報機関の生みの親、アレンダレスとウィリアムドノバン

 

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 ●ヨーロッパの衰退とアメリカの勃興~その中で、孤立主義を捨てて戦争経済に突入していったアメリカ

第1次世界戦争では、主にヨーロッパが戦場となりヨーロッパは負けたドイツはもちろん、勝ったイギリス・フランスも国力を衰退させた。一方でアメリカはヨーロッパに軍事物資や工業製品など大量に輸出し大きな利益を得た。戦争が終わってからも、それまで世界の工場といわれていたヨーロッパがその機能を果たせなくなると世界経済の中心はアメリカへと変わってく。そして資金力の有り余ったアメリカは第1次世界大戦の敗戦国であるドイツに対して、イギリス・フランスへの賠償金を払うことを条件に、ドイツの戦後復興のための資本輸出を行う。そうすることでアメリカがイギリス、フランスに貸し付けていた戦争のための債権の回収も促進された。http://www12.plala.or.jp/rekisi/sekaidaikyoukou.html

┌─アメリカ(マッチポンプ)←┐
│              │
戦後復興の為        第1次世界大戦の戦争債権
の資本輸出         (借金)の支払い
│              │
↓              │
ドイツ─賠償金の支払い→イギリス・フランス
(敗戦国)         (勝戦国?)

そして世界恐慌によってこの資本循環がうまくいかなくなるとドイツの賠償金やイギリス・フランスの戦債の支払いを1年間停止するというモラトリアム策まで敢行。(フーバーモラトリアム)このモラトリアムがドイツの第2次世界大戦の軍資金となった。金貸しの行動原理のひとつに「戦争で争う双方から金を巻き上げる」というマッチポンプの原理があるが、第1次世界大戦の後にとったアメリカの行動はまさにマッチポンプそのものであった。こうしたアメリカの国家判断の背後にあったのがアメリカの中央銀行を牛耳る、ロスチャイルドやロックフェラーたち、国際金融資本の判断であったことはいうまでもない。http://blog.nihon-syakai.net/blog/2008/05/721.html

こうして、当初は孤立主義で他国の戦争とは関わらなかったアメリカが、積極的な好戦国へ転換する過程を通じて、彼ら金貸したちの意向を受けて、諜報機関も整備されていく。
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2008/05/721.html より

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イギリスは外交・諜報能力が非常に進んでいたが、軍事製造力でドイツに抜かれるのは時間の問題だった。イギリスは、ドイツが東欧・バルカン半島からトルコ・中東方面に覇権を拡大するのを阻止する目的もあり、フランスやロシアを誘ってドイツとの戦争を起こした。 その後、イギリスは20年かけてアメリカの連邦政府を覇権的な機関に作り替え、アメリカが地方分権の不干渉主義から連邦政府独裁の覇権国へと転換するよう誘導した。その上で第二次大戦を起こして米英が勝ち、第一次大戦で終わっていたイギリス覇権を、アメリカ覇権(パックス・アメリカナ)として再生した。

アメリカの連邦政府は権限が拡大し、戦争をしやすい機関に作り替えられ、アメリカが「戦争中毒」になる素地が作られたが、その裏にはアメリカを作り替えて世界支配をやらせようとしたイギリスがいた。最初の戦略はイギリスが立案したが、その後はアメリカにCFR(外交問題評議会)などイギリスからコピーされた研究機関が作られ、英諜報機関のMI6が米に移植されてCIAとなった。

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このCIAの創設についてティムワイナーが著した「CIA秘録」からも「アメリカの諜報機関はイギリスに学んだ」と書かれているし、宋鴻兵著「通貨戦争-影の支配者たちは世界統一通貨を目指す」にもMI6の生みの親、ヴィクターロスチャイルドがアメリカに請われて、CIAの前身、OSSでスパイを養成したことがかかれている。中でも謀略と秘密工作を得意とするイギリス流の諜報を学んだのがウィリアム・ドノバンそしてアラン・ダレスであった。特にダレスはウォール街の弁護士であり、まさにアメリカの諜報機関の目的がイギリス資本によってつくられたウォール街を富ませることであったことを明示している。

反共を旗印に悪巧みを続け地下活動に邁進していったCIA

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写真はCIA設立に猜疑心を抱きながらもCIA設立を容認したトルーマン大統領

このようにイギリスそしてウォール街のために奉仕するOSS→CIAに対して、当時の大統領たちは非常に怪訝なまなざしをもって反対していた。

ルーズベルトは第2次世界大戦における緊急の諜報機関としてOSSの設立を認めたが、戦争が終結するとトルーマンはOSSの解散を命じ、それに続く平時の 諜報機関CIAの設立を(当初は)否定した。トルーマンは大統領へ正確なニュースを届ける組織は必要としていたが、ドノバンたちがのめりこんでいた謀略と 秘密工作を否定したのだった。

しかし第2次世界大戦中に既に多くの人材がヨーロッパに送り込まれて諜報活動を展開し、なかばギャング化していた。放置したままではなにをしでかすかかわ からないギャングのようなヨーロッパのスパイを統合するために、トルーマンは「中央情報グループ」の設立をみとめた。しかし議会を通す道理がない。そんな 中、中央情報グループは地下組織化していった。バンデンバーグは数人の議員を説き伏せて「秘密工作室」を設置したが、ギャング化したヨーロッパのスパイた ちは根拠など関係なくソ連の脅威を煽りまくった。

こうして肥大したソ連の脅威を吹き込まれたトルーマンは「ソ連の脅威から自由主義を守るためにアメリカは共産主義陣営と戦う」という演説を行った。(ト ルーマンドクトリン)そして1947年、国家安全保障法が成立し、CIAが誕生した。しかし設立に携わったディーン・アチソンはこうもいっている。「私は この組織に深刻な懸念を抱いている。仕組みとして、大統領も国家安全保障会議も、ほかのだれも組織が何をしているのか知ることもできないし、統制すること もできない。」それでも疑惑の諜報組織は誕生してしまった。

合法化されたCIAはしかし、ますます地下活動に邁進していった。CIAは共産党政権との対立に揺れるイタリアでの政治工作活動に入っていったが、ダレス らはウォール街を走り回ったが十分な資金が集められなかった。するとスナイダー財務長官を説得して、ヨーロッパの安定のためにつくられていた為替安定基金 から2億ドルを用意し、イタリア系アメリカ人たちによる慈善事業という名目で、CIAが立ち上げた政治組織を経由して、イタリアの政治家たちやバチカンの 神父たちに配られた。この政治資金工作は効を奏し、イタリアの共産主義化は防ぐことができた。このようにしてアメリカを金をCIAが横領して自由主義圏の 政治家たちにバラマき、CIAはその非合法活動を通じて資金を得る、というやり方が確立され、世界中で展開された。日本における政治家たちとCIAの関係 も同様である。

CIAの悪巧みはさらに進化する。反共戦略としてマーシャル・プランが承認され、ヨーロッパとアジアにドルがばら撒かれた。その時、ダレスらは、追加条項 をもぐりこませて資金源を確保した。そのからくりは「マーシャルプランから援助を受けた国は自国通貨で同じ額を別途用意する」というもので、CIAのおか げで資金を調達できた各国は資金の5%をCIAへとキックバックした。

このようにして反共を旗印にアメリカ議会から追求をうけないようによその国から資金源を確保したCIAはますますアメリカの国家意思とは無関係に謀略と秘密工作にあけくれるようになっていった。

List    投稿者 mamoru | 2014-08-17 | Posted in 08.近現代史と金貸しNo Comments » 

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