2014年02月16日

金貸し支配の構造4~諜報機関支配とその崩壊(無能化し、分裂しつつあるCIA)

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『わたしはCIA諜報員だった』(集英社文庫 リンジー・モラン/高山祥子)
子供の頃からスパイに憧れていた少女が、難関を突破して念願のCIAに入局―だがそこで彼女を待ち受けていたのは驚き呆れる現実の連続だった。世界最高の情報機関の実態は、機密情報の捏造、予算の浪費ばかりが横行する信じられない無能集団だったのだ。奇妙な入局試験、苛酷な訓練、東欧でのスパイ活動、9・11を経て退局を決意するまでの5年間を自らの体験そのままに赤裸々に公開する。

これまで、金貸しが現代社会を牛耳る、その支配の構造を明らかにしてきた。
「金貸し支配の構造1~政治支配」
「金貸し支配の構造2~マスコミ支配と学者支配(と騙しの数々)」
「金貸し支配の構造3~司法支配(主権在民・三権分立の欺瞞)」
しかし、金貸し支配の構造には、その奥の院がある。CIAをはじめとする諜報機関である。
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ロスチャイルドやロックフェラーに代表される金融勢力=金貸しは、近世以来、配下に諜報・工作機関を持ち、目星をつけた政治家や官僚や学者を、一般的には利益誘導によって、勝負所では買収と脅迫を使い分けながら、支配し続けてきた。
「金貸しによる諜報機関支配の構造」
国益を守るためには機密保護のための法律が必要である、さらには諜報機関が必要である、と現政権とマスコミはさかんに主張している。しかし、諜報機関の実態をみると果たして、それが本当に「国益を守るため」あるいは「国防のため」に寄与しているかどうか、非常に怪しい。
例えば、アメリカの諜報機関NSAが「テロとの戦い」という名目で、一般市民の電話やメールを盗聴していたことが問題となっている。しかしそもそもこの「テロとの戦い」の基点となった911同時多発テロ事件自体が、アメリカの諜報機関CIAによる自作自演であったし、テロ組織の親玉とされたビンラディン氏はアメリカCIAが武器供与して育てた「CIAの飼い犬」であった。軍・諜報機関は国益のためではなく、単に己の組織の権益拡大のためのマッチポンプを続けているだけなのだ。しかも戦争による無駄遣いによりアメリカは財政が悪化し、国家破綻寸前である。アメリカの軍・諜報機関は「国益を語る売国集団」である。
国益よりも官僚組織自身の権益拡大が第1となるのは官僚組織一般の構造ではあるが、諜報組織がより悪質なのは、その国家機密保護を理由にした密室性故に、腐敗度が高く、軍事利権を狙う武器商人たちが暗躍する温床となるからである。この軍・諜報機関と武器商人たちが癒着した軍産複合体の存在こそ、戦争が今もなくならない直接的な理由である。そして日本の防衛利権も、アメリカの軍産複合体の支配下にあり、国民が望まない中韓との戦争に向けて誘導されている。
金貸しは、そもそも敵対する国家の双方に、敵対国の情報を密通し、時には脅し、武器を売りつけ、成長してきた。彼らには国家・国益などという発想はなく、二重スパイ、いわば「なりすまし」のプロである。従って諜報機関は、その歴史的出自から見ても武器商人・金貸したちによってつくられてきた。世界中に戦争を輸出したイエズス会は、宗教教団の皮をかぶった武器商人ロスチャイルドのための諜報機関であり、諜報機関の魁であり、現在の米英の諜報機関はこのイエズス会に出自を持つ諜報ネットワークの支配下にある。
とりわけ近代に入り、核兵器をはじめ、兵器開発に莫大な資本力が必要な時代になると、資金力に勝る金貸しは、軍・諜報機関を完全に掌握してしまった。(事実、金貸しは敵対するアメリカ、ドイツの双方を支援し、核開発を推進した。)
愛国派軍人出身の第34代アメリカ大統領アイゼンハワーは、1961年に行われた国民への離任演説において、軍産複合体の危険性について警告を発しているが、今、改めて「国益を語る諜報機関に潜む売国奴=金貸し支配の仕組み」に人々が気付くことが必要とされている。
この諜報機関こそ、金貸しが政治家・官僚・司法検察・マスコミ・学者を支配する最強の武器であると云ってもよい。
しかし、金貸しによる諜報機関支配は今や、至る所で破綻しつつある。
例えば、世界最強の諜報機関である米CIAはこれまでロックフェラーが支配してきたが、最近では戦闘派(ロックフェラー派)と和平派(ロスチャイルド派)に分裂し、かつ、ロスチャイルド派が主導権を握りつつあるらしい。

『ジャーナリスト同盟通信』2013年11月22日「本澤二郎の「日本の風景」(1466)」

<分裂したCIA>
昨日、たまたま右寄りの週刊誌を見たのだが、そこからCIAの分裂を感じ取った。米国内外の秘密工作をする怖いCIAの存在を、まだ筆者を含めて世界の人々は分かっていない。秘密のベールに覆われている。表で活躍する職員と、裏側でありとあらゆる手段を行使する不気味な勢力もいるらしい。
<和平派と戦闘派>
安倍の改憲軍拡路線を支援しているCIAの存在を認めないわけにはいかない。ジャパン・ハンドラーズと俗称される一部の反中派の知日派アメリカ人は、表のCIAの役割を果たしているように思える。
戦闘を好むCIAだ。軍事利権に目がない輩である。産軍複合体の意向を体現して、日本工作をしている。従って、多くは日本の財閥・右翼政治家・右翼官僚・右翼学者・右翼言論人と連携している。彼らの情報が全てアメリカ大使の元に届けられるか、これは誰もわからない。
今のホワイトハウスは、リベラル派のオバマ政権である。共和党右派が、画期的な弱者のための健康保険制度改革に反対している。それでいてオバマ人気は低下している。そこにも戦闘派CIAの暗躍が存在するのかもしれない。
他方で、ホワイトハウスに忠実な和平派のCIAも存在する。ここがブッシュ時代と異なる点である。
<シリア・イランの戦争阻止に反発>
ロシアのプーチンと連携してシリア戦争を止めたオバマ外交は、同時にイランとイスラエル戦争も阻止した。
だが、戦争で暴利を得ようとする側に忠実なCIAは、これを評価しない。逆に反撃に転じることになる。オバマいじめを内外で行使して、民主党大統領を追い詰めているのだ。
CIAは分裂している。平和派と戦闘派に分断している。ケネディを暗殺した産軍複合体配下のCIAは、闘争を盛り返そうとしている。そんな風にも読める。平和を喜ぶどころか、反発するCIAの存在である。
戦闘派を代表する今のイスラエル政府と連携していると見ていい。イラン攻撃に腰を上げている。これに待ったをかけるオバマである。
事情通が筆者の理解の及ばない話をしてくれた。
「米1%の代表であるロックフェラーが衰退、代わってロスチャイルドが台頭、CIAの半分をロスが握った。ロスはオバマの味方だ」というものだった。

 
CIAは分裂しているだけではない。
米におけるトップエリートの集まりである「CIAが実は無能なダメ機関」にすぎないことが明らかになっている。
ブログ『杉並からの情報発信です』が、『雁屋哲の美味しんぼ日記』2010年7月11日「鳩山由紀夫氏から菅直人氏へ(2)」を紹介している。
それによると、CIAというのは実は無能極まりないダメ機関らしい。そのダメ機関CIAが唯一成功したのが日本支配らしい。 一部引用する。

2007年にニューヨーク・タイムズの記者ティム・ワイナーが「Legacy of Ashes. The History of the CIA」という本を出版した。「Legacy」とは遺産のこと。「Legacy of Ashes」で「灰の遺産」と言うことになる。
「The History of the CIA」という副題から推察すると、CIAから次世代のアメリカが(現代のアメリカのことである)受け継ぐのは戦後のヨーロッパのように「灰だけだ」と言 うことになる。
ずいぶん、厳しい言葉だが、この本を読んでみると、この題名に納得がいく。
私たちは、CIAというと、大変に優れた諜報機関で、全世界にスパイ網を持ち、世界中の情報を収集し、と同時にアメリカにとって邪魔な国を倒すための陰謀を巧みに企んできた恐ろしくもあり強力な存在だと思ってきた。
ところが、この 「Legacy of Ashes」では、如何にCIAが無能で、情報機関としても陰謀機関としても、大きな失敗ばかり重ねてきたか暴いているのだ。
例えば、
1. 自発的にCIAのスパイになってくれたソ連での人々を、CIAがわのソ連のスパイが密告して全員殺された。
2. レーガン大統領の時に、イランに武器を売り付け其の代金を中東で使うというイラン・コントラ事件が起こって、CIAも、中東での関係もめちゃくちゃにして しまった。
3. 恐ろしく情報能力が低下して、ソ連の軍事能力を過信し、アフガニスタンに武器を大量に提供してソ連のアフガン侵攻を阻止しソ連を崩壊させる一助となったの はいいが、其の大量の武器が今アメリカを困らせている。
4. 大統領がCIAを信じないし、CIAも大統領を喜ばせることしか伝えない。CIAは大統領に嘘をつくのである。
5. イラク戦争の時も、CIAは大量破壊兵器があると強調して戦争を始めたが、結局、全て偽の情報でイラクに大量破壊兵器はなかった。
6. CIAの組織力はくずれ、世界中にいるCIAの人間は、ニューヨークのFBIの職員の数より少ない。
7. 2004年にブッシュ大統領は、CIAのしていることは「just guessing」だといった。
「guess」とは推量とか、あて推量で言い当てる、と言う意味だ。
要するに、CIAは「事実に基づいた判断ではなく、勝手に思いこみで言っているんだろう」、とブッシュは言ったのだ。
これは、「Political death sentence(政治的死刑宣告)」だとワイナーは書いている。
こんなことを今までに言った大統領はいない。
1. 2005年に中央情報長官の職が廃止されたことでCIAがアメリカの政治の中心で果たしてきて役割は終わった。
2. アメリカは、情報機関を立て直さなければならないが、遺産として目の前にあるは「Ashes」である。
というのが、ワイナーのこの本に書いてあることだ。

実に恐ろしいくらい、愚かな失敗をCIAは繰返している。
CIAと言えば泣く子も黙る恐ろしい存在だと思い込んでいた私など、それじゃ、幽霊と思ってススキにおびえていたのか、と愕然となった。
今まで、CIAとソ連の諜報機関との戦いを描いていたハリウッド製のスパイ映画は何だったのと言うことにもなる。

なお、ワイナーによれば、ここに書いたものは、CIA、ホワイト・ハウス、連邦政府の55000以上の文書、 2000以上の、アメリカ情報機 関担当員、兵士たち、外交官たち、のオーラル・ヒストリー(自分の歴史的体験を口述したもの)、そして、1987年以来行われた、300以上の、 CIAの職員、退役職員、(その中には10人の元長官も含まれている)に対して行われたインタビューを元にしている。
この文書は、全て実名の情報に基いている。出所を明らかにしない引用、匿名の情報、噂話の類は一切用いていない。
この本はCIAの真実の全てを書いたものとは言えないかも知れないが、ここに書かれたことは全て真実である、とワイナーは述べている。
さて、改めて言うが、この本を読んで、私はCIAがこれ程までに無能な機関であり、ここまで数々失敗を重ねてきたひどい政府機関であることを 知って驚いた。
そして、一番驚いたのは、この駄目機関であるCIAがただ一つ成功した例があることである。
それは、ああ、なんと、この日本という国の支配なのである。

これまでCIAと言えば、冷徹無比な恐るべき切れ者たちの集団だと思わされてきた。ところが、何のことはない。CIAは失敗だらけの無能集団にすぎない。
実際、CIAでは嘘の報告や機密情報の捏造が横行しているという。言い訳・ゴマカシ・隠蔽によってCIAも指揮系統が崩壊しつつあることが伺える。「隠蔽・言い訳・誤魔化しの横行によって崩壊する私権体制」という時代の潮流からは、CIAも逃れることはできないのだ。
ルネサンス以来、金貸しは数万人に1人の才能を発掘してはエリートとして養成し、諜報機関や司法機関、官僚機構や議会、中央銀行や大学・マスコミといった支配機構の中枢に据えてきた。つまり、エリートとは金貸し支配の尖兵であり、その代表が米のトップエリートの集まりであるCIAである。
そのCIAのエリートたちがトコトンまで無能化しているということは、エリート支配という金貸し支配の中核が崩壊しつつあることを示唆している。

次回は、この問題を扱う。

List    投稿者 staff | 2014-02-16 | Posted in 08.近現代史と金貸しNo Comments » 

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