2009年01月21日

国際金融機関はどうなる?』8.国際金融機関が設立される前夜: 「お金」が登場したのは、なんで?

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(画像は、「Coolog 児玉真澄的CoolなWeblog」さんより引用させていただきました)
ここまで、IMF、世界銀行の国際金融機関の「設立目的」そして「何をやってきたのか?」を見てきました。
今回は今後を考えるうえでも少し視点を変えて、国際金融機関の元となる「お金」に焦点を当ててみます。
これまで何をするにもお金がかかり、誰もがお金を常に意識して優先して生活してきました。
しかし、そもそも、なぜ当然のように第一価値に扱われる「お金」が登場したのだろう?
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Q.「お金」が登場したのはなんで?
考えてみれば、何をするにもお金のやり取りが発生する今の市場社会といえども、家庭のなかでの生活ではいちいちお金のやり取りは通常発生しない。
それはなぜか?
それはその親密な「対面共認の関係」のなかで互いに共有することを共認出来ているからである。
それが家庭を出て対面共認を超えた社会という次元になると、そこには各個人や家庭や企業などのバラバラの単位で、市場社会の中で私有をめぐる争い・取引が発生する。
その醜い争い・取引を秩序化して統合するためには、その争いに参加する全員に評価共認された指標が必要になる。
そのため、市場社会を秩序化して社会を統合するために、「お金」という社会で評価共認されたものが必要になったのである。
一方、近代以前の中世封建社会においては、国家が力の序列原理により「身分」を評価指標とした「官僚システム」で秩序化安定しているため、富は権力者に一方向に集中する構造になり、お金(貨幣)は社会統合上の評価指標としては不要な存在になる。
それが近代以降の国際関係の取引になると、国家間では力の序列統合がしきれなくなる。また、相手国の不確定な信用という要素の関係で、かつ1対1の国家間を超えて多国間が混在した取引関係になる。
そのため国際市場の秩序のために、「身分」という評価指標を超え、万国に共通する評価指標となる現物が必要となり登場する。
それが『金(ゴールド)』である。
数値化・希少性・流通性・備蓄性・耐久性の面から、金が評価指標値の役割として共認され、国家間の取引関係は、金(もしくは銀)によって行われるようになった。
そして、「金(ゴールド)」という評価指標に基ずく「中央銀行をはじめとする銀行システム」によって市場社会は秩序化し統合された。
そして、金(ゴールド)と交換できることを前提としたシステムとして、金の預り証から“紙幣”が登場する。
封建・君主制が崩れ万人に私権獲得の可能性が開かれた時代=近大市場の幕開けから、世界初の基軸通貨となる「ポンド」そして「ドル」が登場するが、いずれも国際間の市場社会を秩序化=統合する役割として、国際間の取引の基軸紙幣となりえたのである。
貨幣の起源は近代以前も存在したが、それは力の序列原理による「身分」という統合指標のもとでの補助指標として存在しているにすぎない。
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ここまで見てきたように、お金=貨幣とは、万人に私権獲得の可能性が開かれた近世・近代以降に、対面共認はもとより集団を超えた市場社会を秩序化=統合するために、人々が共認する『評価指標価値』の役割をもって登場した。
そしてこのように見ていくと、国内であれ国際間であれ市場の場において最も重要なのは、金(ゴールド)なりお金というそのもの自体がもっている価値というよりも、市場社会を秩序化・統合するために共認することを可能とする評価指標値に基づく金融・市場システムであることも見えてくる。
(極端に言えば、金(ゴールド)でなくても、数字に何らかの単位を付けて、それを評価指標値と市場の住人が共認すれば、その評価指標値にもとづく金融システムをつくれば、市場社会は秩序化し統合される)
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米国発金融危機を受けて、戦後の国際市場社会を秩序化=統合してきた評価指標価値およびシステムの「ドル紙幣による基軸通貨体制」が崩壊しかけている。
そしてG20などの動きが出てきたが、今後、『金貸し規制』に向けた新たな国際金融の秩序化のために、新たな評価指標値となる各国の貨幣の交換レート(為替)を決める『基準通貨』『その通貨による新たな市場のシステムづくり』が世界的に不可欠の課題になるだろう。
そのために、このシリーズでここまで国際間取引の通貨システムを仕切ってきた国際金融機関が、どういうもので、何をしてきたか?を見てきました。
そして今後どうなっていくのか?を追求するには、近代以降の「お金」と「金融システム」の歴史の理解無しにははじまらない。
そこで、引き続き、
金を評価指標とした『金兌換』を前提とするこれまでの『金本位制』の変遷を中心に、①大恐慌、②第二次大戦、③大戦後の国際金融機関(IMF、世銀)が設立されたブレトンウッズ体制、④ニクソンショックからの変動相場制、の各時代を節目にして、国際金融状況を抑えてみます。
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List    投稿者 kirin | 2009-01-21 | Posted in 08.近現代史と金貸し4 Comments » 

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コメント4件

 willow | 2009.05.21 18:02

地デジへの以降と環境破壊・人体破壊にこんな繋がりもあったんですね。なるほどでした。

 shelling | 2009.05.26 18:48

☆willowさん
コメントありがとうございます。
地デジは人の作り出した技術です。
人が作り出すものには、必ず一長一短あります。
昔から今に至るまで、様々な技術が生み出されてきましたが、そのどれにも短所(問題点)はあるはずなのに、誰もがそれには目を瞑って、長所ばかり取り上げて来た為に、現在のように問題が山積みになってしまったのではないでしょうか。
物事の負の側面にも目を向けていく必要がありそうです。

 アナログマ | 2009.05.28 20:03

デジタル放送の利点として、視聴者が何を観ているかを押さえることができ、NHKなどは受信料未納対策として有効だという話しもあるようです。

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