2021年03月09日

5500年前、イラン高原で最初の戦争(略奪闘争)が勃発

この間実現塾で戦争や国家の起源について追求が進んでいますが、2011年2月6日なんでや劇場 で、具体的な発生過程について追求があり、その議事録がるいネット過去投稿にありましたので掲載します。

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【資料】
①「■コーカソイドの部族移動」図解リンク
②「■Y染色体亜型の世界的分布」地図リンク

【参考】
「ギリシア~ローマ史まとめ① 8000年前~4000年前 略奪戦争の勃発、クレタ文明の登場」245313

●印欧語族がいつ、どこに姿を現したのか?

Y染色体亜型分析による説では、印欧語族Rはロシア南部に6400年前に登場したということになっているが、これは事実か?(Y染色体亜型分析がミトコンドリアDNA解析に代わって民族の起源を調べる最有力な方法になっているが、分子時計法による分岐年代推定は、かなりの誤差(説によって3~5倍もの開き)が見られるので、当てにならない)

その前提で、印欧語族の登場を仮説化すると、次のようになる。

この地域(コーカサスからロシア南部)の特殊性は、北緯35度以上では温暖化に伴って乾燥化し、寒冷化に伴って湿潤化するということ。
従って、コーカサスからロシア南部は6400年前の温暖期にはステップが北上してゆく。5700年前寒冷化に伴ってコーカサスは湿潤化し、人口が集中する。コーカサス語族Gやセム族Jをはじめとする様々な部族が集中したはずであるが、その中に5500年前、印欧語族Rが登場する。つまり、コーカサス語族Gやセム族Jが占拠してきたコーカサス地方に、後から印欧語族Rがやってきたわけである。

そこでの主要な生産様式は農耕(+牧畜)であるが、人口集中にもかかわらず農耕地は限られている。当然、はみ出される部族が登場し四散することになる。特に、東のイラン方面や南のメソポタミアに向かった部族が多かっただろう。イラン高原やメソポタミアは元々からセム族が支配している。

ここでの焦点は、人類最初の戦争は、いつどこで起こったのか? コーカサスか?メソポタミアか?イラン高原か?

コーカサスにやってきた部族はそれまで部族(=共同体)として生きてきた。それが食糧危機で移動しなければならなかったとしても、いきなり戦争にはならない。それまで人類は共同体として生きてきて戦争をしたことがないのである。そこには人類同士が殺しあってはならないというタブーが働いていた。従って、戦争が起きるにはそのタブーを突き抜ける強力な圧力が必要である。

結論から言えば、人類最初の戦争はイラン高原で起こったと考えられる。

前提条件として、メソポタミア・コーカサス・アナトリアの生産様式は農耕が中心で一部牧畜である。それに対して、イラン高原は遊牧がほとんどで、一部オアシス農耕が行われている。

農耕と遊牧では土着に対する決定的な違いがある。
農耕では食糧が減ってもギリギリまで土地にへばりついて動かないのに対して、遊牧は簡単に移動する。故に、農耕部族同士の戦争は起こりにくく、従って、遊牧部族が農耕部族を攻撃したのが戦争の始まりだろう。
但し、黄河や長江もそうだが、チグリス川などの大河の周辺では大量の農民が暮らしているのに対して、遊牧部族は少数なので簡単には攻撃できない。一度は成功したとしても次は叩き潰される。

ところがイラン高原では、農民は少数のオアシス農耕民だけである。そのオアシスに遊牧部族が集中してきたに違いない。まだ戦争(殺し合い)のタブーが働いているので、すぐには戦争は起こらないが、睨み合いになるのは必然である。その間に次々と遊牧部族がやってくる。そして、食糧危機が限界に達し、飢え死寸前まで追い詰められた部族から突撃が始まる。それを見た周辺部族も突撃を開始し、皆殺し戦争が始まる。これが人類最初の戦争の起源である。

ここで重要なことは、誰が勝っても誰が敗けても、殺し合いから逃げ延びて略奪集団(山賊・泥棒)に転じた者たちが大量に発生したことである。
彼らは元々遊牧なので簡単に移動する。わずか10~30年間で、略奪集団がメソポタミア・コーカサス・アナトリアへと拡散する。山賊や泥棒集団が周辺をウロウロするということであり、中東全体に緊張圧力が働くことになる(当時シュメールに作られた物見櫓は、この略奪集団に備えたものである)。こうして、5500年前のイラン高原での最初の略奪闘争(戦争)をきっかけとして、略奪集団と緊張圧力が中東全体に伝播した。

この略奪集団の襲撃を受けた後では、シュメールでも都市国家間の争いが戦争に発展するのは当然である。こうしてシュメールでも城壁都市が作られるようになる。

List    投稿者 nihon | 2021-03-09 | Posted in 16.国家の支配構造No Comments » 

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