2008年05月27日

国際金融資本が国家を戦争に誘導する

近代政治において最初に世論操作をおこない、且つ大きな成果を上げた事例として知られているのは1916年に「勝利なしの平和」を綱領に掲げて大統領に就任したウィルソン政権であり、
一次世界大戦前、平和主義だった国民を、何と6カ月後にはドイツ人をバラバラに引き裂き、参戦によって世界救済を願う病的なまでの主戦論者に変えたのである。
その成功した世論操作の中核を担ったのが、ウィルソン政権が設立したクリール委員会で、その委員会の一人が、米国人ジャーナリストの最高峰と言われた、評論家でもあったウォルター・リップマンである。
そのウォルター・リップマンの著作『世論』public opnionを取り上げた記事のなかに興味深い部分があったので紹介します。
それは「世論操作」の中身もさることながら、リップマンなどの知識人やマスコミと英米の国際金融資本と関係を述べたくだりである。

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●ウォルター・リップマン『世論』public opnionの核心部分
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以下引用・・・・・・・・・・

ウォルター・リップマンの作品『世論』と対になっているのが、リップマンと同じく「第一次世界大戦時のアメリカの世論対策」を担当した、クリール委員会のメンバーで1995年に亡くなったエドワード・バーネイズの『プロパガンダ』(1928年)である。リップマンの本は1922年に刊行されている。

リップマンとバーネイズは、「優れたエリートが無知な大衆を正しい方向に誘導してあげるためには適切な世論操作が必要だ」という信念の持ち主だったらしい。
バーネイズについては、あまり一般人は知らず、著作の翻訳も皆無であるが、スチュアート・ユーエンというバーネイズにインタビューを行った社会心理学者によると、広告業界のドンというべき人物らしい。しかも、この人物は心理学者のフロイトの甥っ子に当たる人物である。

上に引用した文章を踏まえた上で、リップマンの「世論」を上巻から読み返してみると、彼が述べているプロパガンダについての話もろもろは彼自身がクリール委員会が行った世論操作について述べているのではないかと思えてくる。これは暴露本でもあり、プロパガンダの指南書でもある。同じようなことをチョムスキーも言っているようである。
キャロル・キグリー教授もリップマンと彼が編集長を務めたこともある「ニューリパブリック」誌について、英米の国際金融資本と関係が深い「ラウンドテーブル」組織との関係を踏まえながら次のように述べている

(引用開始)
『ニューリパブリック』誌は、ウィルラード・ストレイトとドロシー・ストレイトによって1914年に創刊された雑誌である。そして、この雑誌は1953年に到るまで、彼女(ドロシー)の資金的な援助を受けてきた。この雑誌(新聞)を創刊することとなった当初の目的は、進歩的な左派に意見の発表の場を与えると同時に、彼らを知らず知らずのうちにイギリス支持(an Anglophile)の方向に誘導していくという目的があった。

後者の仕事は、ハーヴァード大学を出てまだ4年しか経っていない若造であるにも関わらず、既に謎めいた組織である「ラウンドテーブル」のメンバーであったある人物に与えられた。(このラウンドテーブルという組織は、この組織が1909年に正式に発足して以来、イギリスの外交政策を動かす上で非常に大きな役割を果たしてきた。)

この新しく雇われた人物の名前はウォルター・リップマンという。彼は1914年から現在(注:1963年)に到るまで、大西洋の両岸のエスタブリッシュメントの面々にとっては、外交政策を論ずる上でアメリカの報道界の代表的な立場を代弁するスポークスマンであった。
彼が隔週書くコラムは、「ニューヨークヘラルドトリビューン」紙のために書かれているのだが、これは数百のアメリカの新聞に掲載されている。このニューヨーク・ヘラルドトリビューンの社主が、JH・ホイットニーである。

リップマンが、まだ20歳代の若造でありながら、ウィルソンの「14箇条の原則」が何を意味するのかをイギリス政府に対して解説する役割を担うことになったのは、これらのウォール街とラウンドテーブルの間の関係があったからだった。
キャロル・キグリー『悲劇と希望』(939頁、訳は拙訳による)
(引用終わり)

リップマンという人物の表と裏を理解することはアメリカのプロパガンダの歴史を理解することに繋がるのである

・・・・・・・・・・以上引用
まとめると、
・英米の国際金融資本(記事には書かれていないがロスチャイルドであろう)が造った組織が「ラウンドテーブル」で、1909年に正式に発足して以来、影でアメリカ政府を動かし、イギリスの外交政策などに非常に大きな役割を果たしてきた、ということが読み取れる。
・この組織を媒介にして、『ニューリパブリック』誌等の刊行や、ウイルソン政権の第一次世界大戦時の世論対策を担当した、クリール委員会への協力を行った。(ウイルソン大統領が後の回想のなかで参戦への後悔をしているのを見ると、委員会そのものの設立も国際金融資本が主に担い、大統領に勧めたのではないか)。
クルーリ委員会に送り込んだ人物の一人が「ラウンドテーブル」のメンバーのリップマンで、リップマンは知識人であり、且つジャーナリストとして、その後の世論誘導に大きな影響力を発揮するのに適任者だったようだ。
・国際金融資本が国家を大戦に参戦するように誘導したのはなにより、彼らの最大の目的、金儲けの為である。
・第一次大戦前後には既に国家を動かすには世論誘導が不可欠の時代になりつつあることを国際金融資本の彼らは、認識しており、その為に知識人とマスコミを利用して、国家を大戦に誘導することに成功したのである。
・彼らの目的の為に知識人とマスコミを利用して国家を動かしたり、世論誘導するという構造は現在も基本的に変わっていないことを私たちは確り理解することが重要である。
・また記事のなかに「リップマンと同じ、クリール委員会のメンバーで『プロパガンダ』の著者エドワード・バーネイズは広告業界のドンというべき人物で、しかも、この人物は心理学者のフロイトの甥っ子に当たる人物である。」というくだりがある。
そこから推察されるのは、近代思想の祖と言われるフロイトやその縁戚の人物達のパトロンとして国際金融資本の彼らが、彼らの目的の為に近代思想をも作らせたのではという、以前このブログでhougou氏が展開されていた記事を思い出させ、興味深い。

List    投稿者 tabtab | 2008-05-27 | Posted in 08.近現代史と金貸し2 Comments » 

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コメント2件

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