2008年12月25日

『国際金融機関どうなる?』7.国際金融機関は何をやってきたか?(世銀編)~世界銀行は借金地獄への水先案内人~

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メリークリスマス
クリスマス本番、みなさまいかがお過ごしですか
今日はあさおかGのクリスマス記事第2弾、世銀編です
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第二次世界大戦後の1946年、世界にドルをばら撒くため世界銀行が作られました。『国際金融機関どうなる?』2.国際金融機関設立の目的 ~世界銀行はドルを世界にばら撒く為に作られた~
今回は、世界銀行はこれまで何をしてきたのか?具体的に見ていきたいと思います :roll:
まず、世界銀行とは5つの機関から成っていて、「世界銀行」はその総称として使われています。
国債復興開発銀行(IBRD)リンク
世界銀行グループの中で最も歴史が長く、中所得国および信用力のある貧困国に融資
国際開発協会(IDA)リンク
途上国のなかでも特に貧しい国々を支援するため設立された。無利子で貸出機関は35~40年。
国際金融公社(IFC)リンク
途上国の民間セクターの活動を支援することにより、途上国の経済開発を促進することを目的とする
多数国投資保証機関(MIGA)リンク
投資家が途上国に投資を行う際の非商業リスクを保障することで、途上国に対する外国直接投資を促進。
国際投資紛争センター(ICSID)リンク
国際投資紛争の調停と仲裁を行う場を提供することで、外国投資の促進に貢献。
   
1946年、世界銀行はその業務を開始しますが、リンクの通り、役割をマーシャルプランに取って変わられ、1960年代には設立の目的だったヨーロッパの復興もすっかり終わり、初めの20数年間は思うように融資額が伸びませんでした
ところが、1968年マクナマラが総裁に就任してから、融資額が激増
それまでの22年間で合計708プロジェクトに107億ドルの融資に止まっていたのが、マクナマラが就任してたった5年間でなんと 、760プロジェクトに134億ドルの融資を行い、世界銀行の影響力は絶大なものになっていくのです
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●マクナマラ就任以前と以降で何が変わった?
設立から25年間は、経済成長を刺激するインフラ整備への融資に費やされ、融資対象は日本、イタリア、フランス、オランダなど、高・中所得国 がほとんどでした。
ところが、マクナマラはその融資構成を大きく変化させ、「開発」という政治的戦略のもと、貧困国にターゲットを絞るようになります
アメリカでは1943年、「食料を制したものは世界を制する 」という考えに基づき、ロックフェラー財団による研究機関で、食糧戦略の一環として効率の高い農法の研究に着手。そこで、小麦やトウモロコシ、稲などの新品種が次々と開発されます
メキシコでは1950年代小麦の自給を達成。1960年代にはフィリピン、インド、パキスタンなどへ広まっていくのですが、マクナマラはこれに目をつけたのです
1968年、マクナマラが世界銀行に就任した年、このプロジェクトは「緑の革命 」と命名され、「開発」という名のもと、世界銀行がその普及と融資に力を入れはじめます。
●世界銀行の手法
ヨーロッパ復興から貧困国への融資へと対象が変わったため、世界銀行は新たにIDAを設立し、どこもお金を貸してくれないような最貧国へも無利子で貸付を行えるように制度を整えます。
融資は無利子ですが、いったん融資を受けるとそこから先には借金地獄が待ち受けています
途上国は輸送手段と販路を既に握られているので、先進国のように世界各地へと売りさばくことができません。貿易で豊かになろうと思えば一次産品の輸出を続けるしかなく、「緑の革命」を受け入れ、各国が競って輸出したため、価格が暴落します。そこで、途上国は再び融資を受けるのですが、その際に、借金返済のための構造調整プログラムを受け入れることを条件とされ、債務国は自国の経営権を失うことになります。
構造調整プログラムとは次のようなものです。
・国営企業の民営化
・各種規制緩和を始めとする、金融、投資、貿易の自由化
・医療、教育、福祉、保険、環境整備予算の削減。あるいは公務員の解雇、賃下げ。
・生産性や外貨を向上させる産業の促進
・高金利や通貨切り下げ
・付加価値税などの増税
つまり、
利益をあげられる公的部門は売却してその収入で借金を返済させる。
増税 して国民からお金を集め借金を返済させる
公的サービスを切り詰めて借金を返済させる。
自国民が食べるものを作らせるのもやめさせ、外貨を稼げる換金作物を作らせ、それを外国に売って借金を返済させる。債務の返済はドル・ユーロ・ポンド・円など国際市場で他国の通貨と自由に交換できる強い通貨で行わなければならないので、外貨獲得のため、唯一外貨を稼げる一次産品を生産・販売することになります。
そうすると、さらに価格は暴落。それでも借金は返済しないといけないので、ダンピングして輸出。こうして、食べ物を作っているのにも関わらず、「飢餓輸出 」と言われる現象が起こるのです。
通貨の価値を下げることで貿易黒字にし、借金を返済させる。しかし、通貨を切り下げると自動的に借金は膨らみ、途上国は借金地獄へと落ちていくことになるのです
そして、規制を緩和して、多国籍企業が参入しやすい環境を整える
世界銀行グループのひとつ、IFCは、現地企業への融資を行うが、例えば民営化された事業へ融資する。しかし、多くは現地に参入したアメリカ企業への融資となるので、そのお金はアメリカ企業へと吸い込まれていくことになるのです :evil:
●世界銀行のしてきた悪徳プロジェクト例
緑の革命
緑の革命とは、HYV種(高収量品種)の導入、灌漑施設の整備、病害虫の防除技術の向上、農作業の機械化などで穀物の生産性を飛躍的に向上させ、後進国を貧困から救おう、というプロジェクト。
しかし、実際は、緑の革命が広まれば広まるほど貧困は増え続け、途上国は新自由主義の市場へと飲み込まれていきます。緑の革命は初めから、貧困国からの冨の搾取を目的としていたのです。
HYV種を導入するためにはまず、ダム整備や道路整備、農業機械の購入などのインフラ整備に莫大な資金がかかります。
そして、HYV種を導入しても、HYV種は一代限りで種取りができないように遺伝子が組みかえられているので、次年度はまた新たに種を購入しなければならない。それに化学肥料と水、農薬を大量に必要とするので、土壌が汚染され、収量を確保するため、常に化学肥料を購入し、投入し続けなければいけなくなる、という悪循環が初めから用意されているのです。(これによって、種・科学肥料・農薬を販売するカーギルとモンサント、インフラ整備を請け負うベクテル等、アメリカ企業が大儲け!)
収量が上がるのは数年だけで、次第に塩害で畑は使い物にならなくなり、残るのは借金だけ。経済支援の名の下に貧困と死者が増加していきます。
ボリビアのコチャバンバ水紛争
1999年、ボリビアのコチャバンバ市の上下水道事業が世界銀行によって民営化され、アメリカ企業のベクテル社が取得した。ベクテル社は水道料金を一気に2~3倍に値上げし、貧しい庶民は生活費の1/4を水道代の支払にあてないといけないようになってしまった。
当然値下げ要求のデモが起こるが、ベクテル社との契約を守るため、ボリビア政府は軍隊を出動させ、死者や数百人の重症者を出すが暴動は収まらない。結局2000年4月にベクテル社は撤退した。
ところが、世界銀行の機関「投資紛争解決国際センター」は、ボリビア政府に対してベクテル社が受けるはずだった利益の賠償として2500万ドルの支払をするように請求をした。
このように、世界銀行は「無利子」という甘い誘いを入口に、飢餓の拡大や貧困という悪行を行っているのです。
まさに“借金地獄への水先案内人”なのです
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~参考図書~
『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った』 安倍芳裕著
『緑の帝国』 マイケル・ゴールドマン著(山口富子訳)

List    投稿者 pingu | 2008-12-25 | Posted in 08.近現代史と金貸し4 Comments » 

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コメント4件

 しのぶ | 2009.04.17 14:12

3と4は明らかにヤバそうですね~。。
1と2は、このままじゃダメだけど、考え方としては使えそうって感じなのかな?
新しい通貨制度を考えるということなので、細かくなりがちですが、シンプルかつ緻密な制度を期待しています★

 匿名 | 2009.04.19 1:47

>しのぶさん
コメントありがとうございます☆
これから②の購買力平価説について、もう少し細かく追求していく”かも^^”なので、また気づきがあったら記事にしますね☆

 のりか | 2009.04.22 0:09

投機市場って、『期待』収益率とか、為替『心理』説とか、実態の見えないところで、売買してるんですね。
不安定に変動する理由もわかりますね。。

 ぴんぐ~ | 2009.04.25 4:02

>のりかさん
コメントありがとうございます♪
そうなんです!投機市場のせいで為替は不安定なものになってしまってるんです。
正常な為替相場を実現させるためにはどういった制度がいいのか?これからも追求していきたいと思うので、応援よろしくお願いします♪

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