2008年05月31日

The Gold price control/3

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ロスチャイルドが長期にわたって金の価格を抑制してきた理由は何か?
また、2000年以降に価格引き上げに転換した理由は何か?
2004年以降に金の取引業務から撤退し、暴騰を誘導した理由はなにか?(前回は、こちら
 
 
過去の長期に渡る金価格の抑制理由としては、
 
・価格を低く抑えることで金の集積を進める(金保有を高める)
・ドルの価値を相対的に高めることで基軸通貨の安定を図る
・金鉱産業を赤字に追い込むことで乗っ取りを謀り、寡占化を進める
 
ということが考えられます。

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このあたりの参考記事を紹介します。

今後の金の価額はどうなるか-なぜ金は下がりつづけ、その後上昇に転じたのか-
 1971年8月迄の金本位制だったとき金の価格は1オンス35ドルと固定されていた。アメリカでは個人の金保有と売買を禁止して、非常に安く金価格を固定していたのだ。もし金の値段が高ければ競ってドルは金に交換されてしまう。金との交換を防ぐため意図的に安値に固定する必要があった。
 
 しかしそれでも世界の投資家の間には金本位制廃止の不安が広まり金の流出が続き、ついにアメリカ政府の金保有量はかつての22,500トンから1971年には8,880トンに6割も減少してしまう。これではドルの発行が続けられない恐れがある。金本位制廃止は当然だ。
 
 だが実際に金の自由化が決まったのは3年後の1974年12月である。この時初めて「国民の金所有の自由化と、ニューヨーク金先物市場開設」が認可された。この後金は暴騰し1980年には1オンス最高850ドル(1㎏換算2,730ドル)を記録する。金が長く低価に抑えられていたこともあるが、一番大きな原因は新しく発行された紙きれであるドルへの不信感であろう。
 
 しかし不思議なことにその後20年間金価格は一貫して下がり続け1999年には1/3以下の250ドルまで値下がりする。ドルが紙きれとなり、莫大なドルの増刷りによりインフレ化が進んだドル20年間に金ほど値下がりしたものはない。この原因については諸説さまざまであるが、私は常識的に次のように考える。
 
 紙きれであるドルを基軸通貨として流通することに成功したアメリカは厖大な富を手に入れることができた(紙きれで世界中からあらゆるモノを収奪できた)。この利益を存続させるためにはドル紙幣を金貨幣に対して圧倒的に優位に立たさなければならない。
 このため金の価額の引下げにあらゆる努力をしてきた。欧米の銀行は金の価額が上がりだすとイングランド銀行やスイス中央銀行の金売却などあらゆる方法で金の価額を押え込んだ。ドル紙幣こそ基軸通貨である。金はその地位を失ったと宣伝する戦略が当然働いたこと。
 二点目は金価格を抑え込むことにより、金鉱産業を赤字に追い込み、欧米資本が南アフリカなどの金鉱株の買い占めに成功したことである。これらを立証する不気味な動きがある。
金価格の下落の中でアメリカは必死で金の保有量の増加に努めている。全世界の金の産出量は1980年~12年間に1.74倍であるが、アメリカは金鉱に厖大な投資を行い、この間の産出量は11倍に達している。
 アメリカ政府の金の保有量は(IMFを含めて)この20年間著しく増大した。
 これが金価額が一時暴騰し、その後20年間下がり続けた原因であろう。
(後略)

 
今までにアメリカが金の保有高を高めてきたとは良くいわれることなのですが、金取引の実態はオープンにされておらず、実態が掴みづらいことになっています。それでも、各国公的機関の金保有量のデータがいくつかあるのでその一つを紹介します。
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このデータではアメリカ+IMFがダントツに見えますが、ユーロ加盟国+ECBを合わせるとこれも相当なものになってます。このデータは2004年のものですが、あくまで公的機関に限られていることに注意して下さい。(それ以外は、ほとんど闇の中・・・)
 
 
さて、最近の金価格の変動を押さえる上で重要なのは、ワシントン協定。1999年の第1次協定と2004年の第2次協定があります。ワシントン協定(ワシントン合意)の概要は以下を参照下さい。
 

ワシントン合意とは、1999年9月に欧州中央銀行(ECB)と11のEU加盟国、スウエーデン、スイス、イギリスの合計15の中央銀行が金価格持続のために合意したものである。
 
1.金は国際金融において準備資産として重要な要素である
2.参加中央銀行は、すぐに予定しているものを除き、売り手として市場に参加しない。
3.今後5年間にわたり、年間の金の売却量は400トンを超えず、合計2000トン以内とする。
4.鉱山会社などへの金の貸出を制限する
 
といったもの。
 
イギリスの中央銀行による「金売却計画」により、1999年の夏以降、金価格は大きく乱降下したが、ワシントン合意で市場が上昇基調に転じ、各社一斉にヘッジ売りを見直す動きに出た。
財政難に苦しむ国が多い中、売却に一定の歯止めをかけないと金価格や準備資産への影響が大きいと判断して、2004年3月8日に欧州中央銀行(ECB)は、
 
1.保有金の売却量を定めた「ワシントン協定」を2004年9月から5年間、延長すること。
2.今後5年間にわたり、年間の金の売却量は500トンを超えず、合計2500トン以内とする。
3.参加国は英国が抜けた代わりにギリシャが加わる。
 
と、第2次協定に更新した。

金価格持続を目的としたワシントン協定・・・結果は大暴騰。
現在も継続するワシントン協定によって、取引量が制限されているところに資金が集中することで暴騰に拍車がかかっているのだろうが、この暴騰も仕組まれたものなのだろう。
 
一説には、ロックフェラーがロスチャイルドから金市場(金支配権)を奪ったとの分析もある。
アメリカ・ロックフェラー系による金市場支配
「ニクソン・ショック」から37年、再び「金本位制」復帰を狙うアメリカの「ドル再興戦略」 
 
 
さて、事実はどこにあるのか・・・
 
 
by コスモス

List    投稿者 cosmos | 2008-05-31 | Posted in 08.近現代史と金貸し3 Comments » 

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コメント3件

 ハズレ社会人 | 2008.09.18 8:20

FRBのモラルハザードとサブプライム問題欧州波及

オツカレです。
まさにサブプライムは滅びの呪文
である。
ニューヨークタイムズで分かりやすく表されている。
A Year of Heav…

 6kn | 2008.09.18 10:49

早く手を引くのが一番か、株から
年内一杯は大丈夫と思っていたが、現金比率を8割以上にして
暴落に備えよか(中々出来ないのが世の常、株式市場もギャンブル依存症のヒトは
やらないほうが身のため?)
副島さんの予想より早まるようですね。
金だろうね田中貴金属オンラインもあるし、 外貨預金も豪州、ユーロあたりか?

 晴耕雨読 | 2008.09.23 5:32

米国の「デフォルト宣言」→新世界通貨体制

『“戦後世界”は終焉を迎えている』
の末尾に書いた「世界中央銀行」創設に至る過程をまとめたものです。
あくまでも“妄想”ですので、そのへんのご理解をい…

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