2014年08月02日

脱グローバリズムの可能性をロシアに探る① 「近代金貸しに翻弄され虐げられてきたロシア」

前回プロローグhttp://blog.nihon-syakai.net/blog/2014/07/3688.html でお伝えしたとおり、今回はロシアとグローバリスト(金貸し)との戦いの歴史を振り返ってみる。

現在、ウクライナ問題等をめぐり西側諸国との政治的(軍事的)攻防を繰り広げているロシアであるが、その背後では国際金融資本が暗躍していると言われている。しかしロシアを舞台とした国際金融資本(金貸し)の暗躍は実は今に始まったことではない。

金貸しの真の狙いは国家からの収奪であり、ロシアではわずか100年余りの間に金貸し主導によって、帝政(ロマノフ王朝)の打倒、社会主義体制の構築とその崩壊を通じて、収奪が繰り広げられてきた。

今回の記事では、近代以降金貸しに翻弄されてきたロシアの歴史を、過去記事から、抜粋しふり返ってみる。

ロシア革命

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ロシアの南下政策と当時イギリス(ロスチャイルド)の影響下にあったトルコへの介入(クリミア戦争)を契機として、ロスチャイルドのロシア参入(支配)が顕在化していく。同時に、ロスチャイルド傘下にあったロックフェラーが独立性を高め、ロシアへ独自に食い込んでいく。

当初ロスチャイルドによって後押しされたシベリア鉄道でったが、ロスチャイルドとロックフェラーそしてロシア財閥の三つ巴の主導権争いが繰り広げられることになる。

 

世界の運命は中央アジアが握る! ロシア編②~ユーラシアを貫く交易路として、国際金融資本家の思惑が渦巻くロシア
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2012/06/002289.html

・南下政策が失敗に終わったロシアは独自のユーラシア大陸交易路の確立を目指す。それがフランスロスチャイルドの支援の元で実現した、シベリア横断鉄道である。
・シベリア横断鉄道の開通と近代化に伴い、ロシア商人も富を拡大し財閥化していく。この結果、シベリア鉄道を後押ししたロスチャイルド家とロシア財閥の勢力争いが先鋭化。
・ロスチャイルドはロシアの対抗馬として日本を育成。その介あって日露戦争は日本の勝利(ロシアの敗北)に終わる。
・日露とも戦争を継続する力は残っておらず、そこを狙ってアメリカが仲介を買ってでる(ポーツマス講和)。
・ちょうどそのとき、ロスチャイルドから独立性を高めつつあった、ロックフェラー系財閥のハリマンが、南満州鉄道の日米共同経営の話し合い目的で来日。鉄道王と言われたハリマンは世界一周鉄道網を目指しており、南満州鉄道とシベリア横断鉄道を繋いで、アジア大陸横断鉄道を構想していた。
・この結果ユーラシア大陸を東西に結ぶ交易ルートとなった、シベリア横断鉄道を巡って、ロシア財閥、ロスチャイルド財閥、ロックフェラー財閥の三つ巴の主導権争いが勃発する事になる。

 

一般的には、「労働者発のロシア革命によって、ロマノフ王朝は滅ぼされソヴィエト連邦が成立した」とされている。しかし実際はその裏でロスチャイルドが糸を引いていた。
一度はロスチャイルドによるソヴィエト支配が成立するが、スターリン以降はロックフェラーの支配が色濃い。
いずれにせよ、国際金融資本の思惑が強く働いており、ロシアはその主導権争いを国内に包摂した国家だったといえる。

 

世界の運命は中央アジアが握る! ロシア編③~ソ連を誕生させたロスチャイルド、そこに食い込み実権をにぐったロックフェラー
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2012/06/002295.html

・バクー油田はロスチャイルドが莫大な資金を投入し、当時世界最大の油田となった。
・日露戦争、第一時世界大戦と2度の大戦が契機となり、労働者発のロシア革命が勃発。ロマノフ王朝は滅ぼされた。このロシア革命は実際にはロスチャイルドが裏で糸を引いており、その後成立したソヴィエト連房では官僚の過半をロスチャイルド系ユダヤ人が占めたと言われる。
・完全にロシアの実権を握ったかに見えたロスチャイルドであったが、レーニンの後をつぎ、密かにロックフェラーと繋がっていたスターリンは、バクー油田からロスチャイルドを追放しソ連直轄の油田とする。その後ソ連のスパイが米国内部へ侵入。原爆技術移転など行い、ソ連強化し、東西冷戦を演出した。
・「ロシア」という基層の上に成立したソヴィエト連邦は、その理想とは裏腹に、国際金融資本の思惑が大きく絡む人工的な国家体制であった、と言うことができる。
・ソ連には、誕生当時からロスチャイルド家、スターリン以降はロックフェラー家の意向が大きく働いており、内部に国際金融資本の主導権争いを包摂した国家だったと言うことができる。

 

世界的な市場経済の行き詰まりとともに、ロスチャイルド、ロックフェラーとともに「ソ連の市場化」を仕掛けていく。その結果が「ソ連崩壊」である。
ソ連崩壊後は、民営化すれば市場が拡大し、国も富むという「国営企業の民営化詐欺」を通してロスチャイルドがロシア支配の主導権を握る。
具体的には、国民財産である国営企業を民営化するにあたり、この財産を国民一人ひとりに平等に分配する建前で、権利としてのバウチャーが無償で配布された。しかしこれはあくまで建前であり、実際はロスチャイルド系の新興財閥(オルガリヒ)によって、このバウチャーは安値で買い叩かれ、ロシアの国有財産は合法的に彼らロスチャイルド財閥の手に落ちていくのだ。

 

世界の運命は中央アジアが握る! ロシア編④~ソ連を崩壊させ、ロシア新興財閥を育てたロスチャイルド~
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2012/07/2311.html

・ソ連崩壊直後の1991年、エリツィンはゴルバチョフ改革によってボロボロになった経済を立て直すためにIMFから借金。IMFは借金の見返りにロシアの国営企業の民営化を勧告する。IMFの狙いはロシアの市場化をより進めていくことであり、これはロシアへの参入を企てようとするロスチャイルド財閥の狙いがあった。

・エリツィンはIMFの勧告に従い、国営企業の民営化を図ろうとする。国営企業の権利である株式を国民に平等に分配する必要があり「バウチャー」と呼ばれる国営企業の株式を取得するための権利書が発行され、1992年から、地位・所得に関わりなく、12歳以上の全ロシア国民の一人一人に対して一定額(92年発行分は1人1万ルーブル)を無償で分配された。

・当初は株を売り出す企業数が極度に少なく、さらに、国民は支給されたバウチャーだけでは企業の株式を購入できず、何千何万とそれをまとめなければ本格的な民営化株式の入札には参加できなかった。そのためモスクワの商品取引所には、バウチャーの取引相場が立ち、バウチャーは安値で買い叩かれた。

・国有財産を国民に平等に分配する建前でつくられたバウチャーだったが、実際は一部の人間による国有財産の寡占化を促し、ロシア新興財閥を産み出してしまうことになる。このようにして、オルガリヒと呼ばれるロシア新興財閥が登場する。

・続々と国営企業が民間に払い下げられていったが、ロシア財政は悪化の一途をたどる。そしてついに、国庫が底をついた政府は、ついに国有資産を担保にして、新興財閥から金を借り始めるようになる。

・資源価格の低迷により、輸出額の多くをエネルギー資源による利益が占めていたロシアの経済状況はさらに悪化。しかも、史上空前のハイパーインフレに見舞われていたロシア経済を救うために、ロシア政府は大量の資金を調達する必要があった。

・ロシア経済が悪化すればするほど、多くのエネルギー会社が新興財閥の手に渡り、新興財閥はさらに勢力を拡大することになった。ロシア国内の経済格差は大きく拡大し、1997年の時点では「7人の新興財閥がロシアの50パーセントの富を支配していると言われた。この7人の新興財閥のうち6人がユダヤ系の新興財閥である。

・このように、ソ連崩壊→市場化の過程でロスチャイルド財閥の息のかかった新興財閥が、ロシアに続々と登場した。これは、旧ソ連の国有財産が、ロスチャイルド財閥の手に落ちたことを意味している。その出発点となったのが、IMFからの借金→バウチャー方式だった。つまり、ロスチャイルド財閥は、共産主義国家の国有財産を国民に平等に分配するというバウチャー方式を隠れ蓑に、合法的にソ連の富を手に入れたのである。

 

List    投稿者 mamoru | 2014-08-02 | Posted in 08.近現代史と金貸しNo Comments » 

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