2021年11月16日
日本の活力衰退、働く展望と幸福感、共同体から切り離された賃金労働の問題
先日の衆議院選挙に関して、興味深い分析記事が目に留まりました。
※日本の政治的な対立の深層は、どこにあるのか(吉田繁治氏 ビジネス知識源)
https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=372307 https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=372308
日本の政治的な対立の深層は、非正規雇用が多く年金期待も低い49歳以下の世代と、正規雇用が多く年金期待が高い50歳以上の世代であるとし、高齢層だけでなく前者をどの政党が意識して取り込むかが争点となるという分析記事です。(米欧では自国労働者と移民の問題だが、日本では正規/非正規雇用の所得格差という構図)
今回の選挙で言えば、自民党が「分配」を示唆することで浮動層の取り込みに成功し、反自民の受け皿となったのは維新の党、れいわ新選組(山本太郎)であり、完全敗北したのが立憲民主党。立憲民主は大企業労組(つまり大企業正社員)が支持母体でありながら、共産党的な弱者救済をいう不整合が見透かされたということです(そもそも、批判ばかり叫ぶ人は敬遠される意識潮流を読めていないという資質上の問題もありそうですが)。
もちろん自民党支持は「消極的現状維持」の選択でしかなく展望などないのですが、2000年代あたりから若年層の支持は厚く、分断を丸のみしようとする巧妙な戦略が見て取れます。
今回の選挙でどの政党も「分配」(給付金云々)を政策の中心に言うのはなぜだろうと思っていたのですが、(コロナの影響だけでなく)上記のような事情を考えれば合点がいきます。
しかし客観的に見れば、日本の政治全体が分配の範囲だの条件だの、ちまちました議論に終始しているのは、「日本が落ち目である」ことを示していると思います。先進国からの脱落(一人当たりGDP、賃金、貧困率)、縮小する実体経済、原資を国の借金に頼るしかない、そのなかでの分配議論に未来の展望があるとは思えない。
このことは日本において、「働く」ことをめぐる展望、意欲、活力、充足(幸福感)をどう再生するかという深い課題でもあります。
そもそも、なぜ非正規雇用が増えたのか、という分析も重要です。 (さらに…)
