2008年07月19日

イスラエルとロスチャイルド1~ロスチャイルドはイスラエル建国に消極的だった

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『るいネット』に「誰か知ってたら教えて下さい」という投稿があった。

イスラエル建国の父と言われるエドモンド・ロスチャイルド。
でも、イスラエル建国時はロックフェラーが力をつけてきた頃で、ロスチャイルドにはそれほど力(資金)はなかったのでは?という疑問や、キブツの存在など、思想的にはディビット・ロックフェラーの思想と近いとの見方もあり。イスラエル建国の首謀者って、ロスチャイルド?ロックフェラー?

定説とは裏腹に、ロスチャイルドはイスラエル建国には消極的だったらしい。
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事の経緯は、『田中宇の国際ニュース解説』2005年6月22日の記事「イスラエルとロスチャイルドの百年戦争」に詳しい。

イスラエルは、ユダヤ人の国である。そして、欧米のマスコミで大きな力を持っているのもユダヤ人である。それなのに、欧米のマスコミは意識的にパレスチナ問題を大きく報じ、イスラエルを批判する世論を世界で喚起している。ユダヤ人世界の中枢に、イスラエルを支持する派閥と、支持しない派閥があって、それらの間での戦いが、パレスチナ問題に投影されているのではないか、という仮説が私の中に浮かんだ。こうした仮説を抱きながら、イスラエル建国の源流である1917年の「バルフォア宣言」や、その前後に起きたことを読んでいくと、ピンとくるものがあった。

イスラエルは、19世紀末に欧州を中心に世界に広がったナショナリズム(民族意識)の高揚に触発された欧州のユダヤ人たちが「自分たちも、国を持たない流浪の民である状況を脱し、ユダヤ人の国を作ろう」と考えて起こした建国運動(シオニズム)の結果、1948年に建国された。
シオニズム運動が成功したのは、イギリスで非常に強い権力を持っていたユダヤ人政商のロスチャイルド家が支援したからであり、ロスチャイルド卿がシオニズム支援のために、当時のイギリス外相のバルフォア卿に「パレスチナにユダヤ人の祖国(ホーム)を作ることを支持する」という一筆を書かせたのが「バルフォア宣言」(1917年)である、というのが定説だ。

だが、私は最近「ロスチャイルドは本当にイスラエル建国を支持していたのだろうか」という疑問を抱くようになった。ロスチャイルド家に限らず、欧州諸国の政府に資金を貸し、金融などの政策立案まで担当していたユダヤ資本家の多くは、自らの存在を曖昧にし、黒幕として存在し続けることに、意義を見出していた。
それは、ユダヤ人差別への対応策という意味もさることながら、それ以上の理由がある。戦争が起こりそうになったら、敵同士である双方に金を貸したり政策を出したりして、どっちが勝っても儲かるようにするとか、一つの国の産業革命に投資して大儲けできたら、他の国でも産業革命を誘発し、そちらにも投資して儲けを増やすなど、一つの国に対してのみ忠誠を尽くすのではなく、国際的に動くことで儲けるのが、伝統的なユダヤ商人の作法としてよく見られる。
これをやるためには、それぞれの国の黒幕が誰なのか、分からないようにしておかねばならない。ばれたら両方の国から裏切り者とされてしまう。ロスチャイルド家の中には、キリスト教に改宗した人が多く、ユダヤ人であることすら自ら改変し、キリスト教社会の中に埋没し、目立たないようにネットワークを張り、その結果、イギリスの「上流階級」と「ロスチャイルド」とが、ほとんど同義語であるような状態を作り出した。

これに対してシオニズムは、自分がユダヤ人であることを明言し、自覚し、イスラエルを建国し、そこに結集しよう、という主旨の大衆運動である。黒幕に徹して儲けてきた少数精鋭のユダヤ商人のやり方とは正反対である。バルフォア宣言当時のイギリスでは、ユダヤ人有力者の多く(キリスト教徒に改宗した人を含む)は、黒幕系であるがゆえに、シオニズムに反対だった。

欧州のユダヤ人には、大別すると2種類の系統が存在する。一つは、16世紀のスペイン帝国の勃興に貢献した後、オランダ、イギリスへと覇権が移動するとともに、これらの覇権国に移住し、欧州各国政府の金庫番や知恵袋として機能した「スファラディ(スペイン系)」(もしくは、そこからキリスト教徒に改宗した人々)と呼ばれる商人勢力で、彼らは人口としては数万人から10数万人しかいない。これが黒幕系である。
もう一つは、8世紀に今のウクライナ周辺にあった「ハザール汗国」がユダヤ教を国教にした関係で、ユダヤ教徒となった人々の末裔で「アシュケナジ(ドイツ系)」と呼ばれ、1000万人かそれ以上の人口があり、ほとんどは貧しい農民で、ロシア革命前までロシアからウクライナにかけて住んでいた。
シオニズムは、最初に考えたのは西欧のスファラディ系の知識人だったが、それを支持した人の多くは東欧の貧しいアシュケナジ系だった。シオニズムは、パレスチナにイスラエルを建国する運動へと発展する中で、貧しいが数の多いアシュケナジ系の大衆が、ユダヤ人としての意識に目覚め、少数派の金持ちであるスファラディ系の黒幕的なあり方を批判する、という色彩をとった。シオニズムは、ユダヤ人社会の中での「革命運動」であった。

だが、革命とは政権(商権)の交代なので、ビジネスチャンスでもある。戦いがあれば敵同士の両方に賭けておくロスチャイルド式の商法からいうと、シオニズムの革命家も投資の対象ということになる(実際、ロシア革命には、たくさんのユダヤ人が先導者として参加していた)。また、政治活動をする者にとって、大衆に敵視されないようにすることは重要である。ロスチャイルドがシオニズム運動を支持したのは、妥当な選択だった。

~続く
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-07-19 | Posted in 08.近現代史と金貸し2 Comments » 

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コメント2件

 お米大好き | 2008.11.04 20:36

>閉塞感が漂う現状社会をどのようにして突破していくか?事実はどうなるているの?
普段ネットで何とか調べてますけど、中々「これだっ!!」って思える事が見つからないんですよね。
まさに、これか!!ってのがあれば、すごくすっきりするし、皆すっきりしたいって思ってると思いますよ♪

 hermes bags sale | 2014.02.01 21:47

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