ドル覇権の崩壊を目前にして、メディア(マスコミ)に変調の兆し!?
昨日の本郷猛さんの記事『私権の衰弱→アメリカ覇権の終焉とともに、マスコミの共認支配も終わる』を興味深く拝見させて頂きました。
【米ドルによる覇権】【大衆民主主義】【マスメディア】がセットで機能しており、どれか1つでもほころび始めると、同時に他の2つもほころび始めるという認識(可能性)は説得力があり、今後の社会状況・意識潮流を予測する良い足がかりとなります。
先日開催されたG20ではアメリカが矢面に立たされ、サルジコ発言に代表されるように、基軸通貨としてのドルはその威信を失墜しました。(台頭する通貨が無いのでもう暫くは継続するようですが・・・)
図らずも、現在進行形の世界金融危機≒米ドルによる覇権の終焉に際して、マスコミにも変化が見られるようで、そのG20サミットに関する報道に対して、「世に倦む日日」さんがマスコミの変化について鋭い視点で記事を書かれていたので紹介させて下さい。
注目点は、朝日新聞やNHKはやや論調を変えつつも相変わらずの日本政府(とその後ろのアメリカ)のプロパガンダ的な姿勢を保っていることに対して、日経新聞やWBS(日経が制作しているテレビ東京のワールドビジネスサテライト)では、従来の大企業中心の経済政策に対する批判や政府や財務官僚にとって不都合な報道もいとわず取り上げられてきており、登板するエコノミストもより踏み込んだ論説が成されるようになってきた(そういうエコノミストを登板させるようになってきた)ということです。
三菱UFJ証券チーフアナリストの水野和夫氏
これらのことは、ドル(アメリカ)の覇権が終焉を迎えたことでマスコミ自体も変わりつつあることを示唆します。そしてそのマスコミは、大衆の意識(期待)をより強く反映したものに変わりつつあり、従来のマスコミが主導する『大衆民主主義』から大衆(意識)主導の本来の民主主義への移行を示唆するものです。
さて、世に倦む日日さんの11月18日の記事『G20サミットの報道 - WBSの水野和夫、朝日新聞、日経新聞』を以下に引用させて頂きます。(当記事に関連する部分を示しますが、是非リンク先にて全文をお読みすることをお勧めします。)
G20サミットの報道 - WBSの水野和夫、朝日新聞、日経新聞
G20サミットについての日本の報道を点検しよう。まず、昨夜(11/17)のテレビ東京のWBSの特集が秀逸だった。この放送を日経が制作しているとは思えないほど踏み込んだ内容で、金融危機発生以降の論調の転換に驚かされる。昨夜の水野和夫のエコノミクスの解説は状況の診断が的確で、処方箋の導出も実に見事な内容だった。昨日のブログの記事で、現在の日本を代表するエコノミストとして、金子勝、榊原英資、リチャード・クーの3人を挙げたが、当然、水野和夫も入れないといけない。失礼してしまった。
水野和夫は「サンデープロジェクト」の常連だが、あの番組で水野和夫が解説を始めると、二言三言話し始めた途端に、すぐに田原総一朗が横から口を差し挟んで話の腰を折り、田原総一朗が自分の独演会に変えてしまう。水野和夫の解説を聴きたいのに、どうでもいい田原総一朗の演説を聞かされる羽目になる。常にそうだ。水野和夫や榊原英資が最も大事な議論を始めると、すぐに田原総一朗が口を出して遮り、あるいは頭が悪くて目立ちたがり屋の俗物の財部誠一が横から割り込んで来る。
WBSにはそのような雑音や妨害は入らない。キャスターの小谷真生子が丁寧に議論を構成し、解説者のメッセージが確実に視聴者に届けられる。昨夜の水野和夫の話は面白かった。金融危機が発生してから何人かの論者の見解を聞いてきたが、その中でも白眉の存在と言えるほど印象深く、説得力に満ちた分析と提案になっていた。日本のエコノミクスがようやく本来の知性を取り戻しつつある。
~中略~
水野和夫は、現行の日銀や財務省の政策が景気回復に効かないからと言って、それでは市場に任せろと言うのではない。新しいアジア経済共同体を作り、そこで効果が出て、各国の経済がシュアな成長と均衡を実現する新しい金融と財政の政策が必要だと言っているのである。バランスのとれた経済理論であり、説得的で魅力的な政策提案である。昨夜の水野和夫の話で印象的だったのは、日本の中小企業は17年間マイナス成長が続いているという指摘だった。確かに日本経済は今世紀に入って長い成長を続けたが、それは大企業だけの成長であり、中小企業には活況は及んでいない。
17年前と言えば、1991年で、バブル経済崩壊の年である。この実感はわれわれ国民に共通のもので、竹中平蔵がどれほど「改革による成長」を言っても、実際に手にする所得が減っているから全く納得できないものだった。「成長は大企業だけの現象だ」と言っていたのは、マスコミに出る経済評論家では内橋克人だけではなかったか。「中小企業は17年間マイナス」という話をWBSの解説者から聞くとは思わなかった。WBSは日経読者が見るニュース番組であり、大企業の管理職や従業員のための放送だったからである。大企業中心の従来の経済政策に対する批判が措定されている。
~中略~
日経新聞の昨日の紙面も、1面、3面、5面、7面とG20サミットに割き、現地の記者に詳しい記事を書かせている。日経の関心は、欧州と新興国が米国に対してどれほど強く衝突し、ドル基軸通貨の行方がどうなるかという点にある。その問題関心は私と同じであり、ただ、期待する方向が、彼らはドル基軸通貨の防衛であり、私はドル基軸通貨の終焉であり、立場だけが異なることになる。だから、記者が現場を見る視線も緊張感があり、朝日のように財務官僚の言うがままを社説の活字にしたりはしてしない。自分の頭で考えている。
例えば、日経の昨日7面には、サウジアラビア財務相の発言が拾い上げられていて、「我々は資金を供給するためにここに来たという多くの風評があったが、そんなことはない。我々は自分たちの役割を果たすが、多くの資金を持っているからといって、それを国際機関に融通するつもりはない」とある。このサウジアラビア財務相の発言は、日本の財務官僚にとっては不都合な事実で、日本の一般国民に知らせたくない事実である。
だが、この発言はきわめて重要で、要するに、日本だけが気前よく米国にカネを出し、中国と産油国がそっぽを向いた事実が暴露され、朝日やNHKが言っている「IMFの強化」が世界中の共通認識でも何でもない事実が証明されている。朝日とNHKは政府の言うままに嘘を報道して国民を騙し、10兆円拠出を正当化する世論工作をしているのである。世界から見れば、日本の10兆円は笑止で噴飯な愚行に過ぎない。
真っ当な報道が出てくることで、従来の意図的な偏重報道に対する違和感や不信感はますます増大し、やがては駆逐されていく流れが必然となります。
マスコミはすでに旧主派と化しているのかもしれません・・・・
by コスモス
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コメント4件
sinkawa | 2009.03.07 20:55
緊急事態としてFRBが様々な不良債権を引き受けているが、それらを回収できる見通しは殆どないのではないか。
ビッグ3を始めとする実質経済の状況を考えれば、経済の復活が遠いことは既に米政府も分かっており、このままではFRBも米国政府ももたないと考えている可能性もある。
国家紙幣発行など、一発逆転に向け、既に米政府は手を打ち始めているように思う。
australia hermes | 2014.02.02 20:15
hermes uk nuneaton hub 日本を守るのに右も左もない | FRBも国有化される?
http://topuloey.cuisine-spirit.com/ | 2014.03.12 21:27
日本を守るのに右も左もない | FRBも国有化される?
2310 | 2009.03.05 21:22
FRB国有化の序章
昨日か、AIGがアリコをFRBに譲渡するという記事がありました。
AIGは9兆円にも及ぶ巨額な損失をだし、公的支援策受け取るための担保とした。
アリコは、日本におけるAIGの展開拠点であり、かつては、かなりの反映をしたが現在は、??
AIGの処理で息詰まるFRBの想定もありえるのではと思割れます。