2008年11月07日

『近代国家の成立の歴史』7 商人が国家をつくる 

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新興商人を導いたカルヴァン
今回は、自治権を獲得した商人達が、その後どのようにして
国家建国を成し遂げたかを追及していきます。
前回のおさらい~
『近代国家成立の歴史』5 国家と新しい商人の台頭 ~宗教改革~大航海時代~
『近代国家成立の歴史』6 自治権を獲得したオランダ商人
にあるように、フランドル地方が商業的に発展した背景には、自治権の獲得に加えて、ローマカトリック教皇の航海許可を持たない新興商人が活躍したからです。彼らが信仰する宗教は、富の蓄財と利潤追求を認めるプロテスタント(カルバン派)であり、自らの言動を正当化するためにも好都合のものでした。
この2つの宗派の違いを強調しているのは、
ネーデルラント連邦共和国(以下共和国)を商人のつくった国家として紹介している理由にもあります。
歴史上、共和国以前の国家君主の中には、商業的に成功した商人もいました。
しかし、商人をこれまでの歴史上台頭してきた商人と新興商人に分けて見ると、
これまでの商人は、ローマカトリックを信仰する商人=教会と結託した商人
新興商人は、プロテスタントを信仰する商人=教会支配から逃れ新たな商業システムを確立する商人
と捉えることができます。
そのため、世界初の証券取引所や株式会社などの現代にも続く、
新しい商業システムがこの時代に成立していくのです。
そのため、この共和国成立が歴史上における一つの分岐点なのです。
では、自治権の獲得からどのようにして新興商人が国家をつくったかを見ていきましょう。
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  投稿者 ruiblog | 2008-11-07 | Posted in 08.近現代史と金貸し4 Comments »