2007年05月06日

アメリカ発の民主主義の真実! “とまどえる群れ”と “合意のでっちあげ”

民主主義は、表向きは立派な観念で否定しがたいが、なんか怪しいと思っていた。よく言われる民主主義の理想は、“人々が自分たちの問題を自分で考えて行動する”・・・・ことのように言われるが、実際なかなかそんな場面に出くわしたことってない。
最近、驚いたことに、アメリカの支配勢力は、民主主義を用いて人々を支配し、利用するための理論を作っていた。そうして、実際に広報産業とメディアを用いて大衆をコントロールすることに成功してきたのだ。この理論が、現実の民主主義を導いたといったほうが事実に近のではないかと思えるほどである。実際、チョムスキーによれば、こちらのほうが優勢な民主主義の概念であるらしい。・・・・支配する側から見た民主主義。
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    『世論』 ウォルター・リップマン
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民主主義理論の代表格、ウォルター・リップマンの考えをチョムスキー著の『メディア・コントロール』より紹介します。

・実際、リップマンはそうした組織的宣伝を進める委員会にもかかわっており、その効果を十分に認識していた。「民主主義の革命的技法」を使えば「合意のでっちあげ」ができる、と彼は主張した。すなわち新しい宣伝技術を駆使すれば、人々が本来望んでいなかったことについても、同意を取り付けられるということだ。
・民主主義社会には2つの市民階級が存在する。
・第一の市民階級は、専門知識を持つ特別階級で、政治・経済、イデオロギーのシステムにおける諸問題の分析、実行、意思決定、管理を行う。これらの人々は人口のごく一部でしかない。
・この特別階級から漏れた人々、すなわち人口の大部分を、リップマンは「とまどえる群れ」と称した。

・さて、これで民主主義社会には2つの「機能」があることになった。責任を持つ特別階級は、実行者としての機能を果たす。その一方のとまどえる群れも一機能を担っている。民主主義社会における彼らの役割は、リップマンの言葉を借りれば「観客」になることであって、行動に参加することではない。
・しかし彼らの役割をそれだけに限るわけにもいかない。何しろ、ここは民主主義社会なのだ。そこで時々彼らは、特別階級の誰かに支持を表明することが許される。これを選挙という。だが、いったん特別階級の誰かに支持を表明したら、あとはまた観客に戻って彼らの行動を傍観する

・われわれ(特別階級)はとまどえる群れを飼いならさなければならない。とまどえる群れの激昂や横暴を許して、不都合なことを起こさせてはならない。これは3歳の幼児に一人で道路を渡らせないのとまったく同じ論理である。面倒を起こすに決まっているのだから。
・そこで、とまどえる群れを飼いならすための何かが必要になる。それが民主主義の新しい革命的な技法、つまり「合意のでっちあげ」である。

・どうしたら第一の階級につけるか?もちろんその方法は「真の」権力者に仕えることだ。

またリップマンの代表作と言われている『世論』(1922年)によれば、彼は、民主主義の基盤となる国民の世論が、マス・メディアの圧倒的な影響力の下にあることを指摘している。
上記引用中には3つの階級がでてくる。
1.「真の」権力者: 支配的な財閥
2.第一の市民階級(特別階級): 政治家、官僚やマスコミ、経営者
3. 一般の人々(大衆)

アメリカの民主主義の状況は、リップマンの理論・考え方がそのまま実現しているような観を呈している。財閥のための、特別階級(政治家、マスコミや経営者)の手による、大衆をコントロールするための民主主義。といえる。実際、ロックフェラーなどの財閥がCFRや各種シンクタンクなどの回転ドアを作って特別階級を作り、人材を政界、学会、マスコミ、経済界などや各分野に配分し、アメリカをコントロールしている。
このように見てくると、アメリカが宣教師のように“民主主義を世界に広める必要がある”といっている意味がよくわかる。要は彼らの支配体系(財閥→政治家・マスコミ→大衆)に組み込みやすいからなのだ。彼らは、20世紀の初頭にこの支配体系を開発し、それでアメリカをコントロールした。第2次大戦後、日本が民主化されたのも当然この体系に組み込むためだ。
                                                                    
(近年、日本においてもアメリカ→官邸→マスコミの指揮系統が完成したという。政治家や官僚・マスコミという特別階級を手足に使うことに手馴れた、アメリカの財閥勢力がいよいよ日本の直接支配に乗り出したということだろうが、その仕込みは戦後の占領期“日本の民主化”と称して行われていたのだ。)                                                                      
では、具体的にどのように“とまどえる群れ”をコントロールしているのだろうか?(続く)                         
(by Hiroshi)

List    投稿者 ihiro | 2007-05-06 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配14 Comments » 

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コメント14件

 ばきちょこ | 2007.06.18 22:24

なにより国民が求めてるのは、破綻してしまった年金制度に代わる新しい政策。
目先の被害より、そっちのほうが本当の意味で救われるはず。
民主、自民、双方とも自己正当化してるけど、どちらにせよこのままでは日本は外資にのっとられてしまうわけだから、何を言ってても結局ただのジコチュウ保身集団にしか見えない。

 山澤 | 2007.06.19 0:22

よくまとまってますね。1点だけ質問。いまのところ民主党は社会保険庁解体→国税との一本化で自民党案との違いを打ち出していますよね。(たしかかなり以前から一本化案を打ち出していたような)そのあたりはブラフなんでしょうか・・・。それと前原あたりが選挙の結果いかんでは民主を飛び出すといううわさも常に消えませんが、それによって、脱アメリカと親アメリカの2大政党制という可能性がなくはないかもしれません・・・。

 こん | 2007.06.19 9:01

 山澤さんがいうとおり、年金の一本化を民主党は叫んでいます。そこらへんは、どのような政策の違いになるのか?私もわかりませんが、どうも、民主党も自民党も大差さく、図解のとおり、アメリカの操縦下のもとでの、政策ということに代わりがないのかも知れません。
 マスコミを使って、「あいつはわるい!」という攻撃を加えておいて、骨抜きにして、解体し、民営化の名の下に、日本の旧来の共認による社会統合を破壊して、目先の利益を己と欧米に売り渡す(欧米の背後には、ユダヤという3文字が見えてきそうですが)政策が見えてきます。
 安倍は、選挙の争点は年金問題だと最近、言いふらしていますが、国民への迎合そのもので、彼や今の自民党に解決の能力がありません。それを潜在的に理解しテいるのが、国民でこの間の支持率29.2%という急落の結果mなのでしょう。
 これだけ、国民の意識とずれている政界にほとほとあきれる。答えがほしいのに、選挙の争点として扱うのは、そのれの勝算しか考えていないからではないでしょうか?

 ゴンベイ | 2007.06.19 19:23

小泉による郵政民営化でアメリカにとって一番おいしいのは「簡易保険」の解体。
社会保険庁たたきによる国民皆年金制度の解体進行とは表裏一体の関係。
ブッシュが公営医療保険制度を縮小し、民間の保険へ誘導しようとしている政策とも表裏一体。

 STAND UP TO DATE! | 2007.06.19 23:37

情報の出所に注意! 悪質な年金商法が流行っています

僕が年金記録紛失問題であやしいと思っている理由は、そもそもの情報の出所が政府からの一方的なリークに基づいているからだ。マスコミの独自取材によるものではなく…

 ゴンベイ  | 2007.06.20 11:20

世耕のコミ戦は金を使いまくるだけ。飯島のような政局観、力量、したたかさがない。
日テレNEWS24
“クールビズ広告” 無駄遣いと民主党追及<6/12 22:31>
http://www.news24.jp/85955.html
 クールビズの推進など「地球温暖化防止キャンペーン」のため、環境省が今年度、大手広告代理店「博報堂」と27億円に上る契約を結んでいたことが明らかになった。民主党・末松義規議員は12日、国会で、「あまりに高額で、税金の無駄遣いではないか」などと追及した。
 この契約は05年度から3年連続で結ばれており、今年度の契約は27億円に上る。末松議員によると、3年間の総額は約90億円に上る可能性がある。さらに、去年度はプロジェクトの事務所が博報堂の社内に設置されたにもかかわらず、1年間で約2000万円の経費が計上されていたり、プロジェクトのリーダーには1日7万円以上の日当が支払われたりするなど、「支出が不透明だ」と指摘している。
 末松議員が12日、衆議院環境委員会で、「博報堂の中を貸すのに金を取っているのか?」とただすと、環境省・南川地球環境局長は「(博報堂が入居しているビルと)どういう契約をしているか知らない」と述べた。また、末松議員が「日当7万6300円はちょっと高いのでは?」とただしたのに対して、南川局長は「個人的には高いと思うが、能力を考えれば妥当」と述べ、思わず「高い」と認めた。
 環境省の担当者は「契約金額や代理店は、入札を行った上で適正に決めている」と説明しているが、末松議員は「明らかな税金の無駄遣いである。環境省とこの広告代理店の間に癒着の疑惑もある」と指摘している。

 gataro | 2007.06.22 7:51

heartさんのblog「どこへ行く、日本」を共同編集しているgataroと申します。図を見て郵政民営化と同じような構造だなぁ!と思いしました。お断りせずに転載したことをまずお詫びします。
どこでTrendさんのことを知ったのか思い出そうとしているのですが、思い出せません。お気に入りのblogをのぞいているうちにTRACKBACKなどの糸にたぐり寄せられて行き着いたような気がします。
今後ともよろしくお願いします。

 あんD | 2007.06.23 2:24

郵政民営化と同じというよりは、アメリカ主導の民営化政策の延長でしょう。
ただ前回の郵政選挙と違うところは、今回は自民圧勝ではなく、自民逆風という点。
これが怪しい。
民主党が仮に圧勝しても、社保庁民営化の手が打たれているように思われますが、如何でしょう?

 超企業・類グループの挑戦 | 2007.06.23 22:44

社会保障制度の崩壊と類的需要の高まり

●図:社会保障保障費の推移 Trend Review の記事 社会保険庁叩きの構…

 おばQ | 2008.11.19 10:17

自民駄目、民主駄目、公明党論外となると、次の選挙では
どこに投票したらいいでしょうか?

 暇人 | 2008.11.19 17:08

アメリカ陰謀論は飽きました。騙される人ってまだいるのかな?

 Lyagushkka | 2009.09.08 23:28

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