視聴率に関する基礎データ
↑ニールセン社のピープルメーター
今や誰もが目にする視聴率。かつては業界人の間のデータだったが、今ではちょっと視聴率が取れたり反対に番組が期待ハズレだったりすると、たちまちニュースになって日本中を駆け回り、一般視聴者の注目を集めている。
今回は、そんな視聴率の”基礎”知識です。
まずは。
■視聴率調査は、ビデオリサーチ1社による調査である。
現在視聴率は、電通が34%を出資するビデオリサーチという1会社によって調査されている。以前はアメリカの市場調査会社であるニールセンも調査していたが、2000年3月に日本から撤退。テレビ局との対立が原因らしいが、背後に電通の圧力か?
■サンプル数は、全国27区、6600世帯。
日本の世帯数を約5100万とすると、0.0129%。 7727世帯のうちの、1世帯に過ぎない。統計的には一定の誤差範囲内に収まるとされているが、この数字を例えば選挙の投票率に置き換えてみたら、その有効性がどれほどのものか想像できるだろう。
ちなみにラジオ視聴率もビデオリサーチが調査しており、サンプル数は3000。
参考:ビデオリサーチのサイト↓
http://www.videor.co.jp/rating/wh/index.htm
■視聴率調査が行なわれない県がある。
日本の放送エリアは全部で32。そのうち27地区で調査が行なわれる。サンプル数を見ると、関東地区・関西地区・名古屋地区が600、それ以外の地区は200。(→600×3+200×24=6600となる。)
では調査されないエリアとは。
放送エリア内に地元民放テレビ局が3局以上あることが視聴率調査の条件(?)のため、福井県、山梨県、徳島県、佐賀県、宮崎県ではビデオリサーチによる視聴率調査は行われていない。世帯視聴率のみ、各地区の放送局が決めた任意の期間で、日記式で調査する。
調査しても儲からない(データを買ってくれるテレビ局が少ない)エリアには用は無いということだろうか。
■調査方法はメーターだけでなくアンケートも用いられている。
視聴率は地区によって調査方法が異なる。調査方法は大きくは3種類あり、ピープルメーター方式・オンラインメーター方式・日記アンケート方式というのがある。
☆ピープルメーターとは、視聴前後にボタンを押す事で、視聴者を個人別に識別できる。毎朝データ通信回線を通じてデータが集約される。関東・関西・名古屋の3地区で採用されている。
☆オンラインメーターは世帯視聴率のみ集計され、個人別には識別できない。上記以外の地区で採用されている。→従って、オンラインメーターのエリアでは、個人視聴率については日記式アンケートによって集計される。
つまり多くの世帯では未だに?日記式による集計が続いているのだ。ちゃんと忘れずに付けてくれているのだろうか。
ちなみに、エリアによってはオンラインメーターで毎日調査するところもあれば、月の前半の2週間のみ調査するエリアもあるなど、地域によって調査方法が何段階かに分類されており、結構ややこしい。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~valtan/mediaplan/mediaplan5_1.htm
■録画はカウントされない。
衛星放送・インターネットテレビ・ケーブルテレビは調査対象外。録画による視聴、パソコン、携帯電話による視聴も視聴率にはカウントされない。録画しても本当に見るかどうか分からないかららしい。見たとしてもCMは早送りするだろうし。それでなくてもサンプル数が少ないのに。。。
* * * * *
このように見ていくと、視聴率は一般人が思っているほどには精確ではない、と考えられる。例えばかつてニールセンも調査していた頃、ビデオリサーチの調査値と大きくずれていたというケースもあった。http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=129893
あくまで参考データとして見る分には一定の有用性はあるかもしれないが、それに代わる有効な指標も無く、数字が一人歩きしている状態だ。
ビデオリサーチ(=電通)が視聴率調査を独占し、放送局を事実上支配することで、単なる参考データを絶対的な評価指標に祭り上げてしまった。そしてそれによって日本中が振り回されている。多くの人が抱いているであろう、視聴率に対する違和感は、このあたりに起因するのではないだろうか。
by kaku
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