2018年12月20日

「パリが燃えている」 歴史の大きな転換点

フランスでマクロン政権の緊縮財政(燃料税引き上げ)に反対する運動が激化し、ついにマクロン政権の譲歩を引き出すに至った。

日本では、表面的な現象をなぞっているだけの報道を多く見るが、これは歴史の流れを明確にする大きな出来事である。

グローバリズム経済(金貸支配)が生んだ、欧米の富裕層だけが優遇される格差社会。これに対して、ロシア、中国、トランプが全うな世界秩序を作る流れを作ってきた。そして、欧州でも本格的に、この流れがおよびつつある。

 

以下、三橋貴明氏のブログから引用です。https://38news.jp/economy/12725

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「パリが燃えている」From 三橋貴明

 

 フランスでマクロン政権の緊縮財政(燃料税引き上げ)に反対する全国10万人規模のデモが発生し、パリが燃えています。

パリのシャンゼリゼ通りではデモ隊の一部が暴徒化し、車両に放火。凱旋門前で車両が炎を上げるという、印象的な写真が全世界に報道されました。

『シャンゼリゼで大規模衝突車両炎上、催涙ガスで緊迫

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38161590V21C18A1000000/

 

フランスで続いている課税引き上げなどに抗議するデモが24日、同国各地であり、パリのシャンゼリゼ大通りではシンボルの「黄色いベスト」を着けたデモ隊ら数千人と治安部隊が異例の大規模衝突を展開した。

デモ隊は車道の敷石をはがして投石、治安部隊は催涙ガス弾を使用し大統領府の方角へ進もうとするデモ隊を押し戻した。

バリケードが築かれた大通りでは横倒しされた車両が炎と黒煙を上げ爆発。

「マクロンうせろ」と大統領を批判するプラカードなどを掲げるデモ隊と治安部隊は数時間にわたり衝突を繰り返し、催涙弾の発射音やサイレンが鳴り響き凱旋門が煙にかすむ大通りは緊迫した状況が続いた。(後略)』

デモは燃料税引き上げに抗議する「黄色いベスト運動」として、全国に広まりました。

なぜ「黄色いベスト」なのかといえば、道路工事で作業する際に現場の作業員の方々が装着している、あのベストから来ています。

17日には、フランス全土で28万人以上が道路を封鎖する大規模デモが発生しており、 死者も出ています。

カスタネール内務大臣によると、24日のデモは全国で2万3千人、シャンゼリゼ通りで5千人が参加。

一部が暴徒化し、治安部隊が催涙ガスで対抗。フランス全土で130人、パリ市内だけで42人が逮捕されました。

現在、マクロン政権の支持率は21%に低下しています。元々、マクロン政権は「グローバリズム」優先の政権で、政策は富裕層優遇に傾いていました。

具体的には、年金受給年齢の引き上げ、労働規制を緩和し、雇用を不安定化。公共インフラの民営化、移民制限はかけない。

と、まんま「安倍政権」であるグローバリズム的な政策を推進し、

国民の不満が高まっているところに、燃料税の段階的な引き上げが襲い掛かり、フランス国民が激怒したわけです。

最新の世論調査によると、フランス国民の66%が今後数か月のうちに「社会的混乱」が起きると予想しています。

日本マスコミでは、単なる「燃料税引き上げ反対」に矮小化してしか報じられませんが、

例により話はもっと大きく、「反マクロン」「反グローバリズム」の潮流が、グローバリズムを上回ったというのが現在のフランスの状況なのです。

日本は未だにグローバル化が相対的に(欧州と比べて、という意味)進んでおらず、グローバル化疲れは広まっていません。

それに対し、フランスはEUと共にグローバリズムの政策を推進し、国民は深刻なグローバル化疲れに陥ってしまった。

とはいえ、2017年のフランス大統領選挙では、ルペン氏、メランション氏という「反グローバリズム」勢力が投票で40%を超す得票は得たものの、最終的にはグローバリストのマクロン氏が大統領職を射止めた。

結果的に、グローバル化疲れに陥た国民が増加し、「臨界点」を越えたというのが現在のフランスの状況なのだと思います。

そもそも「グローバル化疲れ」とは、フランスの歴史・人口学者のエマニュエル・トッドの言葉です。

さて、お分かりでしょうが、安倍政権とマクロン政権の政策は瓜二つです。

両社ともにグローバリズムのトリニティに囚われている以上、当然なのです。トリニティの政策が推進され、燃料税引き上げで「臨界点」を越えたフランス国民と、消費税増税(しかも二度目)でも暴発しない日本国民。

無論、国民性というのもあるのでしょうが、それ以上に「グローバル化疲れの深刻度」の差は大きいでしょう。

つまりは、このまま我が国の国民がグローバル化疲れに陥っていくと、やがてはフランス同様に国民が耐え切れず、激発する段階に達する可能性が濃厚なのです。

結局、どちらが好ましいのでしょうか。グローバル化疲れが深刻ではないため、グローバリズムの政策が次々に進められる我が国と、 グローバル化疲れが深刻が故に、国民が立ち上がったフランス。どちらも、好ましくはありませんよね。

正しい道は、国民のグローバル化疲れが深刻化する前に、グローバリズムの政策にストップをかけることです。

そのために、我々一人一人が何をやるべきなのか、是非とも真剣に考えて下さいませ。

List    投稿者 nihon | 2018-12-20 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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