2011年12月23日

共同体社会の実現に向けて-14 ~実現論序4.統合階級の暴走で失われた40年(その3)~









みなさん、こんにちは。
この章では、統合階級(=官僚、マスコミ、学者)など、我々大衆が選んだわけでも、委任したわけでもないのに「国家統合」を担っている層が特権を手にして、この国や社会を誤った方向に導き、多くのものを失わせしめた事実や、原因構造を解明しています。
世間を賑わせている「ユーロ危機」や「TPP」、「原発や放射能問題」は、この内容と直結していますし、そして誰にとっても身近な家庭の問題、教育、男女関係、学校、企業の不全など合わせ、全てが繋がっている問題です。
統合階級によるこの40年のブザマな国家運営は、国民みなの生き死に活力に深い影を落としているのです。
・・・今回は、その無能な統合階級の共通項=試験エリートに焦点をあてて、斬り込んでゆきます。
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【偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち】

しかし彼らは、この期に及んでも、円を売り、デフォルト寸前の米国債を買い続けている。どう考えてもおかしい。
彼らは、この40年(少なくとも20年)ものあいだ、何も学ばずに、頑なに「市場主義」にしがみ付き続けてきたことになるが、彼らはなぜ、変われないのか?
もちろん、「市場主義」を捨てれば、地位を失うからであるが、それだけではない。病状はもっと深刻である。
彼らが無能化したのは、私権圧力が衰弱したからであり、従って、’90年代→’00年代→’10年代と時代が下がるにつれて顕著になっていくが、画然と無能化したのは、団塊の世代が各部局のトップの座について以降である。
彼らは、大半が貧困=本当の私権圧力を知らず、従って本当の目的意識を持ち合わせていない。彼らは、単なる試験制度発の「合格」という無機的な目的意識(もちろん、それは肉体的欠乏に根ざした本気の目的ではない)を植え付けられてひたすら試験勉強に励み、「特権」を手に入れた連中である。
又、彼らの大半は、試験制度という与えられた枠組みの中でひたすら「合格」を目指してきただけで、その前提を成す枠組みそのものを疑うという発想が極めて貧弱である。
従って、彼らは社会に出てからも、ひたすら既存の制度の枠組みの中で走り続けることになるが、もはやそこでは、既存の制度によって与えられた特権の維持という目的以外の目的意識など生まれようがない

★昔のエリートは優秀だったのか?
ではここで、敗戦後の貧困期に活躍したエリートの一人、池田勇人を見てみましょう。
彼は、60年安保の成立後に退陣した岸首相のあとを受け、首相就任と同時に「所得倍増計画」を掲げたことで有名です。(「貧乏人は麦を食え」発言で世情を賑わしたことも)
60年安保の争乱で政治意識が高まっていた国民を豊かさ追求に向かわせる事によって統合し、急速な経済成長をもたらしたと言われています。
池田勇人は広島の金持ちの家(父親が造り酒屋・郵便局長)の出自で京都帝大卒、大正14年(1925)に大蔵省入省、戦後に大蔵事務次官となり、退官後の翌年(1949)政界に転じ、代議士1期目に大蔵大臣に抜擢されました。その後も大臣や自民党幹事長など歴任し、1960年首相就任。とまさにエリート中のエリートでした。
彼は出世街道を登りながら、当時の国民の最大期待がどこに在り、どこに向かっているかを注視し、それに応える政策を打ち出していったのです。

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★高度経済成長期と池田勇人
もう少し具体的に、高度経済成長期の社会状況と彼の関わりを見てみます。
高度経済成長期とは、戦後生産力水準が戦前最高時の水準を回復した1955年から、74年国内総生産がマイナスに転じるまでの約20年間で、日本の経済成長率は年平均10%の驚異的なものでした。
68年には西ドイツを抜いてGNP西側第二位となり、73年秋の石油ショックで世界経済全体がゆきづまり、「安定成長」への軌道修正を余儀なくされるまで続きました。
その戦略は、道路、鉄道、工業用地など産業基盤の公共投資を軸にして、社会福祉の増進や農業保護にも一定の予算を振り向けることにより、年率7.2%の経済成長を想定。ところが現実は61~70年の間の実績は10.9%と想定を上回り、国民1人当りの消費支出は10年で2.3倍になり「東洋の奇蹟」と呼ばれるほどでした。
経済の浮沈がこの間全くなかった訳ではありません。
景気が過熱しはじめると日銀は公定歩合を引き上げました。すると輸入は激減し、また企業も在庫を減らす為に値引きして製品を輸出するので、国際収支は改善していきます。
こういう過程を日銀は注視しながら公定歩合を操作しましたが、大蔵出身の池田は、政治家として国家の計を掲げながら、このような市場介入などの実現策にも関与しました。
そして、死に際には後継者(大平正芳、宮沢喜一、田中角栄などの国益派)を指名して国政に対する思いを託すなど、その生き様は、既得権益にしがみつき、国民の期待から遊離していくばかりの現代のエリートたちとは大きな違いがあります。
彼はエリート街道を進みながら、最後まで「本気の目的」を達成する事を目指した人物だったといえるでしょう。

かくして、団塊世代がトップor幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級は、ひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った
これは、権力の自家中毒であり、それは麻薬中毒よりももっと恐ろしい結果を社会にもたらすことになるが、もちろん彼らには、中毒患者であるという自覚はない。
だから、止まらない。

★特権階級の自家中毒
特権階級の自家中毒って、何でしょうか?
試験勉強を勝ち抜くことにより、特権階級は評価を得てきました。その過程では「高得点」「合格」が目的意識であり、対象は常に自分でした。
通常、人はいろんな人との関わり合いの中で生きてくるため、活力源は「仲間」や「みんな」だったりするのですが、それとは対照的です。
そうやって試験競争に勝ち抜き、最終的に権力を手に入れた特権階級は、試験勉強という目的を失った時、新たに「手に入れた特権をどう維持していくか?」という目的意識に収束します。例えば官僚であれば、制度を改正、新設する等して、自分たちに有利な体制を固めていくのです。
そうやって「みんな」へは目もくれず、常に自分のために行動してしまうと、本来の活力や充足を感じられるハズがなく、心底にある虚しさを埋めるために、自らの特権拡大に向かうのです。
この様に、ひたすら特権を求め続ける状態は、あたかも中毒患者のようですが、麻薬中毒やアルコール中毒は、毒性の物質を外部から摂取し続けることにより中毒症状が発症します。しかしこの特権階級の場合は、自ら特権の維持と拡大を繰り返すことにより、特権中毒になってしまうのです。
まるで自家発電の様に、自ら中毒物質を作り続けるため『特権階級の自家中毒』と呼んでいます。
★特権階級の無能ぶり
社会では、いかにみんなや社会に貢献できるかというのが評価軸になってきます。
よって『自分のことしか考えていないのが無能、みんなのことを考えて追求するのが有能』と言えると思います。(参考:社会における有能・無能とは
自らの権力ばかり追い求める特権階級は、無能の極みと言えるのではないでしょうか?
この間、国民の安全よりも東電の利益や原子力利権を優先する原子力官僚たちの姿が世間の目にさらされてきましたが、そこからもその無能さを実感できると思います。実際、彼らのほとんどは東大卒の試験エリートですが、この有り様です。
参考:福島の原子力発電所の危機は官僚政治による人災である(官僚政治を撃て)より

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それは、彼らがエリート意識に塗れて、完全に大衆とは断絶してしまったからである。
事実、人々が脱私権⇒共認収束を強めてゆく中にあって、一人、統合階級だけは、全く逆に、ひたすら私権追求と権力支配の道を驀進してきた。
しかしそれは、人々の私権欠乏が衰弱し、私権の監視圧力がほとんど働かなくなった空白地帯での進撃に過ぎなかった。言わば、誰もいなくなった空間での一人勝ちである。要するに、彼らは偽ニッチの罠に嵌ったのである。
それも知らずに支配の快感に酔いしれている姿は、もはやアホ丸出しと言うしかない。

★偽ニッチの構造
ここで言われている『偽ニッチ』とはなんでしょうか?
生物学の概念に『ニッチ』という言葉があります。
生物史の『ニッチ』は、逆境に置かれた種が、競合圧力がゼロに近い新天地に向かって適応し進化を遂げることを指しますが、この特権階級が向かったニッチは新天地などではありませんでした。
単に大多数の人々が私権に無関心になったから競合圧力ゼロに近くなっただけで、単に旧世界(私権世界)しがみついただけの『ニッチ』なのです。
この構造を『偽ニッチ』と呼んでいます。(参考:特権階級における暴走の構造は「偽ニッチ」)
★財務省の偽ニッチ
では『偽ニッチ』の具体事例として『財務省の戦略』を見てゆきましょう。
まず、私権に無関心になった国民は、お上に対する監視圧力が緩んでいきますが、財務省はこの状況をさらに有利にする為にマスコミを取り込みにかかります。
朝日、読売を国税狙い撃ち「財務省には逆らえない」と幹部談
これによると、記者を懐柔、税務調査で申告漏れを指摘するなど、マスメディアが増税必要論を一斉に報じるように仕向け、大衆洗脳を行っています。
財務省の悲願である増税実現の為に、こうした裏工作が仕組まれているのです。
続いて、政治家の操作さえ、財務省にとっては造作の無い様子をお伝えします。
財務省の権力の源泉は何か野田政権は財務省主導の増税内閣
ここでは、国会のスケジュールをその管理下におき、総理大臣すら操って、自らに都合の良い法案を好きなように通すことも、内閣の組閣さえコントロールしている様が描かれています。
一方で、財務官僚といえばエリート中のエリートなのだから、彼らに任せておけば問題ないのでは?という感覚もあるかもしれませんが、しかし財務省は経済が全然分かってないのです。
震災の傷も癒えない経済状況で大増税なんてしたら、日本は滅んでしまいます。
財務省は、念願の増税をする方便に震災復興を使っているだけ、私利私欲に目がくらんで国家や大衆のためにどうすればよいか、という思考はまったく持っていないようです。
このように現在の日本は、偽ニッチの代表格『財務省』に振り回され、行く末を握られています。このままではお先真っ暗、なんとかしないといけませんね

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★最後にまとめます
1.特権階級は、私権圧力が弱まるにつれ、無能化していった
2.特権階級は共通して『試験エリート』であり、
      本当の目的意識を持ち合わせていない(単に点数がとれただけ)

3.だから、複雑な現実課題に立ち向かう意欲も、本物の思考力も無い
4.特権階級は、次第に権力の自家中毒に陥り、支配の快感に溺れ、
      大衆意識と断絶した結果、日本はいま破局に向かい突き進んでいる

・・・とても、嫌な気分になります。このままでは憤りも収まりそうにありません。。。
・・・しかし次回は、現在のこのような状況から転換出来る実現基盤!といえる状況認識を提示させてもらいます。
『追い詰められた支配勢力と静観する大衆』という内容です。
首をなが~くして、お待ちくださいね
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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コメント5件

 通りがけ | 2012.12.20 23:05

「野田を緊急逮捕憲法70条総理罷免せよ! 」
ショックドクトリンと言えば常に流血である。
日本で9条破壊派の安倍が大勝したことでシリアの自衛隊にいつジャッカルが攻撃をかけても不思議は無い程ショックドクトリンの危機がかつて無い程にまで高まっている。
ただちに野田を逮捕して総理罷免し、シリアの自衛隊に憲法違反の戦闘地域から即時武装解除撤収帰国するよう総理代行に命令を出させねばならないことは云うまでも無い。

 肩掛けバッグ | 2013.09.21 23:00

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 入山杏奈 | 2014.01.21 2:04

一目で整形だと分かる みなさん考えてみてください」

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mbt shoes women 日本を守るのに右も左もない | 『次代に求められる共認形成力 第3回~世界的な本源回帰の潮流と世界を先導する日本への期待~』

 http://www.enunblog.com/saboschmuck/ | 2014.03.12 1:33

日本を守るのに右も左もない | 『次代に求められる共認形成力 第3回~世界的な本源回帰の潮流と世界を先導する日本への期待~』

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