2009年01月15日

農業改革~川上(生産)から川下(流通)までの全ての工程を構築していく~

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今年の元旦に新聞を見開くと、農業の可能性を綴る特集が組まれていました
最近とかく農業界が注目されていますね。
その理由は、やはり従来の経済システムが行き詰りを見せていること、そして、金を右から左に流して利ざやを儲けるような仕事ではなくて、本当に社会が必要とする仕事について考えていくと・・やはり農業は欠く事のできない仕事と言えるからではないでしょうか。
それでも、社会の大転換期に既存の農業界の手法に固辞していては、その先の未来に可能性を感じません(農業に携わっていない一般人を心底惹きつけ、巻き込んでいくに至りません)。
何か既存のシステムを変えるような企業ってないのかな?と思っていたら、見つけました面白い企業を
ということで、今回は今後の農業界を変えるかもしれない企業を紹介します。
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農業改革
“モノづくりがかっこ良いと思える社会づくり”

大きなスローガンを掲げて、日本の農業を活気ある産業に改革しようとする独自の企業を見つけました。既存の常識を覆し、新たな活路を切り開くことを身を持って体現している企業といえるかもしれません。
その名は、「国立ファーム」。

スローガンとして掲げている「農業改革」のため、農業に関連する事業を川下(生産)から川上(流通等)まで全ての工程を一貫して企業内で管理。一貫して管理することにより、生産者・流通業者・消費者の利益バランスを調整した上で、双方にとってより良い農業ビジネスを提示しようとしている。
また、自社を農家(生産者)と位置付け、生産者が主導の経営が可能である実例を企業として大々的に作ることにより、現在の日本の農業の問題点である「生産者の立場の弱さ」を払拭させ、その上で日本での農作物生産者という職業の位置を向上させる事も目的としている。

ウィキペディアより引用。
実はこの企業、展開する事業も興味深いけれど、企業を設立した社長の経歴が面白い。元々アダルトビデオの販売メーカーの代表取締役を担い、10年で10億円もの利益を計上。AV界の革命児と呼ばれていた人なんですね。
そんな彼がなぜ農業界に転進したかというと、モノづくり(農業だけでなくあらゆるモノ)に対する強い情熱とAV業界と農業界に共通する問題点が非常に似ている事に気付いたことがきっかけのようです。
彼は自社のHPにAV業界と農業界の共通するダメなところを挙げ、会社設立の経緯を綴っています。

http://www.kf831.com/history.html

以下引用

●他と同じものを作っていながら、儲からないといっている。
かつてAV業界では、右へならえで似たようなビデオばかりが作られていた。
高橋は、今までの常識をくつがえす、オリジナルなビデオを作り、大ヒットを連発する。
他と同じものを作るから、他と差を付けられず、買い叩かれてしまう。
儲かりたかったら、他と違うものを作るべきだ。
●流通の言いなりになっている。
高橋が参入した頃、AV業界の販売手段は問屋卸がほとんどだった。
高橋は自社流通網を作り上げ、問屋の言いなりにならない構造を作り上げた。
流通に頼らないと売れないから、制作者は流通に逆らえない。
販売手段があれば、流通都合に左右されず、作りたいものを作り、納得が行く価格を付けられるのだ。
●ものづくりが数字を考えられない。
制作者はものづくりへの思い入れが強い反面、数字が苦手な人が多い。
そんな彼らに対し高橋は再三にわたって「金勘定できるようになれ」と言ってきた。
ものづくりが数字にも強くなれば、社会的にも強くなれるからだ。
そうして育った“金勘定もできるクリエーター”はどんどん独立させていった。
●人材が入れ替わらない。
かつて、AV業界は就職市場において不人気で、人材が入れ替わらない業界だった。
業界を成長させていくためには、今までにいなかったような新しい人材が必要だ。
高橋が積極的にメディアに登場し、AV業界のイメージアップを図ると、大学新卒者や、異業種からの転職者など、優秀な人材が入ってくるようになった。
業界イメージが変われば、人材も確保でき、より成長できるようになる。

初めて見たときは当に畑違い?と思ってしまいましたが、非常に面白い分析だと思います。
また、彼の個人ブログにも農業と流通の問題性を鋭く指摘しています。
「営業を他人まかせにしていませんか!?」
「アグリの猫」より引用

ここで僕は農業界の問題点を発見し、チャンス到来を感じました。流通業者の本来の業務は需要と供給の間で負荷なくモノと情報を流すことです。市場の卸業者さんは需要があって初めて仕事が始まるのです。営業は流通の業務ではありません、需要の喚起はメーカーの業務なのです。流通に販促を協力していただくことは大切なメーカーの能力ですが、主体はあくまでもメーカーであるべきなのです。なのに農業生産者はこの重要な業務を既存の勝手知ったる流通業者に期待してしまうのです。
そこで国立ファームは自社商品を消費者にまで自社で宣伝・営業する農産物メーカーになることの重要性に気付きました。自社で営業することによるメリットは多々あります。お客様に直接ご指導いただけることの次に重要なのが、一度信用いただけると他の商品にもご興味をいただけることです。実際にソルトリーフの取引から自社の扱う特選野菜の取引にまで広がっています。物量のない今は、自社便で配達していますが、飲食店で評判を高めてから一般市場流通に広めて行く営業が確実な販売方法なのではないでしょうか。
農業界はこの「メーカー」という言葉を「生産者」と置き換えることで、農業生産者の自立を妨げてきたのではないでしょうか。経営が出来る生産者は自己責任でリスクある「ものづくり」という営利活動を通して利益を求める生販一体のメーカーになるべきです。経営や販売の苦手な個人農家は、生産者の都合ではなく浪費者の都合をパートナーであるメーカーから指導されることで、生産者の付加価値を上げ、経済的評価を上げることができるようになるべきです。


そんな彼が手がける国立ファームは、農作物を作ることだけでなく、生産から販売、消費までの流通システムを構築することを重視しています。「アグリの猫」より引用。

国立ファームが描くシナリオは、特選野菜を美味しいと実感させるレストランを出店して繁盛店として認知させる→他店との差別化のために特選野菜を扱う飲食店を増やす→特選野菜の味の違いと料理法を一般的な(マニアックな野菜好きでない人)消費者が認知する→スーパーで特選野菜のコーナーが充実する→特選野菜の需要が増える。この流れに平行して、国立ファームを特選野菜のブランドとして確立させながら自社物流を拡充させます。そして今からスタートしている国立ファーム生産法人の生産技術力が追いついて来た時に、この物流に合流させるという皮算用なんです。


興味深いのは、「農業⇒まずは、自分達で美味しい農作物を作らなくては」という発想ではないという点です(いい加減な農作物でも良いという意味では当然ない)。
それよりまず成し遂げるべきは、農家の自立を妨げる既存の流通システムをいかに生産者自らが担う流通システムに転換させることができるか?
この生産者本位の流通システムの構築を最大の目的にしている点が、他の農家や農業企業にない経営戦略です。
そのためには、既存の枠に囚われない人材採用に始まり、自社農場の取得、レストランの開店や既存小売店の販売網の連携、農業界活性化の為のイベントを積極的に行ってきています。
そして様々な分野・契約農家の方々と交流する過程で、自社の技術も向上させていこうというスタンスです。
農家の台所
自社が生産する新鮮野菜だけでなく、全国の農家と連携し、直送や地場で仕入れた新鮮な野菜を提供する野菜レストラン。
国立ファーム宅配ボックス
安心・安全だけでなく、市場に出回らない新しい野菜を魅力的な野菜ボックスで配送。
女子大生プロジェクト
農業の活性化・イメージアップを狙い「元気でかわいい女子大生」をターゲットに絞った農業体験の開催。
※HPが充実しているので、是非見てみてください。
まだまだ始まったばかりで、現在は黒字化に向けて日々奮闘中のようですが、「独自技術による生産システムの構築」「全国の契約農家を結ぶ流通網を確立させた独自の流通システムの構築」を目指しており、さらに将来的には、農業を通じて異世代が交流する「ものづくりの村」の設立を構想しているようです。
経済の大転換と共に、日本の農業を改革すべくこのような企業が農業に参入することは注目に値します。
今後とも農業界の動きに注目していきたいといと思います!

List    投稿者 andy | 2009-01-15 | Posted in 14.その他No Comments » 

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