2022年08月16日

生産側・消費側・媒介者の三方に活力や充足を届ける宅配~地元密着のポスティングを事例に~

課題山積の物流業界について、飛脚や倉庫を通じて、モノ・人・情報が集まる場の可能性を考察してきました。

・物流業界における新たな価値。そのヒントはモノ・人・情報が一体となった「流通のありよう」にあった。

・物流拠点も効率化だけでは人が集まらない。倉庫の可能性はモノだけでなく情報も集約できること。

決して効率的ではないかもしれませんが、生産側と消費側を繋いで最適な商品・サービスを媒介し、需要を喚起し、双方の活力や充足を生み出す役割が、ただ運ぶだけに特化した物流には必要と考えています。その活力や評価が主軸となった物流(物流を通じて、そこに取り巻く誰もが活力=評価を得られる仕組み)とはどんなものでしょうか。私の仕事の一部であるポスティング営業を紹介しながら、考察したいと思います。

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私はポスティングの営業を通じて、クライアントや地域の宅配ママさん達とやり取りしています。ポスティングとは、広告・宣伝を目的にビラやチラシを各個宅の郵便受けへ直接投入すること。

特に現代では得られる情報が多分で、主体的に探す・選別する必要があることや、新聞購読率の激減から、役に立つ情報が受動的に届くチラシのポスティングは市場拡大を続けています。※2021年度ポスティング市場 1,283億円(前年比111.0%)

 

地域住民でもある配布員がチラシを届けることで、どう活力や評価に繋がるのか。

例えばスーパーの安売りチラシを店舗周辺に配れば、耳よりの情報を得た消費者がたくさん足を運んでくれますし、お店の売上にも寄与できます。当事者である配布員も一地域住民として利用できますし、自分が届けたことで店舗が盛況になっているのを目の当たりにでき「配って良かった」と誇りに思えます。

よって、企業は地域住民に喜ばれて嬉しい・消費者は商品を安く買えて嬉しい・配布員は生産と消費を繋ぐ形で地元に貢献出来て嬉しい、という三方に活力や充足を地域に生み出すことができます。チラシ1枚の宅配を通じて生産側・消費側・媒介者の三方に活力や充足を届ける、1つの仕組みと言えます。

 

改めて活力を生み出すヒントを押さえると『物流を通じて、そこに取り巻く誰もが活力=評価を得られる仕組み』そして『その場』でした。上記の仕組みではクライアント発の情報発信に留まってしまうため、『双方向のやり取り』つまり地域住民からもお店への期待を発信できる場があれば、さらに良くなりそうです。

特に配布員は、江戸の飛脚のように毎日地元を歩いては、たくさんのモノを地域で見聞きしています。またチラシを受け渡す集配所は、おしゃべりを通じて昔の倉庫のように地域情報を集約することも可能。そういった情報は店舗アンケートや消費者リサーチでは得られない、地域の正直な声として有用なのではないでしょうか。

お店はその声をもとにサービスの改良・改善の方向性が見えますし、意見を交わした消費者もやり取りを通じてお店が良くなれば、さらにお店のことを応援したくなるやもしれません。これも活力や評価が主軸となった、1つの仕組みでしょう。

 

ここから、クライアントと地域住民が共創するワークショップなるものを画策しています。

お店にとっては社外の第三者と議論することで、新たな柔らかい視点が生まれたり、戦略から施策実行までの合意形成過程から実行のスピード感を高めることにも繋がります。そこですべての参加者が能動的に意見を発言しやすい場を作ることができれば、地域住民にとってもお店に対して更なる期待感を持つことができます。応援の形が実際にお店に反映されれば、住民はもっと応援したくなるのではないでしょうか。参加者の数だけ口コミを拡げるファンに成れ、地域の戦略パートナーを増やす可能性を秘めています。

実際に同じ場に生産者と消費者がいた方が良いのか、媒介者が必要ではないか、などワークショップをするまでには具体的な詰めや魅力化も必要ですが、こういった追求から私も更なる実践に入りたいと思います。

List    投稿者 momoki | 2022-08-16 | Posted in 14.その他No Comments » 

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