マイクロクレジットを食い物にするNGO
写真は ここ から
マイクロクレジット~グラミン銀行~その三~ の
末尾で記した“アメリカ、NGO、メディアの影がちらつくことだ。”
と危惧していたことが、的中しているかも知れないと思うような記事が見つかったので紹介したいと思います。
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■マイクロクレジット
エンパワーメントか、債務の女性化か?(前半) (後半) より
グラミン・バンク
グラミン・バンクは1976年にチッタゴン大学教授のユヌス氏によって始められた、貧困層を対象とする小規模融資機関である。当初、その活動はなかなか軌道に乗らなかったのだが、男性がほとんどだった融資対象を女性にも拡げ、そしてその女性達がそれまでの常識を覆して驚異的な返済率を達成するに至り、開発協力業界に彗星のごとく現れた「貧困緩和のためのすごい銀行」として注目を集めるようになった。
(中略)
80年代後半、援助が見込まれた成果を生まず、いつ終わるともしれない資金援助にフラストレーションを募らせ、「援助疲れ」状態にあったドナーにとって、投入した資金が持続的に回転するどころか膨らみもするという点で、マイクロクレジットは願ってもない理想的な支援形態であったし、女性への効果的な支援を各援助機関が模索しつつあった時期に、「バングラデシュのような国で」「教育レベルの低い」女性達が示した借り手としての有能さは、こうした方法を通じて女性を支援することを多くのドナーに考えさせることとなったのである。
グローバライゼーションの波に飲み込まれた農村
アクター氏のペーパーは最後に、マイクロクレジットを通して、バングラデシュの農村の人々がグローバライゼーションの波にのみこまれていく様子を紹介している。多国籍企業が、途上国の農村部への市場拡大の足掛かりとしてマイクロクレジットに目を向け出したのである。
現在、グラミン・バンクはテレノール(ノルウェー)や丸紅と提携しており、農民は携帯電話を買うために融資を受けている。BARCはACIやマクドナルドと提携し、ハイブリッド種子販売のために融資を提供している。グラミン・バンクはモンサントとの提携も模索しているようであり、そうなれば農民は融資と引き換えに同社が技術開発した品種を買うことになるだろう。
グラミン・バンクのユヌシ氏は「適切に利用すれば、技術は物理的距離や文化的差異の壁を越えて、貧困層に経済的利益をもたらす。携帯電話を手にすることで貧しい人々も瞬時に世界中とつながれる。」と確信しているようである。しかしちょっと楽観的すぎないだろうか。
特に種子の販売といった点については、特許を多国籍企業が握っているために永久に種子を買い続けざるを得ない状況に追い込まれたり、安全性について大きな議論がある遺伝子組み替え食物が知らない間に途上国の農村部に流れ込んだりという問題を引き起こすことが心配される。
携帯電話にしても、利点は認めないでもないが、これがデジタル・ディバイドの解消につながるのだろうか。結局のところ、得るものが多いのは多国籍企業とグラミン・バンク本体で、農民ではないと感じるのは私だけだろうか。
隠れた政治的意図?
「貧困層の」「女性が」「驚異的な返済率を達成する」貧困緩和の特効薬として、開発協力業界の一大潮流となったマイクロクレジット。現在も世界の多くの場所で、政府機関、NGOの双方が多大な資金を投入している。
ここで、
NGOの活動の実態を一部を紹介したいと思います。
NGOで活動していた学生さんの話が、るいネット
『NGO活動をしている学生も、その活動に疑問を感じている』 に書かれています。
欧米(特にアメリカ)による途上国からの搾取構造の原型は、帝国主義時代のプランテーションにある。
①自給自足的な地域共同体を破壊し、カネが無くては生きていけない状況に人々を追いやる。
②地元に傀儡を立て、地元民を低賃金で雇って本国で売れる単一作物を作らせる(あるいは、天然資源を開発させる)。天然ゴム、タバコ、コーヒー、パーム油、茶葉、綿花など、趣向品が多く、もっぱら食糧にならない作物が多い。それらを安く買いたたき本国に持ち帰って高く売る。
③逆に、生活必需品などは、多国籍企業が安価に大量生産したものを提供する(途上国の人々は金を出して買うしかない)。食糧についても、本国の余剰生産物を売りつけることによって、途上国の農業生産を根底から破壊する。
④学校、教育機関などを整備して、「自由」「個人主義」などを洗脳し、共同体破壊を促進。さらに、グローバルスタンダードの社会的ルール(「法律・時間・規則などは守るべき」など)を叩き込む。つまり労働者としての従順なメンタリティー(奴隷根性)を植えつけ、労働市場の基盤整備をする。
⑤道路・流通網、ダムなどのインフラ整備。当然、土木事業は本国のゼネコン土木業者等が受注し、地元の低賃金労働者を遣う。インフラ整備自体も、多国籍企業が参入し儲けやすい基盤を整備することが真の目的である。
アメリカなどの先進国は、このような途上国社会の破壊を「開発援助」という美名のもとに行っていく。
その典型的事例が、1960年代から1970年代にかけて盛んに行なわれた「緑の革命」である。
「開発を援助する」というのは、自分たち資本主義陣営に途上国を取り込み、そこから搾取するための方便であった。
合わせてこの2作も読んでおきたい。
援助が貧困を生んだ
しかし、1990年に2億3000万人だったアフリカの絶対貧困層は、2001年には3億1000万人に増えている。
しかし、現状のNGOの活動は一方的な援助でしかなく、その場しのぎのものでしかなかった。結局、根本的には何も解決にもならない、また、将来の可能性が見えない。!
マイクロクレジットだけを見れば、その一、その二でみたように相互扶助的優れた融資方法であるとも見えるが、NGOが組み込まれることによって、『援助』という聞こえのいい名の下に多国籍企業と提携し市場化へ、そして市場の奴隷から抜け出せない=国際金融資本家という“金貸し”たちに吸い上げられる橋渡しになっている可能性がある。
<補足>
●なぜ、融資先が女性なのか?なぜ、女性だと返済率が高くなるのか?
同じリンク先より
女性へのシフトは80年代後半から顕著となり、1992年にはグラミン・バンクの融資利用者の93%、バングラデシュを代表するもう一つの巨大NGOであるBRACの融資利用者の74%が女性であった。現在では、グラミン・バンクは女性を対象とする金融機関となっている。このように女性が有能な返済者となった理由として挙げられているのは、女性が家から離れることが少ないバングラデシュでは女性の方が毎週のミーティングに出やすい、また同じ理由で居場所をつきとめて返済の取り立てを迫ることも容易、女性の方が決まりを従順に守る、返済を滞らせないようにとの他のグループメンバーからのプレッシャーにも女性は弱いといった点である。
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コメント2件
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