2008年09月23日

「どうすれば、日本のようになれるか教えて下さい」

閑話休題。『頂門の一針』「ロシアから日本を見れば」(伊勢 雅臣氏)を紹介します。
ロシア在住の北野幸伯(よしのり)氏の近著『隷属国家日本の岐路』を伊勢氏が紹介した文章。ロシア人をはじめとして世界の人々が、日本にどれだけ期待しているかが伺える一文です。
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■3.末期ガンに冒された王様を杖が支えている■
現在の日本について、ロシア人はどう見ているのか[1,p236]。
数年前、フラトコフを首相にするようプーチン大統領(当時)に進言した、ある有力者と会った時のこと。その人は、ロシアのトップが世界の構造をどう見ているか話してくれました。彼は、「世界の構造を一言でいえば、末期ガンに冒された王様を杖が支えている状態だ」といいました。・・・ 「王様とは、覇権国家だが、世界一の債務国アメリカ。それを支えるのが日本の資金力」
アメリカのトップは、たとえ、こんな見方をしていても、絶対に口外しない。したがって日本人がアメリカからの情報に頼っているだけでは、こういう「搾取構造」には気がつかない。その有力者は、王様(アメリカ)から杖(日本)を取れば、アメリカは破産し世界恐慌になるので、そんな事は望まないが、として、「・・・しかし、私がいいたのは別のことだ。なぜ日本は、そんなパワーをもちながら、アメリカのいいなりになっているのか?」
私は即答できませんでした。金を貸してやっている国が、なぜ借りている国のいいなりになるのか。これも他国民から見れば「絶対理解できない」日本のお人好しぶりの一つだろう。

■4.日本は世界で最も好かれている国の一つ■
しかし、ロシア人が日本人を理解できないからと言って、日本人が嫌いなわけではない。逆である。ロシア人は日本人が大好きなのです。また、同じ大学にいた東欧、アフガニスタン、ユーゴスラビア、カンボジアなどの学生も、日本に好意的。90年代のはじめ、中央アジアのキルギスやウズベキスタンを旅した時は、まさに神のような扱いを受けました。[1,p238]
それなのに、日本人は「自分たちは世界で嫌われ、孤立している」と信じて込んでいる。これも戦後、アメリカに植え付けられ、さらに近年は近隣諸国から植え付けられた自虐史観の結果だろう。私は長年人種のろつぼ・モスクワに住み、いろいろな国で様々な人に会い、日本は世界で最も好かれている国の一つであることを確信しています。
北野氏は、この理由として以下の4点を挙げている。
1)驚異的経済発展  2)貧富の差が少ない  3)日本人の謙虚さ、礼儀正しさ 4)無条件の支援

■5.「どうすれば、日本のようになれるか教えて下さい」■
最初の「驚異的経済発展」について、北野氏は次のような体験を語っている。[1,p239]
キルギスに行った時、政府の高官から「日本人はキルギス人と同じような顔をしている。しかし、私たちの給料は日本の150分の1しかない。どうすれば、日本のようになれるか教えて下さい」といわれました。エジプトで会った若い現地人ガイドは、「日本人をはじめて見た」と喜び、「ドキュメンタリー番組で、日本の戦後復興を特集していたよ。エジプトは、僕が生まれた頃とちっとも変わらない。どうすれば日本のようになれるか、教えてくれないか?」と聞かれました。
いきなり質問を受けた私は、とっさに「結局国が繁栄するかどうかは、国民1人ひとりの意識にかかっているんだ」と答えます。自分自身「つきなみな回答」と思いましたが、彼は目をウルウルさせてうなずいていました。現代世界は人種差別は少なくなったとは言え、まだまだ「白人の支配する世界」である。その中で世界有数の経済大国になった日本は、有色人種にとって、自分たちも努力すれば日本のようになれる、という「希望の星」なのである。

■6.「共産主義の理想は、日本で実現した」■
第2は「貧富の格差が少ない」と言う点。
ソ連をはじめとする共産主義国は、「国民全員が平等に豊かになること」を目指しました。そして、日本のことに詳しい研究者は、GDP世界2位であること以上に中流階級に属すると考えている」という意識調査に感動したのです。「共産主義の理想は、ソ連で実現しなかったが、日本で実現した」というわけです。[1,p240]
しかし、最近はアメリカ流の市場万能主義が世界で広がり、日本でも貧富の差が広がってきている。世界から尊敬されるためには、豊かで、なおかつ貧富の差が小さいことも条件であることを知っておきましょう。事実、「貧富の差の少ない北欧に学ぼう」という意見も出てきています。最近、あるロシア人研究者(女性)が、「日本は理想の 国だったのに、最近は貧富の差が開いてダメね。ロシアは目標とする国を失ったわ」と嘆いていました。

■7.「あなたたちを見て発展するのが当たり前だとわかったわ」■
第3に「日本人の謙虚さ、礼儀正しさ」。北野氏の知り合いのロシア人女性は、日本人男性と結婚してその後、別れたが、後悔するどころか、「次も絶対に日本人と結婚する」と断言。北野氏がその理由を聞くと:
日本人は謙虚でいい。レストランで会社員が何人か座っていても、誰が社長か部長か見分けがつかない。ロシア人は金ができて地位が高くなると、傲慢になっていばり散らすから、すぐに誰が社長かわかる。それでロシア人は金と地位ができると、傲慢になって女を物のように扱うようになるのよ。[1,p241]
北野氏がモスクワ国際関係大学に在学中、通訳のバイトで中央アジアに行った時、一人のウズベキスタン女性はこう語った。
あなたたちは、言葉がきれいだ。一緒に仕事をしている間、一度も汚い言葉を使わなかった。それと、相手の地位にかかわらず全ての人にやさしい。日本のことは、遠い国でお金持ちの国だと聞いていたけど、あなたたちを見て発展するのが当たり前だとわかったわ。[1,p241]
「驚異的な経済発展」も「貧富の格差が少ない」も、こうした謙虚さ、やさしさの賜物だろう。

■8.「日本はナスタヤッシー・ドゥルック(真の友)だ」■
第4に「無条件の支援」。ソ連崩壊後、日本もアメリカも旧社会主義国を支援してきたが、あるロシア科学アカデミーの教授は北野氏にこう語った。
「アメリカは、金を貸すときに本当に細かい条件を出す。 政府がこれこれの改革を実行すれば金をやるという具合にね。」・・・
私は、同じような話を世界のあちこちで聞きました。何はともあれ、アメリカは支援するにあたって、自国の改革案を高圧的に押し付け、他国民のプライドを傷つけているようです。教授は、「そういう意味で日本はナスタヤッシー・ドゥ ルック(真の友)だ」といっていました。つまり、日本は金を貸す際、借りる側のプライドを傷つけないということです。[1,p243]
これも、日本人の謙虚さ、思いやり深さのあらわれだろう。

近い将来予想される経済破局とは、金融世界の終焉であり、虚構の金融世界を作り上げてきた西洋文明の終焉の始まりであると私は考えている。その後の世界の先導役となるのは日本しかないとも思っている。『るいネット』「先進国(=自分たち)の役割」より引用。

「発展途上といわれる国々」は、市場のシステムの中では“途上”なのであって、共同体が悉く破壊されてしまった先進国よりも、本源的・共同体的なつながりを残しているところが多いですよね。それを破壊してそれを破壊して市場に組み込まれれば滅亡しかないことを分かっているのなら、守るべきものは何かを教えるのが先進国の役割だと思います。また、現代の衰弱しつつある市場の先導役を担っているのは主に先進国です。市場が衰弱していくのなら、それに替わるシステムを市場を超えたところで考えなければならないのではないでしょうか。

伊達氏の記事はその可能性を確信させてくれる。ロシアの人々以外の世界中の人々にとっても、とりわけ有色人種の人々にとって(もしかしたらアメリカの一般の人々も?)、日本は「次代の期待の星」なのではないだろうか。経済破局が迫る今こそ、全ての日本人に伝えたいことである。
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-09-23 | Posted in 14.その他8 Comments » 

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コメント8件

 さいゆー | 2008.12.11 20:44

>米国の対外債務2000兆円→1000兆円に減る
って、要するに半分はデフォルトしたってことですよね。しかも旧:新が2;1、新ドル対他国通貨は、これまでのレートと同じであることを、固定的な管理通貨制度として行なう必要がある。結局「有無を言わさず踏み倒す」ってことで、「それほどヤバイ」ことを全世界に表明して、見逃してもらわなければならない。
これで米国の覇権は終わりです。この制度を実行した途端米国はG20で最下位(若しくはそれ以下)の破綻国の認定を受けることになるでしょう。
で、やりますかね?

 匿名 | 2008.12.13 21:15

借金国であるがゆえに得をするルールに変えるという、アメリカが考えそうな策ではあると思う。
しかし、現実的には、アメリカだけが得をすることを、中国を始め他国が認める可能性は無いのではないか。

 ケーイチ | 2008.12.13 21:23

借金返済に行き詰まった挙句、借金国ゆえに得をするルールに変えるというのは、いかにもアメリカが考えそうな策ではある。
しかし、金融破綻を引き起こした張本人であるアメリカが最も得をする策を、中国を始め他国が認める可能性は無いのではないか。

 おじさん | 2008.12.16 21:40

借金で苦しんでいる国を金持ちの国が助けるのは、当然ではないのか?金を持っているのは、アラブ諸国・中国・日本であり、借金している国は、大多数の後進国とアメリカ及び西洋諸国という構図では、ルール変更も可能との共通認識が成立する可能性もあるのでは。

 VMAX | 2009.06.01 12:33

多重債務者が、債権者に金を返さないのは、古今東西を問わず、歴史の鉄則。ニクソンショックの時と同じく、諸外国にどう言われようが知ったことじゃあない。米国なら涼しい顔をして、やるでしょうね。

 VMAX | 2009.06.01 12:35

多重債務者が、債権者に金を返さないのは、古今東西を問わず、歴史の鉄則。ニクソンショックの時と同じく、諸外国にどう言われようが知ったことじゃあない。米国なら涼しい顔をして、やるでしょうね。

 VMAX | 2009.06.01 12:36

多重債務者が、債権者に金を返さないのは、古今東西を問わず、歴史の鉄則。ニクソンショックの時と同じく、諸外国にどう言われようが知ったことじゃあない。米国なら涼しい顔をして、やるでしょうね。

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