2008年04月20日

日本的思考、美的感覚の中心には論理思考があった。

梅原猛氏と藤原正彦氏の対談㊤「こどもたちの教育」の記事が新聞に掲載された。大変興味深い記事なので、紹介したいと思います。
%E8%97%A4%E5%8E%9F.jpg藤原正彦氏
%E6%A2%85%E5%8E%9F%E7%8C%9B.jpg梅原猛氏
読売新聞2008.4.10
以下記事をそのまま引用します・・・
「脱ゆとり教育」への転換を図る小中学校の新学習指導要綱が先月末、官報で告示された。
主要科目の授業を増やし、言語力や道徳教育の充実などを盛り込んだが、これらをどのように進めていくかは明確にされていない。子供たちの教育には何が必要なのか。
哲学者の梅原猛氏と数学者の藤原正彦氏に語り合ってもらった。

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梅原:実は中学4年で文学にかぶれるまで、私は数学少年だったんです。その数学の専門家のあなたが、『祖国とは国語』は書いておられる。非常に興味深い。

藤原:小学校で必要なのは圧倒的に国語力だと思うんです。論理的思考、これは言語、語彙を使う行為です。国語力があって初めて文学、歴史、思想、芸術へと世界が広がり、深い思考に到達するというのが持論です。

梅原:ただ国語はもう少し面白く教えんとね。もっと題材を選んで欲しい。『徒然草』『方丈記』もいいが、親鸞や日蓮の手紙もいい。宗教だから教えないというのは間違っている。

藤原:私の主張も、国語教育の大改革というのが大前提。宗教はともかく、宗教心は絶対に必要です。それがないと生も死も考えることのない、人間として欠けた者になる。数学も何の役に立つかわかりにくい学問ですが、そこには美と調和がある。福井健一先生がフロンティア理論を発見された時、「中学で習った幾何が一番役たった」と言われた。幾何の息を呑むような美しさを通して、論理的思考の威力にふれ、考える喜びを知ったことが、ノーベル賞に結びついたのではないでしょうか。

梅原:福井先生は、小学校の時は『ファーブル昆虫記』に夢中で、中学校では夏目漱石、大学時代はポアンカレ(フランスの数学者)に夢中になって。そして大学を出て、応用科学者なのに今度は量子理論に夢中になった。ノーベル賞を取ったのはファーブル、漱石を含めた趣味の学問が生きていると言っておられた。

藤原:広い教養とはそういうもの。だが今は小学校から大学まで、役立つ学問ばかり重視する。これでは大きな人間も文化も生まれない。

梅原:国語も私たちの時代はまでは、中学で漢文時間に『十八史略』なんかを読んで大変感動した。ちょうど西洋のギリシャ語、ラテン語教育が日本は漢文教育だった。そういう教養がないと、本当の独創性は生まれないだが・・・・・。

藤原:500年もわが国独自の読み方で親しまれてきた漢文はもう日本文化ですね。漢詩と漢文のリズムのなかに日本語の美しいリズムの典型があります。これは教養であるばかりか、独創性とも関係があると思い始めているんです。

梅原:湯川秀樹先生も「祖父が漢学者で、子供の時にさんざん漢文を読まされた」と言ってましたね。

藤原:そうですね。全然分からなかったけど、中間子理論の時に「荘子を読んだことが非常に役に立った」とおしゃっていた。漢文古文は大人になった時に、教養の厚みとして人間の底力を生むと思います。
数学でも最も重要なのは美的感受性です。三角形の内角の和は海底に書こうと山の上に書こうと、百万年前も百年後も常に180度だ。永遠の美に感動する心は文学や自然に対する、日本人の情緒と深い関係があると思う。

梅原:あなたの書いたものを読むと、人間を見る目、人間批評が非常に的確だ。それから、自然の美に対する感受性にびっくりする。

藤原:日本人が世界に誇るべきは、繊細な美をたたえる自然に育まれた類まれな美的感受性です。日本のモノづくりが世界一だというのも、この美的感受性があるから。文化芸術は勿論、科学などあらゆる営為の中心に美的感受性がある。そしてその感性の根本に、自然美がある。

梅原:日本文学の美しさは、自然と人間の美をうたうことにある。『源氏物語』が11世紀に出来たのは、本当に奇跡だ。それから、私がいま研究している能の大成者、世阿弥が素晴らしい。そして歌。『万葉集』の柿本人麻呂の恋歌、この系譜が『古今和歌集』『新古今和歌集』へとつながっていく。自然と愛の美、これなくして日本文化の伝統はあり得ない。

藤原:しかも表現が控えめですね。能は写実性がほとんどなく、多くを想像力にまかせる。俳句だって、説明せず、ちょこっと見せるだけで。そんな奥ゆかしさも、日本文化の特徴ですね。日本人が自身を取り戻し、独自の文化に親しむ社会になればいいのですが。

・・・・以上引用
この対談で言われている重要なことは、従来からの日本美や美的感受性、自然思考から、漢文など古来日本で行われてきた教育システムの中心に論理的思考、構造論理を育んできた風土がある、それが世界で突出してきた日本人のもの造りなどの創造力を生み出した源泉である、と言うことであろうか。
それは今までの明治期以降日本が模範として取り入れてきた欧米文化からの教育システムの、知識の詰め込みやノウハウ的教育とは対極にあり、それこそが今まさに子供たちに求められている教育の中身ではないか。
子供のみならず、このブログの目的である「日本を守るのに右も左もない」為の我々大人自身が学ぶべき、必要な論理思考であると思われる。

List    投稿者 tabtab | 2008-04-20 | Posted in 14.その他4 Comments » 

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