2011年02月19日

父権制への転換仮説(西アジア)

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画像は『縄文と古代文明を探求しよう』からお借りしました。
「西アジアにおける牧畜の起源と伝播過程」「西アジアにおける遊牧の起源と伝播過程」の発掘事実を踏まえて、西アジアの遊牧部族が父権制に転換した理由、その仮説を提起します。
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年代の色は、寒冷期:青温暖期:橙高温期:赤

9000年前 温暖期で北緯35度以北は乾燥化。
北緯35度よりやや北のユーフラテス河中・上流域で牧畜開始、西アジア。乾燥化によって狩猟の対象であったガゼル等が減ったためと考えられる。
8600~8000年前のサグロス山脈の南西側斜面(イラク側の斜面)のジャルモ遺跡で地母神像などが出土していることから考えて、この段階では母権制。

8200~7800年前 急速な寒冷化→北緯35度以南は急速に乾燥化→農耕部族が流浪し遊牧化。
参考:「西アジアの気候変動(2万年前~5800年前)」

8200~7800年前までつづいたミニ氷河時代は、エウクセイノス湖(現在の黒海)からユーフラテス川にかけて存在した多くの農耕共同体にとって大惨事となった。太陽はくる月もくる月も、もはや肥沃ではなくなった大地を執拗に焦がしつづけた。雲一つない空から砂埃が降り注ぎ、湖も川も干上がり、死海はこれまでになく水位が下がった。農耕社会は容赦ない干ばつのなかで、縮小するか消滅していった。多くの人びとは牧羊業に鞍替えし、昔ながらの飢餓対策手段に訴えて住む場所を探し求めた。乾燥化と寒冷化の被害の少ない土地へ移動し、そこで家畜を飼って細々と生活したのである。

この段階では、コーカサス・アナトリア地方は森林で狩猟部族が生存。
イラン高原はほとんどが砂漠で、無人だったと考えられる。

参考:『るいネット』「モンゴル高原とイラン高原の気象条件の違い」

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「モンゴル高原の遊牧」
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「イラン高原の遊牧」
画像はともに『縄文と古代文明を探求しよう』からお借りしました。

7800~5700年前 最温暖期
北緯35度以北のアナトリアやコーカサスは乾燥化。それに以上に打撃を受けたのは黒海水没。それに伴い、コーカサスやアナトリアの狩猟or牧畜部族が四散。その一部はそれまで無人だったイラン高原へ。
ここで、イラン高原の環境に着目する必要がある。それ以前は人類が生存できないほど過酷な環境だったが、最温暖期になると辛うじて生存可能になった。それでも、一部のオアシス(→農耕)を除いて、家畜に食わせる餌=草に乏しい。そこで斥候部隊(男集団)の長期遠征が必要になり、父権制へ転換する。
参考:『るいネット』「9/23なんでや劇場 (2)~私権意識の成立構造」

遊牧部族は元々は牧畜集団だったが、乾燥化など自然環境の変化で食えなくなると、母集団(拠点集団)から斥候部隊を派遣することになった。斥候とは危険な課題なので男だけの集団である(これがそれまでの共同体集団と違う点)。生産力という点では一箇所に止まるよりも移動した方が有利であり、それ故、派遣部隊(男部隊)は次第に規模が大きくなり、移動距離も長くなり、滅多に母集団に帰ってこなくなる。そこで性の問題が発生する。母集団が帰ってきた時に女を供給していたが、移動距離が長くなると、派遣集団が母集団に「女をよこせ」と要求するようになり、こうして父系嫁取り婚を共認した史上初の父系集団が登場した。
そこでは、遊牧部族の生産手段である羊等は氏族の所有物となってゆき、さらには婚姻を通じて発生する婚資(婚姻料、娘の持参金)は氏族の共有物でさえなく、家族や個人の所有物となっていった。このように遊牧部族はかなり初期の段階から、私有権が共認された私権社会に転換している。
なお、氏族レベルの私有意識は婚姻制度とは関係なく成立するが(但し、父系嫁取り婚は氏族の自我・私有意識を大いに高めた)、個人レベルの私有権は、婚姻制度を媒介にしてはじめて成立する。

このように、
7800~5700年前の最温暖期に辛うじて生存可能となったイラン高原において、父権制遊牧部族が登場した。これが父権制への転換仮説である。彼らは元々はコーカサスやアナトリアにいた狩猟(勇士婚)部族or狩猟派生の牧畜部族であったと考えられる。そして、その中にはセム語族やハム語族だけではなく、印欧語族もいたであろう。
一方、この最温暖期には北緯35度以南は湿潤化した。北緯35度以南の遊牧部族は砂漠の草原化に応じて拡大するが、以前と変わりなく母権制を継続していたと考えられる。遊牧化の兆候が指摘されるレヴァント南部のヤルムーク文化では7500~7000年前の地母神像が出土していることから考えて、この段階でもまだ母権制。その後の略奪闘争から早々とアラビア砂漠に逃げ延びた遊牧部族はその末裔で、その後も母権制を続けた可能性がある。

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画像は『今を知る為の歴史探求』よりお借りしました。

5800年前以降 寒冷化
5500年前、イラン高原では、少数のオアシスに遊牧部族が集中。まだ戦争(殺し合い)のタブーが働いているので、すぐには戦争は起こらないが、睨み合いになるのは必然である。その間に次々と遊牧部族がやってくる。そして、食糧危機が限界に達し、飢え死寸前まで追い詰められた部族から突撃が始まる。それを見た周辺部族も突撃を開始し、皆殺し戦争が始まる。これが人類最初の戦争の起源である。

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List    投稿者 staff | 2011-02-19 | Posted in 14.その他5 Comments » 

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コメント5件

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