日本待望論
先週の日曜日、今日は、なんでや劇場に参加する、と中1の娘に言うと、「何の話するの?」。
「金融危機」って答えると、「あっ、知ってるー」。とまぁ、イマドキの中学生まで関心大の今回の
金融危機。
それを「覇権国家」という視点から論考している記事がありましたので、
紹介します。
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以下引用はhttp://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20081020
一般的に言って、GDPという尺度で測ると、国土が広くて、人口が多い国の方が有利になる。私たちは、ともすれば、覇権国家や超大国と聞いて、米国や旧ソ連や中国など、広大な領土と膨大な人口を持った国を思い浮かべがちであるが、英国、オランダ、スペインといった、かつて世界の海を支配した覇権国家は、領土も人口規模も小さい国であったことを考えると、覇権国家の条件を考え直さなければならないであろう。
覇権国家の条件としては、GDPよりも1人当たりのGDPの方が重要である。1人当たりのGDPをみると、1820年から1910年まで、英国が主要国の中でトップで、1920年以降は、米国がトップである[GDP表:1人当り実質GDP]。これは英米がそれぞれ覇権国家であった時期とよく一致している。もとより、1人あたりのGDPだけで覇権国家かどうかが決まるわけではない。ルクセンブルクは1人あたりの名目GDPが世界一だが、この小国が覇権国家だと思う人はいない。
では、覇権国家の条件は何か。世界を支配する権力の源泉は何か。権力には、文化資本、経済資本、政治資本という三つの源泉がある。覇権国家は、科学技術力、経済力/金融力、政治力/軍事力という三種類の権力において、他の国に対して優位にあるのだが、私は、過去の覇権国家の盛衰から判断して、科学技術力の優位が経済力/金融力の優位をもたらし、経済力/金融力の優位が政治力/軍事力の優位をもたらすと考えている。
著者は科学技術力を最も基底部に置かれています。
単純にノーベル賞の受賞数でいくと、(少なくとも今までは)アメリカ、
ということになるのでしょう。
戦争の勝敗は、覇権国家の盛衰に対して、二次的な影響しか与えない。一次的な影響を与えるのは、先端的な産業における主導権である。私は、この観点から、覇権をめぐる列強の争いを、次の三法則で説明してみたい。
1 その時代が要求する先端技術のパラダイムで主導権を握った国が、覇権国家となる。
2 先端産業の担い手を迫害する国は権力を弱め、彼らが移住した国は権力を強める。
3 古い技術から新しい技術へとパラダイムが変化する時、古いパラダイムで成功した国は、変化に乗り遅れやすくなる。(中略)
つづいて著者は中国が覇権国家となる可能性について言及されています。
中国は人口が多いので、優秀な人材も多く、彼らが米国で先端的な科学技術を学んでいるのは事実であるが、それにもかかわらず、中国国内ではいっこうに先端産業が育っていないのは、人材や技術に問題があるからではなくて、社会システムに問題があるからだ。
中国のような社会主義経済は、第二次産業革命を遂行する上では効率的ではあるが、情報社会における先端産業を育成するには、社会主義を脱して自由で民主主義的な政治システムに移行する必要があるのだが、中国が現在の共産党による独裁体制から脱却することは、日本が従来の開発独裁体制から脱却する以上に困難である。
中国が永遠に覇権国になれないというわけではないが、あと10年か20年で覇権国になるというのは無理である。短期的には、まだ日本の方が、覇権国になる可能性が高い。日本は、中国と比べて国土が狭く、人口も小さいが、オランダや英国よりも国土も人口規模も大きいのだから、それが理由で覇権国になることができないということはない。
中国をばっさり切った上で、日本の可能性を示しています。
国外の領土を政治的に支配することはできないが、株式を取得して海外の企業を経済的に支配することならできる。海外の労働者が稼ぐ利益の一部が本国に上納されるのであるから、これは経済的帝国主義である。情報社会の時代における経済的帝国主義の維持には、工業社会の時代における政治的帝国主義の維持の時とは異なって、強力な軍隊などは必要でない。
工業社会の時代においては、各国の国民経済は自立性が高くて、経済制裁はあまり効果を発揮しない。しかし1970年代以降の情報社会においては、グローバル化とボーダレス化が進むので、各政治単位の経済的自立性が低くなり、経済的帝国主義に対する反乱は、経済制裁だけで鎮圧することができるようになった。
経済的帝国主義に対する反乱は、武力ではなく経済制裁だけで鎮圧することが
できるというのは、説得力を持ちます。少なくとも武力による完全制圧は今や不可能
であると、イラクやアフガンを見ていて思います。
経済帝国主義の反乱者を鎮圧するためには、軍隊を送る必要はない。経済制裁と市場原理により、反乱者は自滅してくれる。
経済帝国主義は、覇権国が技術や資本を提供する代わりに、その対価を受け取るという互恵的な支配関係であり、暴力なき権力に基づいている。暴力がなければ維持できない権力よりも、暴力がなくても維持できる権力の方がはるかに強力であり、持続可能である。
米国の覇権が後退すると、世界が無秩序化し、安全保障がおろそかになると危惧する人もいるが、9/11以降の世界情勢を見ると、米国の覇権が衰えた方が世界は平和になるのではないかと思わざるをえない。日本が、経済制裁をすることはあっても、軍事力を行使しない覇権国家として世界を支配することは可能であるし、世界各国もそのような覇権国家を歓迎するだろう。
日本は、世界の「期待の星」、ということではないでしょうか。
だとすれば、今回の金融危機をテコに、日本が世界を変える。
「覇権」という言葉にはひっかかりますが、長い歴史と国民性に裏付けられた日本の本領発揮が
待たれているのは間違いないのではないでしょうか。
最後に、日本が覇権国家になるにはどうすればよいのかを考えてみたい。日本が覇権国家を目指すのであれば、食料、新エネルギー、環境といった、焦点となっている分野で、技術的に主導権を握らなければならない。だからといって、政府が大学や関連企業に補助金をばら撒くといった工業社会型・開発独裁型の「振興策」をとるべきではない。民主党は農家に所得補償をすることを公約にしているが、こうしたばら撒きもするべきではない。
うらら
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コメント14件
しのぶ | 2009.01.18 1:01
その対話する中身が問題なのにね。。。
ヘンプヒルズ | 2009.01.18 1:12
イスラエルのガザ攻撃が長引けば、石油高騰の影響がある。それはオバマの裏に居る金貸し(ロスチャイルド)にとっては都合がよろしくないのでは?
結局、オバマはイスラエル、そして中東をどうしようとするのでしょうね?
匿名 | 2009.01.18 9:18
オバマは、アフガン戦争は明言してますね。問題は、イラン戦争を行うかどうか。核保持の疑惑があるイランと公選する覚悟があるのか。
ななし | 2009.01.18 22:44
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ロス茶は金貸しだけでなく石油産業も持ってませんでしたっけ?
ななし | 2009.01.19 11:25
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イランにまで戦線拡大するとして誰がその戦費を払うんでしょうかね。
日本はもう米国債買い増す余裕なんてないでしょうしね。
今、米国債を買う余裕があるのは中国だけでしょう。
その中国が産油国を敵に回すような事をするかどうかですね。
中国は今独自外交で資源国との関係強化に努めてる最中ですし。
対米関係と対資源国との関係と秤に掛けてる最中でしょうか。
taku | 2009.01.19 14:25
アメリカの自己都合ではイラン・アフガン戦線は維持出来ないので、他国も巻き込まれる形-ペルシャ湾の封鎖とか、核の拡散とかが起きるのでしょう。
言われたままに金を出す国はもはや日本一国だけになってしまいましたから。
無名天地 | 2009.01.20 17:47
Obama and US Foreign Policy
大統領:バラック・オバマ 副大統領:ジョセフ・バイデン ホワイトハウス 大統領首席補佐官:ラーム・エマニュエル 国家安全保障担当大統領補佐官:ジェームズ・…
緑一色 | 2009.01.20 20:07
いよいよ今日(日本時間では21日)にオバマ大統領の就任式、演説がありますね。
オバマ大統領が誕生して、中東以外でも北朝鮮や中国との外交がどの様になっていくのか、今後の動きに注目ですね。
米流時評 | 2009.01.20 22:50
勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
||| 勝者なき闘い・ガザ戦争 |||
イスラエルもハマスも勝利を宣言する、中東の終わりなき民族抗争
明日に迫ったオバマ新大統領就任式と、…
匿名 | 2009.01.20 23:50
オバマは中東と経済政策にかかりっきりで、北朝鮮に対して日本の都合の良い政策は期待できないでしょうね。
北に対し強硬な対応をするとすれば、イランへの武器供給ルートを断つくらいかな。それもロシアを封じ込めないとイランは押さえられないのであんまり効果はないのかも。
米流時評 | 2009.01.23 1:28
ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪
||| ガザ休戦とイスラエルの戦争犯罪 |||
イスラエル軍ガザから全面撤退後も国境常駐で臨戦態勢、ハマスとの緊張消えず
国連人権委員会「イ…
taku | 2009.01.27 21:00
記事中の観測とは異なり、中東特使は強硬派のジョージ・ミッチェルが任命され、ロス元特使の影は薄くなってしまいました。
the andora Bracelets here | 2014.03.12 8:24
日本を守るのに右も左もない | オバマ政権 中東政策の行方
たっぴ | 2009.01.18 0:59
これまでの民主党の流れから行けば、民主党の方が、諸外国に対して手厳しい政策を行なっている。
(経済政策・戦争とも好きなのが民主党。もちろんの事ながら、日本にも手厳しい)
この観点から言えば、自国の経済クライシスが一番重要であることは、言うまでもないと思います。
個人的には、ケネディー同様にいつ暗殺されるのかが、
気がかりです。アメロ発行前後であろうか?