ニクソン戦略の世界多極化で戦争が激減する
>ニクソンは「多極主義者」だった。
>レーガン・・・ブッシュ・・・チェイニー・・・ラムズフェルド・・・ウォルフォウィッツ・・・ルイス・リビーら「ネオコン」は「隠れ多極主義」ではないか
>多極主義が成功し、・・・・・世界が多極的な状態になって安定したとしたら、その後の世界では、戦争が劇的に減るかもしれない。
軍産複合体の勢力は現状どうなっている?これからどうなる?
軍産複合体の中には、資本家勢力と、国家主義勢力(右派)とが存在するのではないか?
チェイニー・・・ラムズフェルド・・・ウォルフォウィッツ・・・ルイス・リビーら「ネオコン」がメンバーであるPNACやその後ろ盾である財界によって作られているAEIという団体は何の為の組織?
英米中心主義の残派は現状米国に存在するのか?具体的には何者?ウォーターゲート事件でニクソンを失脚させた米英中心主義勢力って具体的には?米国務省?CIA?
関連して調べていきたい以上の疑問が生まれた、
「田中宇の国際ニュース解説」世界多極化:ニクソン戦略の完成 という記事を紹介します。
■ニクソン多極化戦略①ニクソン訪中
アメリカは、1950年の朝鮮戦争で中国軍と戦って以来、中国と敵対関係にあった。
米軍がベトナムから撤退するに際し、北ベトナムに対して大きな影響力を持っていた中国と和解することで、撤退を容易にしようとする戦略。
■ニクソン多極化戦略②ニクソン・ドクトリン
これは日本や韓国、英仏独などの同盟国に対し、それまでは米軍が直接派兵して守っていたものを、軍事技術や諜報、核の傘、資金面での支援のみに切り替え、同盟国を自立させ、アメリカの負担を減らすという宣言だった。1971年の沖縄返還は、この宣言の具現化の一つである。
ニクソン・ドクトリンは、イランやアラブの産油国に対する軍事支援強化も含んでいた。イスラエル(シオニスト)が軍産複合体の知恵袋として米政界に食い込んでいたのに対抗し、イランやアラブを軍事的に支援して中東における力の均衡状態を作り、イスラエルの力を削ごうとした。
ニクソン在任中の1973年には、中東産油国が石油の対米輸出を止めて石油危機が起き、世界の石油利権を支配していたはずのメジャー(米英大手石油業界)はほとんど無抵抗で石油が高騰し、米経済は大打撃を受け、その後のアメリカの経済的衰退の端緒となったが、これも「イスラエルの力を削ぐ」「アメリカの経済的単独覇権を自滅させる」という意味で多極化戦略。
■ニクソン多極化戦略③ニクソンショック
「金ドル交換停止」(ニクソン・ショック)。これは、1944年のブレトンウッズ体制(ドル基軸制)の開始以来、米政府が25年間、世界と米国内に対して経済援助や戦費、補助金や公共事業などの大盤振る舞いを続けた結果、財政赤字と経常赤字(貿易赤字など)が巨額になり、ダメ押しとしてベトナム戦争の戦費急拡大でドルの信用不安が強くなり、米政府保有の金が流出して空っぽになったため、金ドル交換の保証をニクソンが放棄し、ドルの体制が崩壊した。
■ニクソン失脚から「隠れ多極主義」誕生
ニクソンは1974年にウォーターゲート事件で失脚し、これ以降、米政界では軍事産業とイスラエルが結束した右派勢力(軍産イスラエル複合体)が強くなり、米英中心主義に基づいた冷戦の永続を目指し、多極主義を目の敵にした。これに対して多極主義の勢力は、軍事産業とイスラエルのために働いているかのように見せかけた戦略を推進し、それを大失敗させることで米英中心主義を壊し、結果的に多極化の方にもっていく「隠れ多極主義」になった。
レーガン政権は、軍事産業とイスラエルのための政権だったはずが、結果的に冷戦を終わらせ、EUを誕生させた。今のブッシュ政権は、テロ戦争とイラク戦争によって軍事産業とイスラエルに貢献するはずが大失敗し、米軍は疲弊、イスラエルは窮地に立っている。ブッシュ政権の軍事・外交・財政・金融などの多方面の戦略の(意図的な)失敗の結果、事態はニクソンが果たせなかった「多極化」の方向に急ピッチで進んでいる。
アメリカの軍事産業が望む「儲かる戦争」は空軍と海軍の新兵器を使って圧勝する短期決戦だが、イラク戦争はこれと正反対の、地上軍消耗型の長期のゲリラ戦である。イラクの泥沼化で、中東は反米反イスラエルのゲリラ(テロリスト)の巣窟となり、イスラエルは窮地に陥っている。
レーガン・・・ブッシュ・・・チェイニー・・・ラムズフェルド・・・ウォルフォウィッツ・・・ルイス・リビーら「ネオコン」は「隠れ多極主義」ではないか
■イギリスの立場
イギリスは第一次大戦で疲弊して自滅的に覇権を失ったが、この際、アメリカの政府や財界に覇権の味を覚えさせ、アメリカに覇権を移譲してイギリスがその黒幕になるという米英中心主義の体制(米英同盟)を作り、自国が弱体化しても覇権利得の一部が自国に入る仕掛けを作った。欧州を地政学的に見ると、イギリスの敵はドイツとロシアであるが、冷戦構造の中では、ドイツは永久に東西分割され、ロシア(ソ連)はアメリカが敵視してくれて、アメリカはイギリスの同盟国であり続けるので、イギリスは安泰だった。
これに対し、ニクソン以来の多極化戦略はイギリスの冷遇を目指した。ニクソンの世界5極化は「米欧日露中」であり、イギリスは「欧」の中に入れられてしまっている。「欧」は「欧州統合」を暗示しているが、それはレーガンが誘発したEU誕生によって実現した。EU誕生によって、欧州内で敵対しがちだったドイツとフランスは恒久的に統合され、2度と敵対できなくなった。フランスを味方につけてドイツを封じ込めるという、イギリスの歴史的な大陸分断戦略は永久に無効化された。
■世界中で戦争を意図的に誘発し続けてきた米英中心主義帝国
第一次大戦以来、人類の歴史の隠された中心は、イギリスの国家戦略の発展型である米英中心主義と、資本主義の政治理念である多極主義との相克・暗闘であり、それが数々の戦争の背景にある。米英中心主義は、日独の台頭を阻止するために世界大戦を起こし、冷戦をアジアに拡大するために朝鮮戦争やベトナム戦争を誘発した。中東におけるイスラエルと米英の戦略上の摩擦が、数次の中東戦争、石油危機、イスラム革命、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、テロ戦争、イラク戦争の背景に存在している。
イギリスは、アメリカの軍事産業の利権を拡大してやることで米英同盟を強化しており、これも米英が戦争ばかりやっている状態を生んだ。建国時にイギリスの策略でアラブとの永続的戦争状態をつかまされたイスラエルは、その後アメリカを牛耳ることで自国の存続を可能にしたが、この要素もアメリカを中東での連続的な戦争に巻き込んだ。加えて、米英中心主義への報復を試みた多極主義が、米英中心主義的な戦争を大々的にやりすぎて失敗するという戦略を採ったため、米英イスラエルはますます戦争漬けになった。
今後もしブッシュの隠れ多極主義が成功し、米英イスラエル中心主義が完全に清算され、世界が多極的な状態になって安定したとしたら、その後の世界では、戦争が劇的に減るかもしれない。
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コメント7件
そ | 2008.03.14 1:34
今日の報道ステーションで株安の話が出てきましたが、その中で「アメリカ側が何とかしてくれると思うので我々はそれを待つ」という日銀のコメントがあった。
あのな~、日本人が動けよ~、いつまでも従アメリカ路線はダメだぞ~と言いたい。
匿名 | 2008.03.14 19:51
”テレビの政治討論番組の司会であったり、あるいは常連のコメンテーターとして居座っている彼ら=「親米保守論者」たち。何せ、テレビのチャンネルをつけると、ニュースや報道、あるいは討論番組に必ず1人は出演”
これは事実でしょうか?NEWS23や報道ステーションでは出演者・コメンテーター全員が左翼陣営であることが少なくありません。
匿名 | 2008.03.17 1:21
「保守派・右派へ、期待を込めて問う。」
その前に既に切り捨てられた存在であるところの自分の左翼としての立ち位置を明らかにする方が先ではないですか?
bronks | 2008.03.18 21:36
テレビの政治討論番組・・・のくだりに「コレは事実でしょうか・」とのコメをつけていた方へ。いまどき「左翼陣営」などというくくり方が適当かどうかはこの際置いといて(笑)、いっぱいでてるでしょ。田原O一郎とか、竹中O蔵とか、もうすっかりボケてるけど、竹村O一とか・・・。ア、ミヤケ何とかいうハゲもいたっけwww。ご自身の思考とこのエントリの主張が違うからといって、事実から眼をそらすのはやめな。
匿名 | 2008.03.20 16:43
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つうか害資が日本株売るんなら底値で買い戻す絶好のチャンスなんだよね~。
ついでに奴らが一番嫌がる持合い復活・護送船団方式復活もやっちゃおうぜ。
バブル以前は害人比率なんて8%以下、今は4割に届こうかとしてる。
欧米の株式市場に比べても害人比率が高すぎ。
2倍くらいあるからな。
竹下だか宮沢だかが持ち合い解消約束しちゃったからダメだって?
んなもん知るけw
米資本の奴隷になるよりはマシ。
匿名 | 2008.03.20 17:46
“必ず1人は出演”というのを”いっぱいでてるでしょ”に言い換えるということは、”事実から眼をそら”しているのですね。(-∧-;)
米流時評 | 2008.03.12 11:59
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