- 日本を守るのに右も左もない - http://blog.nihon-syakai.net/blog -

石炭を巡る動きあれこれ

石油の急沸により、漠然と電気代もあがるんだろうな~ 🙄 と思っていたんですが、日本の発電源を調べてみると、原子力30%、石炭25%、天然ガス23%、石油12%、水力等11%の構成となっており、実は石油の比率はかなり少ないのが現状です。(IEA;Energy Balances of OECD Countries 2001-2002より)
ちなみに他国の発電源を比較してみると、
アメリカ:原子力20%、石炭52%、天然ガス17%、石油3%、水力等 7%
中国  :原子力 1%、石炭76%、天然ガス 1%、石油3%、水力等19%
フランス:原子力77%、石炭 4%、天然ガス 4%、石油1%、水力等14%
ドイツ :原子力30%、石炭52%、天然ガス10%、石油1%、水力等 8%
となっており、実はどの国でも、発電源としての石油利用は相対的に低い様です。
各国の発電源は、極端に原子力に依存しているフランスを除けば、まだまだ石炭の依存度が高い状況になっています。
%E7%9F%B3%E7%82%AD%E5%9F%8B%E8%94%B5%E9%87%8F.jpg
図は、九州大学総合研究博物館 [1]から拝借しました


○ドイツの発電事情 (こちらのサイト [2]から引用)

ドイツでは脱原子力の流れから、昨年までは新型の石炭火力発電所の新設計画が39件もあったのですが、計画の見直し、凍結、中止を次々に決定しています。その理由は、原油価格の向上、中国経済の成長を背景に鉄やセメントなどの材料価格が高騰しており、計画時よりも発電所建設費用が50~60%割高になったからだそうです。
EUはより強力な気候温暖化対策、そしてより厳格な温室効果ガスの排出権取引を政治的に行う模様です。
ですから、新設される石炭火力発電所は40年間で減価償却を見込みますが、10年先に果たして石炭火力発電所を運転することができるかどうか非常に怪しい雲行きになっているのです。
一方、2004年から毎年、ドイツにおいては原子力発電1台分の出力の自然エネルギー施設が新設されており、2007年は140億キロワット時(およそ原発1.5基分)のクリーンなエネルギーが追加で発電されています。

○アメリカの発電事情 (こちら [3]より引用)

中国や日本と同様に石炭火力発電への依存度が高い米国では、2007年、建設の中止に追い込まれた石炭火力発電所の数が59カ所に上ったらしい。
 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量が特に多いとして、州政府が建設許可を出さなかったことなどが理由で、金融機関も融資に消極的になっている。
 06年の米国の総発電量に占める石炭の比率も1980年以来最低の49%となり、ブラウン代表は「新規建設の全面禁止を求める声も高まっており、米国の石炭依存は転機を迎えた」と分析している。

○日本の動き (こちら [3]より引用)

石炭への依存度は欧州でも低下しているが、日本では逆。90年度には10%だった石炭への依存度が05年度には25%と急増。これが、発電に伴うCO2の排出量増加につながった。
 環境エネルギー政策研究所の大林ミカ副所長は「日本は90年代以降、政府が石炭火力発電を推進し、野放図な大型発電所の新設などで石炭利用を増やした。先進国で石炭利用をこれほど加速させているのは日本だけで、早急に自然エネルギーや省エネを機軸としたエネルギー構造に転換する必要がある」と指摘している。

この指摘は、CO2排出の観点からは分からなくもないが、発電源の偏りが生み出す危険を分散させる意味合いでは、いたしかたない手法だとも思える。
○今後の読み
石油だけでなく、石炭も急沸の動きがあり、発電用石炭が2.3倍に値上げされるのに伴い、国内の電気料金の値上げもほぼ確実となってきた。(詳しくはここ [4]
世界的には、二酸化炭素排出規制による影響が大きいため、どの国も石炭の利用には後ろ向きになっている様だが、資源貧弱国の日本だけが、石炭による新技術に向けての動きをみせている。
例えば、石炭ガス化発電プロジェクト [5]なんてのは、日本ではかなり力を入れている様だ。
国内で眠っていた炭坑も、石油急沸のあおりをうけて注目をあびてきている。(詳しくはここ [6]
意外に、可能性があるかもしれない石炭にも、ちょっと注目しておきましょう。

[7] [8] [9]