2010年12月13日
「超国家・超市場論 第7回」 他集団との接触が始まって以降も共認原理によって、社会を統合しようとした人類 ~同類闘争の圧力と共認統合の限界3~
本シリーズでは、国家や市場を超える新しい社会統合機構の可能性について展開している、「超国家・超市場論 」を連続して紹介している。
前回のエントリーでは原始人類の社会について明らかにした。他の動物に比して、本能的な肉体機能に劣る始原人類の置かれた圧力は、極限的な自然圧力であり、彼らは恒常的に他動物に対する怯えと飢えに苛まれていた。人類はその極限的な圧力の下で、サル時代に形成された共認機能(相手の心に同化する機能)に全面収束し、共認原理(課題や役割や規範を共認することで集団を統合する)によって集団を統合していた。共認機能に全面収束した人類は、サル以上に著しく知能を発達させ、200万年前に言語と道具を、70万年前に火を獲得し、極限的な圧力に対する突破口を徐々に切り開いてゆく。
その後人類は1万年前頃、弓矢を発明することで他動物とある程度対等に戦える、防衛力を手に入れ、ようやく洞窟から地上に進出することが可能となった。この防衛力の増大によって人口も増加しほぼ同時期に栽培も開始される。生産力の安定は更なる人口増大をもたらす。するとそれまで、ほぼ単一集団として点在し、殆ど集団同士の接触のなかった人類は、人口の増大によって集団同士が接触するようになってきた。
つまり、人類は史上初めて同類集団間の緊張関係=同類圧力に直面するのである。
今回は、1万年前以降の同類圧力の働き始めた人類社会の姿を見ていきたい。
三内丸山遺跡(画像はこちらからお借りしました)
応援宜しくお願いします。