2022年02月04日

ウクライナ情勢。ロシア(プーチン)、中国(習近平)の狙いは「欧米解体」か?

緊迫するウクライナ情勢。
「ロシアvs欧米勢(NATO)」の構図ですが、中国、米国、ドイツ等の状況を考えると欧米勢に分が悪い。米軍も出ていかない、ドイツ(EU)もロシアと対決できないのではないかと思える。ウクライナ局地戦に止まらず、ロシア(プーチン)、中国(習近平)の狙いは、文字どおりの「欧米解体」、つまり米国をユーラシア大陸から撤退させ、欧州を(中露を中軸とする)ユーラシア連合に取り込むことではないか。(「欧米」という概念そのものの終焉、あえて言えば欧露とか?)

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■【黒川祐次 物語・ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国】 https://www.chuko.co.jp/shinsho/2002/08/101655.html

ウクライナがどうなるかによって東西のバランス・オブ・パワーが変わる。フランスの作家ブノワ・メシャンは、ウクライナはソ連(当時)にとっても、ヨーロッパにとっても「決定的に重要な地域のナンバーワン」といっている。
ウクライナの重要性と将来性。第一には、大国になりうる潜在力。面積はヨーロッパ第二位、人口5000万人でフランスに匹敵。農業では、世界の黒土地帯の約30%を占め、「ヨーロッパの穀倉」の地位を取り戻すであろう。科学技術面では、かつてソ連最大の工業地帯であり、科学者・技術者の水準は高い。国民の教育水準は高く、堅実で忍耐強い。第二は、地政学的な重要性。ヨーロッパでウクライナほど幾多の民族が通ったところはない。ウクライナは西欧世界とロシア、アジアを結ぶ通路であった。

 

■【北野幸伯 裏RPE】ロシア、ウクライナ侵攻に向けた情報工作を開始 https://rpejournal.com/urarpe110.html

プーチンは、NATOのさらなる拡大、特にウクライナ、ジョージアへの拡大を阻止したい。しかしこれは、長く続いている問題です。なぜ、「今になって」ウクライナ国境に大軍を集結させ、アメリカやNATOを脅しているのでしょうか? 私は「米中覇権戦争が激化していること」と関係があるのだと思います。アメリカの主敵は中国です。米軍は、アフガニスタン、イラク、シリアなどから引き上げている。要するに、資源を「対中国」にシフトさせている。プーチンは、「アメリカは今、中国との戦いで忙しい。それで、二方面で戦うのを避けたいはずだ」と見ていた。

 

■【リアルインテリジェンス】弱体バイデンと日米同盟の変貌 https://real-int.jp/articles/1115/

昨年11月24日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙で著名な歴史家は、「バイデン氏をアジアから遠ざける中露の深謀」を寄稿して、中国とロシア、イランは、明確に国際状況を理解し、バイデン氏が率いる米国の衰退を望み、大統領の目をアジアにとどまらせないためにできることをやっている、と警告を送っている。イランの強硬派は、イラン核合意への復帰に向かって歩みを遅くして、ロシアと中国からの支援を得て、中東であらゆる弱みを利用し、あらゆる境界線を試そうとしている。ロシアは、米国が中国に集中できないようにベラルーシを支援し、ウクライナに対して戦争をも辞さない姿勢を示し、欧州の電力供給をめぐって強まる支配力を見せつけている、と指摘している。

 

■【田中宇の国際ニュース解説】ロシアは正義のためにウクライナに侵攻するかも https://tanakanews.com/220124ukraine.htm

米英の諜報界(軍産複合体)が、ロシアを挑発してウクライナ東部に侵攻させようとしている。米英は露軍に侵攻させて欧米とロシアを(欧米側が負ける形で)対立させたい目論見で、ウクライナ危機(ロシア敵視)を扇動しているのかもしれない。

 

■【リアルインテリジェンス】市場のボラティリティーを高めるプーチン https://real-int.jp/articles/1130/

プーチンが何ら足かせなく行動できるであろうと踏んでいる理由は他の3ヵ国にある。米国、ドイツ、中国だ。
米国内では、まさに民主主義の中核=選挙の妥当性に疑念を投げかける人々(トランプ派勢力)が社会を深く分断している。混迷を深めたアフガニスタンからの拙速な米軍撤退によって、米国の軍事的対応はないとの見方が固まった可能性がある。元安保担当者でロシア専門家のセスタノビッチ氏は、「アフガン米軍撤収を巡るバイデン大統領の失態によって、こいつは振り回すことができる人物だという印象をプーチン氏に与えたとの見解を否定することは難しい」と言及している。

ドイツは原発廃止決定により、ロシアからのエネルギー輸入依存度をかつてないほど高めてしまった。ドイツ当局者はウクライナとの連帯を強調するが、行動が伴っていない。人口100万人強の小国エストニアが、結束の証しとしてウクライナに武器を送ることを望むと、ドイツは自国製の武器輸出について許可書の発行をかたくなに拒んだ。

プーチンは中国との関係を深めていることで、ウクライナ侵攻後に欧米諸国がいかなる経済制裁をしても、中国が支援の手を差し伸べてくれると考えているはずだ。中ロは米国の弱体化を印象づけたいという目的で一致しており、ロシアがウクライナ侵攻に成功すれば、中国による台湾侵攻への布石にもなり得る。

欧州ではロシアの天然ガスへの依存度が高まる一方だ。そのため、欧州の米国同盟国の多くは制裁拡大による自国経済への影響を恐れ、ロシアに盾突くことに尻込みしている。

米国バイデン大統領の戦略的敗北は、もはや決定的といえる。ロシアのウクライナ侵攻があっても、無くてもだ。

 

■【PRESIDENT Online】ウクライナ侵攻は序章に過ぎない…プーチン大統領が狙う「欧米解体」 https://president.jp/articles/-/54289

ロシアの容赦ない圧力にさらされるバイデン氏が、不調和が続くNATOに不信感を募らせ、NATOからの撤退を模索するかもしれない。中東、アフガニスタンからアメリカ軍が撤退したようにヨーロッパからも、という流れである。その先に、プーチン氏の野望が見え隠れする。主導権を握ってきたアメリカの不在でNATOは弱体化し、伝統的な同盟を形成してきた「欧米」が引き離される。NATOを統率するリーダーがいなくなれば、プーチン氏が崩壊寸前のNATOを乗っ取る秘策を打ち出すかもしれない。

 

by Yusuke

List    投稿者 fuji-m | 2022-02-04 | Posted in 09.国際政治情勢の分析No Comments » 

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