2010年08月16日
国の借金900兆円どうなる!? ~3.日本国債=日本財政の命運を握るのは?~
毎年40兆円~50兆円の新規国債発行を余儀なくされている日本財政の現状、そしてそれを買い支えてきた家計と企業の金融資産(預金)が、団塊世代の退職に伴って減少し、いずれやってくる危機について見てきた。
国の借金900兆円どうなる!? ~1.日本財政の現状は?~
国の借金900兆円どうなる!? ~2.家計が国債を引受けられるのはあと何年?その先はどうなる?~
【日本の財政、国債の現状】
・日本政府は、租税収入を超える社会保障費支出などによって国及び地方合わせて1100兆円近い債務残高がある。現在までは、家計と企業の余剰資金が銀行に預けられ、銀行は自己資本比率を守るため、かつ投資先が無かったこともあって、国債に投資してきた。だからこそ、1100兆円もの国債発行が可能だったとも言える。
・この結果、日本国債の保有者は国内95%、海外5%で、ほとんどが国内金融機関が保有している。(海外比率は、日本5%、アメリカ50%、イギリス37%、ドイツ53%、フランス34%)
>財務省 債務管理レポート
・日本政府は、歳出を大幅に見直さない限り(=社会保障費を大幅に減らさない限り)今後40兆円~50兆円規模の新規国債の発行が不可欠。しかし、金融機関が国債を買う原資となる家計の金融資産1400兆は停滞→減少し始めている。(貯蓄率は40%前後から3%前後へ)
・この結果、家計の金融資産と政府の債務残高の差が縮まってきており、家計の金融資産を原資とした国債引受は、10年もしないうちに破綻する。