2010年03月17日
世界情勢が読めず、思考停止する外務官僚
2009年10月11日「世界の覇権交代が読めない、日本の特権階級」という記事があるが、田中宇氏も日本の外務官僚の無能さに警鐘を鳴らしている。『田中 宇の国際ニュース解説』2007年9月18日「強まるドル崩壊の懸念」によれば、
▼外務省に外交を任せるのは危険
私が知る限りでは、政府内でアメリカの衰退懸念についてほとんど分析がなされていない。
安倍政権の戦略立案には、外務省(谷内正太郎事務次官や、OBの岡崎久彦氏など)が強い影響力を持ち、対米従属を強化することが、国内政策をしのぐ安倍政権の最重要課題だった。だが「隠れ多極主義者」のチェイニーが実権を握る米政府は、日本の対米従属強化を許すはずもなく、今や安倍は辞任を決め、外務省の謀略は失敗した。
これから潰れそうなアメリカに従属するのは大変な愚策だが、私が接する範囲では、外務省の人々はOBから若手まで、これを愚策だと思っておらず、いまだにアメリカの覇権はあと20年は続くと考えている。外交官たちは、難関の試験を通った頭の良い人々なのだろうが、集団心理によって、現実が見えなくなっている。外務省に外交戦略を任せておくのは、日本にとって危険なことになっている。
このように、日本の外務官僚たちは「対米従属していれば安泰」といった誤った状況認識のまま思考停止しているわけだが、これも今に始まったことではない。「幕末の志士亡き後、戦前の試験エリートは失策に失策を重ねた」わけだが、日本の外交官僚も戦前から世界情勢が読みきれず失策と迷走を繰り返している。
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