2009年09月27日

なんでや劇場レポート③「自我⇒否定⇒私権意識の成立構造~自我の原点は個人自我ではなく集団自我」

ブログ、「今を知るための歴史探求」様より画像をお借りしました。3970d5a9.jpg
BC3000年頃のイラン高原。
遊牧部族の集団間の相対意識が、集団自我→他集団否定の母胎(卵)となったと考えられる。
ここから生まれた自我集団間の略奪闘争は、邪心集団の勝ち抜き戦を通して、あっという間にイラン高原から、世界を掠奪集団だらけの状態にしてしまいました。

潮流1~9まで時代を追って私権意識が衰弱する過程を見てきた。
私権の衰弱過程は3段階に分かれる。
‘70年豊かさ実現による私権の失速
→バブル崩壊を契機とする’95年私権意識の衰弱
→‘08年経済危機(or’03年もったいない意識)を契機とする私権原理の崩壊。
そして、私権意識と一体となって否定意識と自我も失速→衰弱してきた。
自我・否定意識・私権意識の関係はどうなっているのか?

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現在は、私権意識の衰弱→否定意識の空中分解→自我の衰弱という順で衰弱としている。この私権→否定→自我の衰弱構造と逆順で私権意識は成立したのではないか?(仮説)
私権意識の登場構造⇒その原因である掠奪闘争の始まりを解明する。
掠奪闘争は遊牧部族発だが、他の採集部族が単一集団=それそのものが社会であるのに対して、遊牧部族は羊を連れて小集団で独立して移動する生産様式であり、拠点集団とそれから離れて遠征する遊牧部隊から成る複層社会を形成する。複層社会の遊牧部族では、単一集団では生起しない集団間の相対比較→相対意識が生まれる(ex.あの集団には羊が多い)。この遊牧部族の集団間の相対意識が、集団自我→他集団否定の母胎(卵)となったと考えられる。

そして、この相対意識が蓄積された上で、娘移籍の婚姻様式が始まる。遠征生活する遊牧部隊は男だけの集団で、かつ滅多に拠点集団に戻らないので、拠点集団から遊牧部隊に娘たちを移籍するようになり、人工的な父系集団が形成されたのだ(遊牧ではその生産様式が婚姻制度を規定している。)ここで移籍した女たちの性的自我→否定意識→私権意識が顕在化し、それが遊牧部族の男たちにただちに転写される。そうなると自集団を正当化する観念が形成され、集団全体がそれに収束する。そうなると、他集団否定(自集団のためなら、よそ者は殺してもいい)という理屈は簡単に成立する。
これが遊牧部族の集団自我→否定意識→私権意識の登場過程であると考えられる。
自集団の正当化観念が掠奪→戦争の直接的原因ではあるが、複層集団の相対意識が母胎としてあってはじめて正当化観念も成立する。
注)遊牧部族も様々な部族がある。元々の遊牧部族は、遠征部隊は父系集団の男原理だが、拠点集団は母系の女原理であったと考えられる。その後の掠奪闘争で勝った部族は完全父系に転換したが、早々と負けてアラブなどの僻地に逃げ込んだ部族では、母系集団がそのまま残存していたのではないか。アラブは現在は父系だとしても、その背後に母系的な特徴を残している可能性もある。

認識の転換が必要である。
これまで自我は個人と一体であると考えてきたが、それは間違いではないか。
集団の自我(私権)こそ、自我(私権)の出発点ではないのか。
個人発の自我が集団に蔓延したのではなく、まず集団自我(私権)が生まれ、それが個人に転写され、個人の自我(私権)が生まれたのではないか。

以上を踏まえて、‘70年以降の私権の衰弱過程を捉え返すと次のようになる。
‘70年以前の貧困な時代には、国家(民族)挙げて豊かさ⇒私権獲得に邁進していたが、
‘70年豊かさが実現→国家(民族)私権が衰弱し、
バブル崩壊を契機とする‘95年企業私権の衰弱(企業は利益追求の主体だが、これ以上の利益追求を断念した)、
そして現在起こっているのは、最後の集団である家庭の私権の放棄(これ以上追求する気がなくなる)ではないか。だから「もったいない」節約意識が高まったのだと考えられる。

そして、この流れは個人私権の崩壊→否定の空中分解→個人自我の衰弱に向かう。
☆個人自我の消滅はいつごろ、どのようにして実現するのか?
個人自我は前門の虎(私権の衰弱)と後門の狼(充足基調)に立ちふさがる。
最後、個人自我に止めを刺すのは、おそらく女たちによる充足基調ではないだろうか。

List    投稿者 tabtab | 2009-09-27 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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